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Mr.Children miss you 違う視点から 優しい驚き 案内と感想 

この記事を読む事でmiss youの知られていない一面を知る事が出来るように案内してます。
(追記と編集しているうちに8000文字を超えました…が大分端折ってます。本来ならもっと解説と感想を入れたいのですが、出来るだけ聴いた人の感想の方を大事にしたいのでこれでも抑えめです。)

注意!かなりのネタバレになるものを含みます。
この記事は流し読みするようには出来ていません。
出来ればゆっくり時間を取って読んで下さい。
歌詞ブックレットを持ってmiss youが聴ける状態が最適です。
その為に歌詞はなるべく書かないようにしてます。

まず、事前情報としてEverything以来のノンタイアップリリースで作ったという事。そして「優しい驚き」に満ちているアルバムという事。他の人の記事では優しい驚きに関して説得力のある説明が出来ているものは見当たりませんでした。

Everythingの最初の曲はロード・アイ・ミス・ユー、そして彼らのファーストシングル「君がいた夏」も最後の歌詞が MISS YOUだという事。

もし私が代わりにmiss youのアルバムタイトルをつけるならば「Everything Ⅱ」かI MISS YOUからIを取ってアルバムタイトルにしてる事から「僕を探して」にしていたと思います。

このアルバム「miss you」には3つの側面があります。

第一は50代になった彼らMr.Childrenが歌うボヤキの歌。これが良いという人もいるでしょう。また暗すぎて聞いてられないとファンをやめる人もいると思います。大多数の人はここで止まります。
実際見かけた感想の殆どがこれでした。Mr.Childrenに心酔している人ほど陥りやすい罠になってます。この感想は他所でいくらでも見られるのでそちらでどうぞ。



第二からはケモノミチによって隠された物語です。Everythingのchildren's worldで唄われているように、大人に見つからないように隠れてる子供の世界のように、それを見つける作業は本当にわくわくドキドキさせてくれます。本当に楽しいので自分でやりたい人はここから先は読まないでね。



「風上に立つなよ」から
「俺らとうに死んでる」までの歌詞でアルバムの曲順通りではなく黄昏と積み木~おはよう、I MISS YOU~ケモノミチの順に聞くと物語が始まる事が暗示されています。曲調の違いで気付いた人もかなりいると思います。
そして「死んでる」との事なのでまず「君」が死んでる解釈から物語を始めましょう。
最愛の人の「君」に先立たれ孤独に寂しく生きている「僕」の物語です。
ぜひ、黄昏と積み木から音楽を再生して一通り物語を楽しんでから続きを読んでください。一曲ずつ少しの解説をします。

1,「黄昏と積み木」
deja-vuの冒頭の通りに過去にあった君が生きていた時の記憶を思い出している夢です。

2,「deja-vu」
君に出会えた事に感謝し少しでも前に進もうとする気持ちが唄われています。

3,「おはよう」
この歌詞に私は違和感を覚えて、もしかして「君」死んでる?って思ったのが始まりでした。
僕が捨てたレシートを君が捨てたと錯覚する解釈が必要です。自転車に乗れない位に酔っているか年老いているイメージ。賞味期限ギリギリのチーズは「おとなの地図」に掛かってるようにも思えます。
「大事な仕事」は天国にいる「君」の所に逝く事になります。

4,「I MISS YOU」
自殺を思い止まる。その度にその意味さえわからなくなる。
「僕」が二十歳前に「君」が死んだという解釈です。
そうなると「おはよう」では単に酷く酔っているという事になります。

5,「Fifty'smap~おとなの地図」
最愛の人を亡くしたのは僕だけじゃない。

6,「青いリンゴ」
ナイフの件からHEROのアンサーソングと思わせます。どうしてもリンゴのイメージが足りないので連想ゲームのように検索したら浜田省吾さんの「てがみ」の中に出てくるリンゴがピッタリでした。検索してみてください。


7,「Are you sleeping well without me?」
ピアノでレミレドを半音下げて繰り返すとI MISS YOUのI miss youのメロディになるそうです。僕がいなくても天国で君は安らかに眠れているのか?

