否が応でも教育係にならざる得ない季節です

この時期、新人さんに仕事を教えたりする場面も出てくると思います。
しかし、普段からやっている作業なのに、いざ教えるとなると、途端に難しく感じることもあると思います。
その辺りについて、自分なりの心構えを、軽く考えてみました。


そもそも、一度の説明だけで、どの程度を理解してくれると、考えていますか。

教え方以前に、教える側の、ここの認識が重要だと思います。
人柄の良い教え役になる必要はないかもしれませんが、教えるのが下手な教え役というのは、役者さんに不足があります。

一度聞いただけで、内容を十全に理解できる人など、ほとんどいないでしょう。
それは、相手が新人だからとか、気合や真剣味が足りていないから、という類の話ではありません。

学校の授業だって、内容が違うだけで、流れは同じです。

授業で一度説明されただけで、内容を理解できるのであれば、テストは全て高得点になるはずです。しかし一度の授業では理解できないから、自習や復習をしますし、難しい箇所は何度も読み返したりするでしょう。
もし授業以外での勉強が不必要だったのであれば、すでに知っていた内容であり、この場合は別の話となります。

仕事内容を教えるというのは、初めて接する未知のシステムを教えるのと同系です。
英語の文法や、高度な数学の公式、古文の読み方など、自身が苦戦した分野を想像すると、分かりやすいかと思います。初めてのシステムというのは、理解する手掛かりを、理解することから、もう難しいのです。

人間、一度聞いただけでは理解できないという、そこそこの証ではないでしょうか。
自身の説明が下手なのでも、相手の能力が低いのではなく、そもそも、人間はその程度という心構えで挑むのが、ちょうどいいのです。


何度も説明して、覚えてもらって、理解してもらう。
この流れは当然であり、きらう工程ではありません。
そんな悠長な時間はないかもしれませんが、人に教えるというのは、それだけ時間がかかる作業なのです。
先程の、苦手な勉強の分野が分かりやすいかもしれません。初めてのシステムを身につけるのには、非常に時間がかかります。
一人の人間に、そのようなシステムを身につけさせるのですから、同じ程度の労力がかかるのも必然でしょう。
勉強には時間がかかっても、仕事ならば数日で覚えなくてはいけないというのは、幾分ご都合主義が入った見方に思えます。


そもそも、人に教えるのにも才能の有無があります。
しかし、それらは一切考慮されずに、教育係になってしまう場合もあります。その場合は、下手に考えず、一から十までの説明を何度も繰り返すのが
吉かと思います。
ただ、苦手だからといって、成長も無いかと言えば、それも違うでしょう。
もし教育係が苦手だと感じたら、新人を実験台として、試行錯誤するのもいいのではないでしょうか。当の新人には、きちんとその旨を伝えておくのも大事ですが。


人に教えるというのは、なかなかに手強い作業なのに、簡単に任せられてしまうという、非常に厄介な作業だったりします。
自身にも生徒にも、それほど期待しすぎないのが、1番いいのかもしれません。
そんな与太話でした。
お時間をいただき、ありがとうございました。

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