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DAY 5 なぜ失読症患者に億万長者が多い?

 最近、大前研一さんが訳した【ハイコンセプト「新しいこと」を考え出す人の時代】を読んでいる。本の中に「自力で成功して億万長者になった人は、一般の人より4倍も失読症である比率が高い」ということが書かれている。例えば、作家のマルコム・グラッドウェルも、ヴァージン・グループの創業者であるリチャードブランソンも失読症を患っていて、本をスムーズに読むことが出来ない。にもかかわらず、世界で活躍している成功者と言われている。不思議に思わないか?本すらちゃんと読めないのに、どうやって勉強して成長するの?どうやって成功を手に入れたの?
 実は2つの理由がある。
 1つは、失読症患者はコミュ力が非常に高い。本が普通の人に行き渡ったのは、所詮ここ数百年で、人の本能では本は読めないんだ。なので、一般人がスムーズに本を読めるようになるには、かなり高度な訓練が必要。一方で、脳の構造的な問題でどうしても適応できない人がいる。したがって、視覚障碍者が鋭い聴覚を持つのと同様に、本をちゃんと読めない失読症患者はコミュ力が非常に優れる。いろんな人とコミュニケーションすることで読書から摂取できない情報や、知識を仕入れるためだ。
 もう1つは、失読症患者は優れる「システム思考」を持っている。イエール大学神経科学者で、失読症の専門家でもあるサリー・シェイウィッツ先生は失読症患者のことをこのように評価した。「失読症の人の思考は異なっている。一定の手順を繰り返すのは苦手だが、全体像を見て、物事を簡略化する能力に非常に優秀」。つまり、周囲を取り巻く多種多様の情報から意義のあるものだけ抽出・整理して、将来に向けて独自のビジネスモデルを構築する能力に長けているということだ。
 これは、いわゆる「神様は扉を閉じる時も、どこかの窓を開けてくださる」ということだろうか?

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