8,「LOST」
自殺を思い止まり、立ち尽くす日々です。

9,「アート=神の見えざる手」
ここの「僕」は作詞の桜井氏になり物語の「僕」を殺したと宣告されます。または「僕」が「君」の命を救えなかったとも解釈できます。歌詞ブックレットでは血のように真っ赤なページです。
神の見えざる手はアダム=スミスの「国富論」から引用してます。

10,「雨の日のパレード」
走馬燈のようです。
天国で「僕」と「君」が再会します。

11,「Party is over」
ここの「君」と「僕」は今まで通りの君と僕であったり、私達であったり、桜井氏であったり解釈が揺らぎます。最愛の人の後を追い自殺した「僕」の物語を追っていた私達に寄り添った歌です。最後の音楽を止めたような席を立ったような音が胸に響きます。シャンパン開けての件で私はこの物語を誰かに話すなよと口止めされたと思わされました。

12,「We have no time」
物語は終わったんだよ。魂があったって死者は蘇らないよ。
ブルース・リーの最後に撮影された映画は「死亡遊戯」です。
HEROで駄目な映画を盛り上げるために~と唄っていた桜井氏らしい皮肉ですね。

13,「ケモノミチ」
元凶の歌です。ここまで聴くのはマヌケと言われてる気分になります。

どうでしたか?ここまでの解釈で一週間くらい聴いていた私はWe have no timeとケモノミチが嫌いになりました。また青いリンゴの曲調がどうにも合わないし、「おはよう」の無理矢理な解釈も腑に落ちませんでした。でもそんなマイナスの感想を上回る位に「Party is over」が名曲になりました。

さて、ここから第三の案内&感想になります。
が、このアルバム「miss you」の核心であり本当に隠しておきたい秘密の部分でもあり「優しい驚き」になります。
これがあるためにMr.Childrenから解説がなされる事はないと現時点では思います。
気分を悪くする人も中にはいると思いますので「心の準備」が出来た人だけ続きを読んで下さい。②の設定で何周もしたりして数日時間を空けた方が良いまであります。またご自身で発見したい人はここまででお帰り下さい。




前置きはこれ位にして「優しい驚き」に行きます。
あえて触れませんでしたが②の設定した視線で聴いていると、どう解釈して良いのか理解できない箇所がありました。それは普段のミスチルからすると程遠い楽曲でした。正直もう聞きたくないと飛ばす人もいると思います。
それすら狙ってやってます。
「アート」で語られているトラウマの部分に「優しい驚き」が隠されています。
少しずつ考察してみましょう。

ピー音の部分は「ぺ○ス」と唄っているように聞こえますが歌詞ブックレットには「、、、」と書いてあるだけです。

また「僕」が男性だとは誰も言ってません。

もう一度言います。
「僕」が男性だとは誰も言ってません。

この時に「カッター」が比喩表現の隠喩、暗喩だとしたらどうでしょう?

それが「男性器」を表しているとしたら見えてくる世界が変わるのではないでしょうか?

LGBTQ+アートって知ってますか?



つまりピー音の「、、、」は女性器だと推察されます。
女性器は硬くならないだろって?
そんな道程のフリをした乙女はご自身で手にしてる箱等で検索してください。
残念ですが道程の方がそういう知識はあるものです。
あるサイトによると勃起する事を知らない女性器持ちの人が約10%いるみたいです。
エロ話はここまでにしましょう。

トラウマから読み取れる推察として「僕」は世間からは女性と見られている存在であった。そして友達である男性の「彼」から性的暴行?を子供の頃に受けた事を告白しています。

そして今は恋人の彼女「君」がいます。常識で測れない恋です。

では性的マイノリティと思われる「僕」の立場で「君」とは昼夜逆転ですれ違いでも一緒に生活をしてる視線でまた黄昏と積み木から物語を始めましょう。
ぜひご自身で音楽を再生して物語を聴いてから続きを読んでください。少しの解説と感想を書きます。



1,「黄昏と積み木」
背伸びしないと明日が見えない彼らの日常が見えます。
比較しなきゃ~で所謂普通の恋人同士と比較してしまうのが読み取れます。

2,「deja-vu」
性的マイノリティの「僕」を見つけてくれて好きになってくれた「君」への感謝。
悟られないようにしてた一面が性的マイノリティの一面ですね。

3,「おはよう」
後の「Are you sleeping well without me?」で唄われているように一緒に寝ていません。朝目覚めると「君」はまだそこにいます。多分、仕事場ですね。それでもゴミ箱の中に君の痕跡を見つけて嬉しくなります。酔っていて自転車に乗れない「君」を駅まで歩いて迎えに行きます。帰ってきた「君」におかえりを言い、貴重な二人の時間を過ごします。「君」にとっての「夕食」をすませて、「君」は眠りにつきます。つまり「君」は夜働いている人です。
ここでの「大事な仕事」は性的マイノリティの人達が他のカップルがしているように「結婚」やそれに順ずる事になるでしょうか?もしかしたら同性婚訴訟かもしれません。
歌詞の前後の「おはよう」の連呼は「おはよう」って言っても「おはよう」が返ってこない悲哀の表現です

4.「I MISS YOU」
淀んだ川が裁判制度だったり、世間の冷やかな目にも思えます。
また10代LGBTQの48%が自殺念慮するそうです。(検索してください)

5,「Fifty'smap~おとなの地図」
タイトルが50代の地図ではなく男女半々だと思っているマジョリティの地図だとわかります。
連帯しているマイノリティの方々の姿が思い浮かびます。

6,「青いリンゴ」
検索すると青いリンゴの意味は「失敗を恐れることなく困難な現実に立ち向かう挑戦心。 どんな逆境にあろうとも、夢をあきらめない心の逞しさ。」だそうです。

7,「Are you sleeping well without me?」
ニュースはもしかしたらLGBTQ+(同性婚訴訟)に関するものだったのかもしれないです

8,「LOST」
床に飛び散ったのは訴訟の為の書類でしょうか?
現実でも理解促進法等が捻じ曲げられて伝わっていませんか?

