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想いは唯一無二。想いを語ろう。

先日、尊敬するコンサルタント主催の経営者向けグループコンサルティング、いわゆるグルコンに参加した。
ほとんどの経営者が人と組織の問題を挙げる中、マーケティングの相談がしたいという方がいらっしゃった。

その方の新商品は、ほぼ完成しており、それをどう拡販していくかというご相談だったのだが、どんな機能があって、どう便利なのかを延々と聞いていたら、気持ちが話についていけなくなり、途中から全く頭に入ってこなくなってしまった。商品を説明する声は完全に音と化して、聴き方も「Listen」から「Hear」になってしまい、何を言ってるのか、全然わからない。営業シーンなら、お客様は置いてきぼりだ。

グルコンとしては、マーケティング的に見て、プロダクトアウトなのが問題かなという話が上がっていたが、ブランディング的に見るとどうか。

元営業マンの私が、自分なら、この商品をどう語るかを考えてみた。
たぶん、機能の話より、なぜこれを開発し、広めていきたいと考えたのか、それを熱く語りまくるであろう。その商品そのものに関心がなくても、想いに共感すれば、関心が高まることがあるし、相手に応援したくなる気持ちを持ってもらえれば、話が進むこともあるからだ。
少なくとも話についていけないと、途中で聞くのを諦めることはなさそうだ。機能説明は、その後でいいかな。

と、まあ、こんな風に言えるのも、全てはブランディングを学んだおかげだ。
「中小企業は機能的価値で勝負せず、情緒的価値で選んでもらう。」
そんな考え方が染み付いているようだ。
機能的価値とは、文字通り、商品やサービスそのものが持つ機能や性能の部分で提供できる価値のこと。情緒的価値とは、顧客の「感情」や「心」に訴求する価値のこと。

ブランディングとは、好きになる気持ちを育てることだ


一方マーケティングは、売る仕組みのこと。
どちらも大切だけど、まず好きにならないと、マーケティングの話まで行きつくことすらできないこともあるのかも。
私たちは大手と違って、思い切り予算をかけて圧倒的な商品を作ることはできないけれど、大手の人に負けないくらい熱く取組むことならできそうだ。しかも小さいからこそ、この商品は自分の想いそのものということもありえる。思いは唯一無二。機能は真似できても想いは真似られない。

やっぱり「想い」は最強だ。機能じゃなくて、想いを語ろう。

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