ある意味で、義務教育の敗北なのかもしれません

横断歩道がない車道で、車の行き来が途絶えた瞬間を狙って、向かい側に渡っていくおじさんを眼の前で見かけました。

おじさんの交通法遵守精神云々については、さておいて。
おじさんは、小走りで車道を斜めに横切っていきました。その様子を見かけて、思ったのです。
なぜ、最短距離ではなく、一番距離が長くなる斜め方向に横切っていたのだろうかと。
その辺りをスタートに、いろいろと考えてみたいと思います。


まずは状況です。
片側一車線の車幅で、かなり交通量のある場所です。しょっちゅう渋滞もしている様子は、地元民には見慣れた光景です。少し離れた交差点には横断歩道がありますが、それに関しては横に置いておこうと思います。
横断歩道を使わないのは、当のおじさん自身の判断・問題であって、全く別の話となるでしょう。

さて、そのように交通量が多い通りです。
バイクや自転車との、或いは車道へ出る車との接触事故なども、少なからず起こっているようです。
当然歩道には、ガードレールがあります。ガードレールが途切れいている場所の兼ね合いで、もしかしたら、斜めに渡るのが一番の最短になのかもしれません。

観察してみると、こちら側に対して、向かい側のガードレールは、確かに長く伸びています。が、ほぼ真反対という位置で、双方の切れ目が重なっている箇所もありました。
となれば、斜めは最短ルートにはなりません。状況に直角三角形を当てはめれば、分かりやすいでしょう。
むしろ、おじさんはスペース端からスタートしており、その反対端から渡っていれば、一直線で向かい側にたどり着けました。
寄りにもよって一番遠いルートを選択しているのです。


どうしても斜めに横切らなくてはならない理由があったのかもしれません。当人ではないので、詳細は知りませんが。
もし、そもそも考えつかなかったというのであれば、これは義務教育の敗北と云われる類の話となるのではないでしょうか。
若い人相手だとツッコミや笑い話になりますが、年上相手となると、だいぶ話が変わってきます。

そもそもで、交通量が多い通りを渡ろうとしているのですから、これは義務教育以前の敗北、とも云えるかもしれませんね。


直角三角形の概念を抽象化して、最短のルートを見つけだすというのは、テスト問題だけには限りません。
考え方次第では、色々な知識が日常生活に活用できると思うのです。
応用と云いますか、転用と云いますか。
知識を詰め込む教育については、自分が若いころから問題にされていたと思います。しかし、知識を活用する方法や手段に関しては、義務教育で教わることは、ほぼないでしょう。
この点に関しては、自身で何とかしていくしかありません。何もしない結果が、一番危険なルートで車道を渡るおじさんなのかもしれません。


こんなことで接触事故が起きていたら、運転手さんがあまりにも可哀想な与太話でした。
お時間をいただき、ありがとうございました。

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