9,「アート=神の見えざる手」
Queenのボヘミアンラプソディのように人を殺したように感じているのでしょう。またそれは神の手のイタズラによってなされたと。
「僕」がアートを使って世間に訴える事をしている事も窺えます。
そして他のニュースに気を取られて何時も後回しにされる現実を訴えています。
記者会見のようにも思えます。


10,「雨の日のパレード」
レインボーパレードの様子です。

11,「Party is over」
レインボーパレードが終わった後の「僕」の気持ちでしょうか。
「君の書いたシナリオ」は世間、国、法律等の解釈ができます。シャンパンの件は夜の街で働く「君」の事のように思えます。

12,「We have no time」
もう残されてた時間や裁判制度はないけれど、まだ諦めない気持ちや培った世間に訴える技術はあると。

13,「ケモノミチ」
同性愛者なだけで最高刑で死刑になる国もあるというニュースは聞いた事ありますか?
マヌケは世界には男女だけだと思ってるマジョリティの事なのかもしれません。ちょっと言い過ぎだと思いますが…受け入れます。

どうでしたか?

歌詞ブックレットをパラパラとめくると虹のようでとても綺麗です
全楽曲が心地よく主張して響きます

50代のオヤジのボヤキの歌だったのが
最愛の人を追って逝く人の歌だったのが
LGBTQ+の人達がおかれている状況の歌だった

それは暗い歌ではなく不屈と連帯と深い愛の歌です

その衝撃は暗喩に気付いた私にとっても優しい驚きではなく
3日位体調が悪くなるくらいの衝撃でした

以前、性的マイノリティの当事者の方がネット番組で語っていた事ですが、共演者が「私の周りには性的マイノリティの人がいません」と言うと「それはあなたが信頼されていないからだ」と返していました。誰だって自分個人の性的なことを公に話したくはないものです。
カミングアウトする人は本当に信頼している相手にしかできないという意味です。もし貴方がカミングアウトされる立場になった時に、どんな感想を持つにせよその信頼を裏切って良いのかは自問自答する必要があると思います。
その意味で「優しい驚き」に間違いはないと思います。

勿論、3通りのどの解釈も間違いではないですが順を追って優しい驚きに辿り着き、聴いた人にしかわからないメッセージがあります。
その為にMr.Childrenもこの驚きに気付いた人も他の人に話さずに黙っているのが一番の正解にも思えます。

もしかしたら私がこの記事を書いた事はアウティングにあたるのかもしれないと少し迷いもありました。
ですがこれ程素晴らしいLGBTQ+アート、クィアアートを誰も気づいて無い振りをして世に出すことをせずに歴史の影に捨ててしまうのは私には出来ませんでした。
いえ、きっと他の誰かがやって…その状況がLGBTQ+の人達の状況をそのままにしておく力にしかならないですね・・・
この記事を書いておくこと自体に意味があると今は信じています。

アートについても少し
本来のアートは受け取った人の心の中で完成します。
どんなに素晴らしいGIFTでも受け取った人の心に変化がなければ「アート」とは呼ばないです。
Mr.Childrenが伝えたかった事を私が補完出来て
少しでも伝わって貴方の心に変化が起き
彼らのアートが完成したなら幸せです。

それにしても2つの物語を1つの楽曲に閉じ込めてその差により訴えかけるメッセージ力には本当に脱帽します。凄すぎて意味がわかりません。いくら言葉を尽くしても称賛しきれない。
それでいて表面的にはMr.Childrenに不利になるような歌詞なのに全く言い訳せずに受け取った人の感性に任せる胆力と人を信じる心には頭が下がるしカッコよすぎるよ;;;

そんな訳でケモノミチのMVで霧の中の森に桜井氏が消えていく演出もFifty's map ~おとなの地図のMVでくるみのMV使ってオッサンホイホイしてた理由も理解できたのではないでしょうか。

ここからは私の感想みたいなものです。

では「僕を探して」の話が終わったのでmiss you をEverything Ⅱだと思った話をしておきます。

冒頭で書いた通りEverythingの最初の歌は
「ロード・アイ・ミス・ユー」です。
英語で書くとLord, I miss youです。
Lordは感嘆詞ですが神という意味もあります。「アート」の神と結び付けられます。
この歌は別れた君を思った歌です。
これには②のように死別もあるかもしれません。

