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ワタシが「本好きの下剋上」にドはまりしたのは、ココ!

こんにちは。「本好きの下剋上」にハマってから4年ほど。テレビアニメで出会い、続きが知りたくて小説を手に取りました。

どんな作品でもそうですが、人によって好きな部分も、とらえ方も違うと思いますので、あくまでもワタシの場合は!っというお話です。

ワタシがこの作品に完全にはまった箇所についてズバリお伝えします。

それは、第五部女神の化身ⅦのP.137「メスティオノーラの書」の章です。ここの部分を読んだ当時は、書籍化されていたのが、5部Ⅲまででしたので、初めて読んだのはWeb版でした。

この章では、主人公ローゼマインがはじまりの庭でエアヴェルミーンに会い、メスティオノーラの英知を得ている様子と、その後の二人の会話部分が描かれています。これまで積みあがってきた伏線が大胆に回収されており、ものすごく衝撃を受けました。

ワタシはそもそも、物語の設定について考えることが好きです。また、物語を読み進めていく中で伏線が回収される時の目から鱗が落ちるような感覚が大好きです。

「本好きの下剋上」は、世界設定が緻密で奥深いところも、長い物語の中で、大なり小なり伏線回収が繰り返され話が展開していくところも、面白くてたまりません。そして中でもこの章を読んだときが一番の衝撃でしたし、完全にノックアウトされ、放心状態になりました。爽快感というか達成感というか、ここまでに少しずつ知ってきた点と点が線で繋がったことで、香月先生の筆力を思い知りました。完全に「本好きの下剋上」の虜になった瞬間でした。


さて、もう少し突っ込んだ話をしていきます。ここから先はネタバレが過ぎますので、ご注意ください。(ワタシなりの解釈が含まれます)
完全に自己満足なので、読み飛ばしてくださって結構です(汗)



◇この章で明確になったこと
当時のワタシ、この章で明確になった内容をざっくりとまとめて箇条書きを残していました。(こういうことをするのが好きな性分でして)

◆シュタープを得た者の中で一定以上の魔力を持った者が魔石になった時に、メスティオノーラの英知に加わる

◆巨大な魔法陣は普段は大木の姿を取っているエアヴェルミーンが人の形を取り、神々と交信するために必要な物

◆シュタープを取得する時や加護の儀式の時に、ローゼマインがエアヴェルミーンと会えなかったのは巨大魔法陣が起動していなかったから

◆魔力が似ていて、尚且つ、得ている最高神の名前が両方同じということ本来ない。本来ならばシュタープを得られない。

◆ローゼマインがシュタープを取得した時は、最高神の名前を得る前だったから、魔力が似ている別人と認識され、シュタープを得られた。(政変後に貴族院のカリキュラムが変更され、シュタープ取得が1年生になった)

◆「グルトリスハイト」でメスティオノーラの書を具現化する

◆ローゼマインはエーヴィリーベの印を持つ子

◆エーヴィリーベの印を持つ子というのは身食いの一部で、死にかけても死なずに何度もエーヴィリーベの手から逃れ、生きているにもかかわらず死人が持つはずの魔力の塊ができている者

◆身食いは薄い全属性で、生まれた土地の属性をわずかに帯びる。土地の属性は国境門に刻まれている神の記号に左右され、エーレンフェストは風、クラッセンブルクは土、ダンケルフェルガーは火、アーレンスバッハは闇、ハウフレッツェは水、ギレッセンマイアーは光、中央は命の属性。

◆魔力の塊ができていると、体内に魔石を持っているようなものなので、完全に染まってしまい、染めた相手よりやや薄めの魔力を持つことになる。

◆ローゼマインを染めたのはクインタ。クインタはフェルディナンドの幼名。

5部Ⅶ「メスティオノーラの書」より要約

こうやって箇条書きにすると、本当にたくさんの設定が示されています。この前段で、エアヴェルミーンと遭遇したことで、ワタシは、この物語でずっと語られてきた聖典に書かれた神話がおとぎ話ではなく、ユルゲンシュミットは神々いる世界だということを完全に理解しました。ちなみに、ローゼマインはこれまでも、神様の存在を信じていましたね。

◇物語上の重要ポイントは?
さて、ローゼマインが(本来の手順で)メスティオノーラの書を手にしました。ぐぐっと世界観が上書きされたところで、さらにたくさんの設定が付け足された訳ですが、物語上重要な点はローゼマインとフェルディナンドが一つのメスティオノーラの書を分け合っている状態だということ。です。

そして、何でそんなレアな状況になった?をこの章で完全解説しているわけです。

これまでの物語の中で、ローゼマインが身食いであることは1部で知っています。魔力の塊が出来ていることは、3部の始めの健康診断で明らかになっていましたし、フェルディナンドに染められたのは、2部で魔術具を使って同調し、前世の記憶を見たとき。また、同調薬の講義でやらかしたことで、貴族の本来の体(魔力を染める関連)の仕組みについて描かれていたのは、このイベントの直前でした。

今までの物語の中で知っていたことが、ここで繋がりを得て、結果としてこのレア状態になったという訳です。鮮やか過ぎでしょう??本当にお見事!としかいいようがありません。

ローゼマイン≒メスティオノーラ
そして、もう一つ、ローゼマイン≒メスティオノーラが浮き彫りになりました。ローゼマインは、エーヴェリーベの印を持つ子。そして、生まれた土地(エーレンフェスト)の属性()に影響を受けていること。このあたりの設定はもぅ、唸るしかありません。
今まではローゼマインの容姿(髪色と瞳の色)や行動から、メスティオノーラに例えられる場面がありました。が、メスティオノーラの逸話(※)にものすごく酷似しているではないですか?明記はされませんが、今後の展開への伏線というか、匂わせている感じ。。たまらないです。

(※)メスティオノーラの逸話については、5部Ⅱ「貴族院の奉納式」を参照

◇この先の物語に向けて
ローゼマインがフェルディナンドの魔力に染められていたことで、シュタープが取得できなかった可能性を示唆する中で、シュタープは一生に一度しか取得できないことを印象付けていたり(これ、結構重要!)、最後にクインタですよ。ここで足された布石ですよね?今後の展開の中で、本来ならば知らないはずのフェルディナンドの幼名をここで知るという!フェルディナンドとしても想定外でしょうねぇ。いやぁ面白い!

◇まとめ
何度も繰り返しますが、これだけ鮮やかに伏線回収しておきながらも、新たな伏線を張っているのですよ。もうやられたーーー。って感じなのです。本当に面白いですし、完全に心を鷲掴みにされました。そしてここで、グルトリスハイトを得たことで、「ゲオルギーネが礎を奪う方法」を知り、さらに劇的にお話が加速していきます。そういう意味でも最終章のあらたな起点となる重要な場面でもあるのです。いやぁ、本当に素晴らしい。これほどまでに、夢中にさせてくれるお話に出会えて幸せだなぁと思います。

以上、ワタシが「本好きの下剋上」にはまった瞬間について語らせていただきました!


最後まで読んでくださり、ありがとう存じます。


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