久住さんの本

久住昌之『野武士 西へ』を借りて読んでいます。氏に関しては『カッコいい すき焼き』を40年位前に読んで、視点の鋭さと表現に共鳴しっぱなし。孤独のグルメはテレビでしか見ていないけど感想表現が久住節で楽しい。
この本は10年以上前の発行だが、私は十分に楽しい野武士シリーズだ。
特に次の箇所。
(以下引用)
テレビで見て、ガイド読んで、ネットで検索して下調べして、わざわざ出かけるのが散歩なのか?それは観光じゃないか?旅行じゃないか?
散歩なんて、頭を使わずにその辺をぶらっとする、無意味なそぞろ歩きだろう。「さんぽ」と平仮名が似合う、のんきな気晴しだ。「オススメ散歩コース』に沿って几帳面には歩くなんて、散歩じゃねえ! (10ページから)

私が常に思っている気持ちを見事に代弁しているので共鳴です。
後ろ手で老人のように歩くのが散歩。私のイメージである。頭を空っぽにするまで時間がかかることも多いが、空や音に関心できる余裕ができると散歩になっている実感が得られる。東京は人が多いので対向者に気を使っていたが、今は道を譲ることに心の余裕を覚える。かつては逆走する輩にイライラしていたが、そんなくだらないことに神経を使うことがバカらしくなった。これは散歩の効用として結構重要。
久住氏の本を読むと、知らぬ間に視点が同じようになるので要注意。
機会があったら是非お読みください。


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