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◆作品No.173 映画 耳をすませば

🔴作品紹介🔴


放送期
1995年7月15日夏
上映時間 111分

character
▼向原中学校
月島雫(つきしま しずく):本名陽子
天沢聖司(あまさわ せいじ):高橋一生
原田夕子(はらだ ゆうこ):佳山麻衣子
杉村(すぎむら):中島義実
絹代(きぬよ):飯塚雅弓
ナオ:千葉舞
高坂先生(こうさか):高山みなみ
数学教師:笛吹雅子
担任:岸部シロー
▼親族
ムーン(猫)
月島靖也(雫父/つきしま せいや):立花隆
月島朝子(雫母/つきしま あさこ):室井滋
月島汐(雫姉/つきしま しほ):山下容莉枝
天沢 航一(聖司父/あまさわ こういち)
夕子父:中村晴彦
▼その他
フンベルト・フォン・ジッキンゲン男爵(バロン):露口茂
ルイーゼ(西司朗の恋人&貴婦人の猫の人形)
西司朗(地球儀屋/にししろう):小林桂樹
北(きた/リュート):鈴木敏夫
南(みなみ/コルネット・リコーダー):井上直久
野球解説者:江川卓


オープニングテーマ
「Take Me Home, Country Roads」 - オリビア・ニュートン=ジョン
エンディングテーマ
「カントリー・ロード」 - 本名陽子

監督
近藤喜文
脚本
宮崎駿
キャラデザ
保田道世
アニメーション制作
スタジオジブリ

★あらすじ★
好きなひとが、できました。月島雫は、明るく読書好きな女の子。中学3年になって、回りは皆受験勉強で一生懸命なのに、いつも学校の図書館や市立図書館で本を読みふけっていた。雫はある日、図書館の貸し出しカードに「天沢聖司」という名前を発見する。雫が読む本には必ずといっていいほどその名前があった。やがて、雫はひとりの少年と出会う。中学を卒業したらイタリアへ渡って、ヴァイオリン職人の修業をしようと決意している少年。その少年こそ「天沢聖司」であった。雫は聖司にひかれながら、進路も将来も自分の才能にもすべてがあいまいな自分へのコンプレックスと焦りに引き裂かれていた。やがて、雫は聖司の生き方に強く心を動かされ、聖司の祖父・西老人が経営する不思議なアンティークショップ「地球屋」にあった猫人形「バロン」を主人公にした物語を書き始めるのだった…。



🔶感想🔶


<評価:A+>
視聴2024.1.16

<感想>
見終わりました~!!
まずは先にざっくりあらすじを!

〝主人公の月島雫。読書が好きな中学生。自分の借りる本の図書カードにはいつも同じ名前があった。それは「天沢聖司」という名前。雫は彼がどんな人なのか淡い思いを抱き始めていた。受験生だった雫の周りで起こる出来事に段々と変化が訪れる。雫に起こった変化とは。。〟

っと何も伝わらないあらすじになりましたw
ジブリ作品は結構見てる方ですが、本作は見る機会が無くて初見です!
見終わってみて、耳すまと猫の恩返しがごっちゃになってるのに気が尽きました。猫の恩返しも見てないですが、CMなどのちょっとした情報が頭の中で交錯していましたw
『同じような猫男爵がいなかったっけ?何か猫になって飛んで猫の国みたいな所に行ってなかった?』と。
なので視聴途中で「一体いつになったらこの猫男爵は動き出すのか?と言うか主人公をファンタジーの世界に連れて行くんだ?」と思って見ていたけど全然そんなんじゃなかった~w

では。
まず評価は、ジブリではそんなに多くない恋愛が中心の作品で面白かった!!
・・んですが・・・正直な所、物足りなさを感じてしまいました。
なぜ物足りなかったのか原因を考えた結果。自分が恋愛作品に求めているものは、感情の起伏だからです。本作は主人公達が中学生と言うのもあり、初恋そしてボーイミーツガールだと感じました。純愛で可愛らしい恋愛で素敵なのですが、自分が生きて来た歳の分、感情のドロっとした部分を求めてしまうのが原因だと辿り着きました。
でも恋愛なのでやはり面白い!!しかも原作はりぼんで連載されていた少女漫画で、それも驚きました!!今回監督を務められたのが近藤喜文氏なので「の」なし作品なのも納得しました。脚本は宮崎駿氏がやられています。

