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パスタを茹でた


わたしはパスタが好きで、大学進学を期に上京してひとり暮らしを始めてから、よくパスタを茹でるようになった。

パスタのおいしい茹で方を知っているだろうか?

わたしは当時テレビか何かで知った。

大きな鍋にお湯を沸かし、沸騰したら塩を入れる。そして、パスタを入れ、沸騰させながら1分間茹でる。

1分茹でたら火を止め、鍋に蓋をして袋に表記されているパスタの茹で時間分放置する。

そうすると、少し芯の残ったアルデンテに仕上がる。

今でもこの茹で方をしているのだけど、ふと考えた。これは、わたしのこだわりだ。当時はいろいろなことにこだわっていたけれど、今はどうだろう?

パスタを茹でること以外にこだわっているものはあるか?

ない。

こだわりたいと思うものがない。こだわりとはこだわりたいと思ってこだわるものではないが、考えても、ない。水もなんでもいいし、コーヒーも正直味の違いがそんなにわからない。寝具も適当に選んだものだし、洋服もこれしか買わない、みたいなものはない。

ないのだ、今のわたしにこだわりたいものは。


こだわりとは、最大の余裕である。



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