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\公務員は副業できるのか⑥/

今回は、総務省が行った調査結果を見ていきましょう。
調査名は、「営利企業への従事等に係る任命権者の許可等に関する調査」です。

同調査によると、許可基準を設定している自治体は、1,788団体(都道府県、指定都市、市区町村)中、703団体と約4割です。

はじめに注目したいのは、「基準の周知状況」です。
ここでは、703団体のうち353団体が基準を対内外に公表しているとされています。
こう見ると多く感じのですが、この中には、前回説明した人事委員会規則のような、具体性の無い基準も含まれているのかもしれません。

次に、「基準の内容」を見ていきましょう
「基準の内容」を国基準としている自治体が593団体、独自基準としているのは110団体です。そのため、多くの自治体においては、以前説明した人事院規則14-8などと、同等の基準になっているようです。

続いて、平成30年度の「兼業許可件数」を見ると、社会貢献活動での許可件数は、11,506件とされています。全国の地方公務員数が約280万人と考えると、兼業許可を受けているのは0.5%にも満たないということですね。

これらの結果を踏まえ、令和2年1月10日付け総行公第1号通知にて、総務省から自治体あてに次のとおり技術的助言がなされています。

兼業許可に係る基準を設定している団体は、今般の調査結果によると、都道府県及び市区町村のうち4割程度にとどまるが、兼業許可の公平性を確保する観点からは…〈省略〉…各地方公共団体において詳細かつ具体的な許可基準を設定すべきものであること。
 
 兼業許可に係る基準を内外に公表している団体は、今般の調査結果によると、都道府県及び市区町村のうち2割程度にとどまるが、兼業許可の透明性や予測可能性を確保し、社会貢献活動等の兼業を希望する職員が許可申請を躊躇なく行えるようにする観点からは、各地方公共団体において許可基準を公表すべきものであること。

地方公務員の兼業制度については、まだまだ過渡期といえそうですね。
次回は、許可基準を具体的かつ明確にすることで、兼業を促進している自治体の事例を見ていきます。

〈公務員は副業できるのか⑦に続く〉

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