作品のテーマを自分なりに考えてみました。
●恋愛(人を好きになる事)
●自分探し(心の成長)
です。

<恋愛・人を好きになる事>
本好きの主人公雫は恋愛ともまだまだ縁遠い感じだったが、図書カードを通し気になる存在を見つけた。分かっているのは名前だけ。雫は本好きもあり彼がどんな人なのか妄想する事の楽しさが伝わって着て良かったです。現代(令和)ほど通信手段が進んでいない時代なので直ぐ繋がるわけではなく思い耽る事の良さみたいなのも感じれます。ラブレターは貰うのも渡すのもドキドキするしその悩める時間が良いんですよね~❤
学生の醍醐味みたいなものだなって。大人になるとそういうのも減るし素敵な時期ですね!
今回何と言っても、強烈に印象に残るのが聖司。
率直に聖司は、行動派なので強いキャラだなと思った。
検索すると<聖司=ストーカー>ってパワーワードが出てくるのでちょっと笑いました。確かに結果的に聖司の方が先に雫に恋に落ちていた。そもそも聖司はいつどこで雫に恋に落ちたのか?とっても気になる。事によっては結構な間、片思いしてたのかな?
ただ、行動派の割には直接言う勇気まではなかったのが中学生らしくて良い。なので身の回りにある物を使って気が付かせる。これが面白いなと。2人の共通であるかのような本の貸し出しカードだけど、よくよく考えると聖司は本が好きだったのかは不明だ。雫に気が付いて欲しいが為に読書をしていた。(本当にしてたのか?w)名前だけ刷り込む作戦を考えていた!!凄いね。なんかいつも見る名前だなって気になるもんね!!読書好きな雫なので、妄想はするでしょうねそれは。策士だな聖司ww
聖司のストーカー疑惑に論じたいのは、1日早めて帰って来たや早朝に家の前に来て出てきて欲しいと願掛けするとかは、ただ純粋に会いたいだけだと思う。ほら恋してる時って何でも運命に紐つけたいお花畑じゃん?本当にストーカーなら2ヶ月だって離れないし、今後10年離れるとか・・・ないない。
若気の勢いでの「結婚してくれ」だとは思うけど、一瞬でも生涯を共にしたいと思ってくれる人に出会うって素敵じゃない?まあここのシーンは大人になって観ると現実味が無くて「いやいやいや。そんな簡単なもんじゃない」って少し現実に引き戻されてしまう。
でも有言実行に希望を持てる聖司は良い男だと思う!!

雫は聖司のどこを好きになったのか?
感じたのは、夢と目標を持っている芯の強いところだと思う。容姿もだろうけど。あとは嫌なやつからの恋に発展はあるある。何より先に嫌なところ見てると後は落ちようがない。逆にいい印象なのに悪いところが見える方が嫌いになる確率は高い。好きと嫌いは表裏一体だと思うので。ただ雫は恋愛の部分が弱く見えるのでもう少し恋愛感情欲しかったです。

聖司よりも個人的に湧いたのが杉村!!!!
私、杉村は初めから雫が好きって予測してたの。勢い告白で「ほら~!!見て見ろよ。ここから三角関係勃発のドロドロになるかもじゃん」って机叩きましたww
だいたいどうでも良い事を報告してくる時点で好きに決まってろうが!!夕子が親友みたいなもんなんだし、自分にも気になる人出来て来たし。嬉しいけど友達だしこんなの雫は選べないじゃん。くっそあおはるだな!!!!!!と脳内で叫びました。
だけど!!!もっとここ掘り下げても良かったよね!!夕子が気が付いちゃうとかさ。。
その方が心情動くでしょ?でもそこまでは都合的に無理だったのかな?
でも最後のエンドロール見逃してませんよ!!!良かったね夕子❤

男女に限らず人を好きになると言う事は、恋愛でもそうで無くても素敵な事だと思います。ちょっと暗い話をするとどうしても人は合う合わないが発生する。それは経験を積むと得手不得手の範囲が広がりなかなか純粋に人を好きになる事が難しくなる。(そうじゃない人もいると思うけど。。w)誰かに惹かれる心を大事にしたいですね!

