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病院豆知識 紹介状と診断書のちがい  ご存知ですか?

みなさんこんにちは。医療事務歴18年の美月(mituki)です。
突然ですが、病院でもらう紹介状と診断書、混同してしまうことはありませんか?
「紹介状」は病院同士の業務連絡書。そして、「診断書」は病気やケガを医師が証明する書類。それぞれ使う目的や提出先が違います。

「病気で試験を欠席してしまったけど、病気の証明をしてもらうのは診断書でいいんだっけ?」
「引っ越しで病院を変わりたいけど、どちらの書類をもらえばいいの?」 
と悩んだことが、ありませんか?

意外と知らない両者のちがい、知っておくと便利です。


紹介状は病院同士の業務連絡


ケガや病気で大きな病院へ転院が必要。引越しなどで病院を変わりたい。
そんな時に出されるのが、紹介状です。
一般的には「紹介状」と言われていますが、中身は病院同士の業務連絡です。

紹介状の中身はデータがいっぱい

紹介状は、病院同士の業務連絡。現在治療を受けている病院から、他の病院に患者さんを送るときに渡されます。患者さんが、自身で転院を希望したり、病院側から他の病院でもっと高度な治療した方が良いと判断した時などに渡される書類です。

紹介状の中身は、患者さんのケガや病気の経過であったり、紹介元の病院で行った検査の結果や治療の内容、飲んでいるお薬の内容などが書かれています。そして、担当した医師の所見が詳しく書かれていますので、患者さんにとってデリケートな内容が含まれていると言えます。

紹介状にはお返事が返ってくる

患者さんが紹介状を持って転院先の病院を受診すると、受診した病院から紹介元の病院へ、必ずお返事が返ってきます。「患者さんを確かに引き受けました」という簡単なものから、患者さんが転院先の病院で受けた治療や経過を詳しく記したものまで、いろいろな内容のお返事が返ってきます。

紹介元の病院では、そのお返事をきちんとカルテに挟んで保管します。

病院同士は紹介状を通して、患者さんの治療に役立つ情報を交換をしているのす。

紹介状は開封厳禁

病院から紹介状をもらった時は、何が書いてあるのか気になりますよね。
ですがどんなに気になっても、絶対に開封してはいけません。紹介状は、あくまでも病院同士の業務連絡書。開封してしまうと無効になってしまいます。中身を改ざんされたりすると大変ですので、未開封のまま紹介先の病院に届けましょう。

紹介状の料金には健康保険が適用される

紹介状は、病院同士の業務連絡書ですので、料金には健康保険が適用されます。保険点数は250点(2500円)ですので、自己負担3割の人で750円になります。

診断書は病気やケガの証明書


先ほども申し上げましたが、診断書は患者さんのケガや病気を、医師が証明する書類です。

診断書はどんな時に作ってもらう?

診断書は、学校や職場、保険会社などにケガや病気を証明するために作ります。

例えばケガで職場を欠勤する場合。
職場が「いつケガをしたのか」「ケガの程度はどのくらいか」「回復の見込みはいつごろか」という内容を求めたとすると、診断書はその内容が全て分かるものでなくてはなりません。もし、必要な内容が入っていない場合は、病院に修正を依頼することも可能です。

診断書は自分で見てもよい

紹介状とちがい、診断書は患者側の希望で作成されるものになります。証明して欲しい内容は患者さんによってちがいますので、診断書の内容は患者さん自身が読んで、依頼した内容と合っているか確認します。

そのため病院では、紹介状は密封して患者さんに渡すのに対し、診断書は封筒の封を開けたまま渡したり、クリアファイルに入れて渡したりします。

また、診断書を保険会社などに提出する場合、決められた様式を満たしていないと突き返されることもあります。診断書をもらったら、抜けている項目がないかよく確認してください。

診断書の値段は病院ごとにちがう

診断書は、患者さんの希望に応じて作成されるため、健康保険は適用されません。値段は、各病院で自由に決めて良いことになっていますので、病院によってちがいます。

そうは言っても、めちゃくちゃ高い診断書はないですよね。病院も近隣の病院と歩調を合わせて、値段を決めていたりします。余談ですが、私が働いた病院の中で一番高い診断書は12,000円、最安は3,000円でした。

まとめ

紹介状と診断書のちがい、お分かりいただけたでしょうか?

紹介状は病院同士の業務連絡書で健康保険が適用されます。診断書は、患者さんの求めに応じて作成されるもので、病気やケガの証明書。健康保険は適用外です。

患者さんにとって、病院は難しいこと、分からないことが多い世界。些細なことでも、知っておくと不安が和らぎますね。




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