「朝ごはん食べ忘れた」を真似したら

大学生の間は実家暮らしだった。
学部には地方から引っ越してきて一人暮らしをしている子も多く、そしてほとんどの子が口を揃えて
「一人暮らしは痩せる」
と言っていた。
いわく、何もかも面倒くさくなってなんにも食わぬまま日が暮れ、朝が来て、大学に来てはじめて学食を食べたり、バイト先の賄いを食べたりするらしい。

いつでも食卓にはパンやらお菓子やらが載っていて、朝昼晩3食しっかり炭水化物をドーーーン!と摂取し、
母の口癖は
「美味しそうなパン屋があったからパン買ってきた✌️」
だった私にとって、彼女たちの
「朝ごはん食べ忘れた」
は心から信じられないものだった。むしろこっちは肥やされ続けているのだが?と内心怒っていたかもしれない。
というわけで私は、みるみる痩せていく友人を前に、痩せたいけど痩せれないよ><と弱音を口にしていた。ダイエットももちろん頓挫しまくっている。
今思えば、他者が痩せていくことは太ることと同じくらい指摘するのに思慮が必要なのだが、本当にその時は「羨ましいなあ」としか思っていなかった。

そして、今。就職を機に上京し、一人暮らしを始めて2ヶ月が経った。
やっと週末を迎えた金曜日、それはやってきた。

「な、何にもしたくねぇ〜❗️」

そう、次の日は土曜日。仕事は休み。洗濯物も後回しでいいし、洗い物もしなくていい。おかずの作り置きもしない、完全無欠の週末を迎えたのだ。
ということで、私はその日の夜、勢いでペヤングと朝ごはん用においていたパンを食べ(インスタントラーメンすら非常食用として食べずに封印していたというのに)アニメを見ながら寝落ちした。

そこから、14時間は寝たと思う。土曜日の朝11時に目が覚め、そこでもやはり朝ごはんを作る気力がなかった私は、生まれて初めて
「朝ごはん食べ忘れよう」
と決めた。
インスタント食品ばかり立て続けに食べるのも体に悪いだろうが、まともな料理を作る意欲もなく、まさに「何もかもめんどくさい」フェーズにどっぷりハマってしまったのだ。そして冷蔵庫はほぼ空だった。金もなかった。
そこで、「あわよくば痩せれるんじゃないか?」とやはり軽薄な思いを抱え、むしろ空腹なまま動けば痩せるのでは?と、私は身支度を整え、靴を買いに家を出た。

そこから結論として言うと、胃腸の調子が鬼狂った。しばらく空腹にしていた胃はその後何をぶち込んでもビックリするらしく、週末いっぱいはお腹が弱いままだった。
そして、全然お腹は空く。全然食べ「忘れ」とかできない。常に「腹減ったな」としか思考が巡らないし、むしろ見境なしに食べる傾向が出た。

一人暮らしで食べ忘れるというダイエット戦法はガチで私には無理だった。

唯一の救いは、金なさ過ぎて体重計を買えておらず、我が体重を知る手立ては今のところ無いことくらいだろうか。

ゆーきちゃん

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?