次の「Mr. Shining Moon」は雨の後で月明りに鼻歌でLOVE SONGを唄っています。
雨の日のパレードのあとでケモノミチで声もなくLOVE SONG
を歌うように。

「君がいた夏」では
朝早く自転車に乗る場面があります。
おはようで自転車に乗らなかった代わりに。
他の曲にも自転車が出てくる歌詞はありますが朝早くと限ると少ないように思えます。

「風~The wind knows how I feel」は青いリンゴで背中を押す強い風に思えます。

「ためいきの日曜日」では飲みかけのソーダが出てきます。
Party is overではバーボンソーダを飲みほしてます。
レンボーパレードは日曜日に開催してるようですね。
黄昏と積み木が金曜日。
おはようが土曜日。
Are you sleeping で日付が変わって日曜日ですか…。
おはようの大事な仕事ってレインボーパレードだった?

「友達のままで」はハンドルを握って飛ばしてます。
deja-vuではアクセルとブレーキが出てきます。

最後の「children's world」では大人に隠れて遊ぶ子供の世界が描かれてます。
そう、今回のアルバムの影に隠れている性的マイノリティの世界のようです。
またギタリストのチャック・ベリーが出てきます。Party is overのピンナップのロックスターはジミ・ヘンドリックスと思われます。他にギタリストが出てくるのは「友とコーヒーと嘘と胃袋」のキース・リチャーズと「Brand new planet」のLes Paulですが、キース・リチャーズはセリフ部分で歌詞にはなっておらず、Les Paulはギターその物を指しています。

あえて避けましたが、もしロード・アイ・ミス・ユーと友達のままでを合わせて考えると「アート=神の見えざる手」の友達の彼の視点の歌詞にも思えてきます。

偶然にしては出来過ぎてませんか?
書いてて改めてちょっと怖いくらい…

Wikipediaには桜井氏はEverythingは「何よりも大切なものっていう気持ちを込めて。みんなにとって、そういう存在であってほしいし。僕らにも、記念すべき1枚目ですし」と語っているとあります。
私にはこのみんなに入っていなかった人に向けてもmiss youは作られたのではないかと思います。

また表面的に深海やQと並べられるmiss youですが向いている方向性は正反対です。個人の内面に入っていくような深海やQに対して、聴いている人に自身でない違う人の視点に立って寄り添い見せるのがmiss youです。そのアルバム間にあった年数や経験、技術が無ければ成しえない事でしょう。

Mr.Childrenのこれからが楽しみだと結構な人が感想で締めくくってたりするのですが、それはそうなのですが…
アルバムを数周しただけで感想を終わりにしてしまうのも違うし、まして優しい驚きに気付いたような形跡もありません。いえ、気付てないのは良いのです。私も記憶を消してもう一度味わいたいくらいなので。羨ましいとすら思う。それ故にもう次を求めるのは凄く残念です。

どちらかというと今回のアルバムは通過点と言うよりは集大成であるとも彼らの原点に立ち返ったとも私は思います。単体の曲としてはこれからも素晴らしい詩と曲を書いて演奏して唄ってくれると信じていますが、これ以上の完成度のアルバムはもう出ないとさえ思います。なぜならタイアップ曲が入る以上アルバム通してのこれだけ大掛かりな仕掛けを細工するのは不可能だからです。訴えているメッセージもこれまでになくロックしてますし。

私はアルバムとしてmiss youが史上最高傑作だと思ってます。この感想を覆させられるのはMr.Childrenだけです。

ちなみに皆さん知っている通りに2ndアルバムの「Kind of Love」最初の曲は「虹の彼方へ」ですね。フラグは立てて置きました!





大事な事を書き忘れていました。
このアルバムは配信ではなく実物のCDで手に取って楽しむ事を想定して作られています。今までMr.Childrenのアートワークに数多く携わった信藤三雄さんが亡くなったことを歌詞ブックレットから知りました。その仕事は今までのCDを手に取った人にしか分からないかもしれません。歌詞を見て考察しなければ優しい驚きには気付かなかったし、気付いた後でも持っていた歌詞ブックレットの虹色に追い打ちを掛けられる衝撃を味わうことも出来ませんでした。
私にとっては一生の宝物になりました。


この記事の終わりが見えてきたので賢明な人なら思う事を書いて終わりにしたいと思います。
読んでくれた人ありがとうございます。
感想有れば遠慮なくどうぞ。
オシカリノコメントモマッテマス。


「君」が女性って決めつけて良いのでしょうか?



(下のリンク先に続きがあります)