<自分探し(心の成長)>
中学生くらいの成長なので、子どもから大人と言うよりは小人から中人になる感覚だと思いました。中学生の頃なんて先の事考えてない方が多いと思う中、目標を持っているものと自分との比較。未来の見えない不安や何も考えてない自分への焦り。こっちの心情の方が雫は強かったように思います。
これは中学生だけじゃなくても、ちゃんと自分の目標持ってる人って凄いと思うし尊敬する。比較するもんじゃないけど、自分はダメだなって思うし凹むよね。ナニモノかになりたい。ならなければならない。人間の社会は生き辛いけど、ナニモノにも成らなくていい。
どんな自分になるのも最終的に自分で決める事だし、ただ平凡に生きることでも私はいいと思う。そもそも平凡に生きる事だって案外難しい事で、不自由なく生きるって凄い事だから。名声や名誉なんて無くても、自分に嘘つかないとか他者を労わって傷付けないとかそんな見えないことだって出来る人は素晴らしい。ただ比較するし焦るよね。雫の気持ちも理解できるし、西がそれを感じてちゃんと答えを出してあげるのも良い。雫は言葉を紡ぐ才能があったし、何か一つでも好きや遣りたい事を見つけられるって凄い事。それが誰かに刺さらなくても、磨きあげる事が大事って事。誰にでも何かの原石はあると信じたい。そして雫のお父さんの「人と違う生き方はしんどいぞ」と言う言葉も夢中になるものを見つけた雫の背中を押しつつも覚悟してやりなさいと言う親の気持ちも良かった。

印象的に残ったシーンで、自分の才能を確かめるために小説を書き続ける雫。好きな人も遠くにおり、何だかんだ雫を見ていてくれた口うるさい姉もいなくなり広くなった部屋で倒れ込む姿が雫の極限状態を表してて良かった。
そして西からの言葉に涙するシーンも誰かに認められるってこんなに嬉しいものなんだと雫の涙で感じました。完璧でもないし上手くできたわけでもないけどやり遂げたことへの最大の褒め言葉だよね。
自分をここまで動かした聖司。惹かれて当然だなと思いました。

図書館の売店のシーンの背景が良い!ジブリの中では、割と珍しく現代を背景としているので現実にある風景がとても細やかに描かれている。団地のベランダとか何気ない風景が凄く綺麗で美しい。
あと耳をすませばと言えば主題歌のカントリーロード。それの雫が作詞したコンクリロードの雫と聖司シーンのBGMなんか可愛かったね♡

*ここからは突っ込み、気になるポイントを書いて行きます*
◇地球屋での時計の物語。身分の違うもの同士の恋愛。何かに反映されるのかと思ったけど。。どこいった?w何にも掛かってなくて、いい題材なだけに勿体無い。
◇西のドイツの話とかも、もっと広げられそうだったけど…メインじゃないからね。雫の作った作品が類似していたって事でこの設定の役目は終わっていたのかも。。
◇雫の鉱脈を探す話も意味としては何かあったのだろうか?でもその訳のわからないぐちゃぐちゃ具合が思春期の心情そのものなのかもしれない。鉱脈自体は自分の中に眠る原石を切り出したものかな?
◇バロンのセリフで遠くのものは大きく見えて近いものは小さい。ただそれだけと言うセリフ。これは遠く目指すものとは何についても大きな目標と夢。目の前にあるものは小さく見えたり、見ていたりするもので目の前をしっかり掴まないと大きなものには辿りつかないと言う表現にも思えた。

◆タイトルについて話したい※全て憶測です。
【耳をすませば】
以下のように考えてみました。
・澄ます→(「耳をすます」「目をすます」の形で)よけいなことを考えないで、その事一つに注意・意識を集中する。
まさに目の前の事に集中すると言う意味が掛かっている。そして自分の心に耳を澄ますって意味が大きいのかなって思う。案外無視してない?建前とかで。純粋に自分の思いを自分だけは聞いてあげるって大事だなって思う。それが愚痴でも悪い事でも思いは絶対自分自身だけは聞いてあげる事が大事だと思う。あとは耳で言えば聞く事がメインなので人の気持ちに耳を傾けるも大事と言う意味も含まれていると思いました。

物事の判断が付くようになり好きな人を意識する頃のドキドキや自分を確立する時期などの思春期特有の心のわだかまりやモヤモヤなどが分かりやすく表現されていたと思います。
ねこの恩返しに繋がる作品でもあるので、次は猫の恩返しを楽しみにします♪

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