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飛行機のエンジン

プロペラエンジン

 セスナや古い飛行機はプロペラエンジンです。羽根が回転して、前方から空気を取り込み、後方に送り出す。その風の力で機体を先方に押し出す。原理が分かりやすいです。
 例えば、扇風機を、つるつるの氷の上に置き、羽根を回すと、後方から空気を取り込み、前方に吹き出します。すると、扇風機自体は、風の力で後ろに滑り出します。プロペラ機はこの逆です。
 エンジンは自動車と同じレシプロエンジンです。シリンダの中で燃料を爆発させ、ピストンを上下運動させます。ピストンの上下運動をカムによって回転運動に変換して、羽根を回しています。自動車のエンジンがシャフトを回転させるのと、原理的には同じです。
 では、飛行機は、なぜ空を飛べるか。これは、ちょっと難しいです。飛行機が高速で走り出すと、主翼が空気を切ります。主翼の断面は上下対称形ではなく、上側の方が曲面になっています。主翼の前方から入る空気と、主翼の後方から出ていく空気の量は同じですから、主翼の上面の曲面に沿って流れる空気の方が流れが速くなります。この主翼の上下の空気の流れの速度差が、羽根を浮かせる浮力を生み出します。
 つまり、プロペラエンジンは、主翼による浮力を生み出すために機体を高速で走らせる機械であり、その方法は前方から後方へ流れる強い風です。

ジェットエンジン、、ではなく

 では、皆さんがよく乗る飛行機のジェットエンジンは、どんな構造でしょうか。よくみると、後方から炎が見えます。ですので、燃料か燃えて、その火を後方に吹き出し、その勢いで前方に進む、、、
と思いがちですが、少し違います。
 液体燃料や固体燃料を燃やすと、その体積が数百、数千倍になります。同時に、とても温度が高いので、周りの空気も加熱され、体積が膨張します。これらを一方向だけ口の開いた空間で行うと、その方向に膨張した炎、空気が吹き出され、強い推進力を生み出します。でも、これはジェットエンジンではなくなく、ロケットエンジンです。

タービンが次々と、、、

 ジェットエンジンの推進力は、プロペラエンジンと同じです。前方から吸い込んだ空気を後方に吹き出し、推進力を生み出します。その方法が、プロペラエンジンと異なるのです。
 ジェットエンジンは、最初に小さな炎で、ジェットエンジンの後方にある小さな小型タービンを回転させます。この小型タービンには、長いシャフトが着いていて、その先にはジェットエンジンの前方にある小型ファンが着いています。タービンが回るとファンも回り、エンジンの前方から空気を取り込んで後方に送り込みます。送り込まれた空気は通路を通り圧縮されて、先程の小型タービンの周りに吹き出されます。その風で炎はより大きく燃え上がります。
 その勢いで、もう少し大きな中型タービンが回りだします。同じ様に、中型タービンにもシャフトが着いており、その先には、中型のファンが着いています。この中型ファンも回りだし、もっと強い風を後方に送り出します。
 すると炎はより大きくなり、一番大きな大型タービンを回します。大型タービンには、一番外側の大きなファンが着いていて、目一杯空気を吸い込んで、後方に吐き出します。これが機体の推進力です。
 基本はプロペラエンジンと同じです。羽根を回す機械がレシプロエンジンか、タービンか、の違いです。


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