下の子が生まれてお兄ちゃん

息子は13か月で歩いた。
その頃は、何の不安もなくお散歩が10歩から1メートルになり10メートルになり、20メートルになり、戸外を手を繋いで歩くようになった頃。アスファルトの歩道に小さな亀裂が入っていた。ほんの数ミリの細い亀裂。それをヨチヨチ歩いて見つけた彼は突然泣き出し痙攣したかのように泣き出したのだ。体が硬直し、突っ張って泣き出した。私はビックリして抱き抱えた。え〜んと泣くわけでもなく、突発的に泣き出し体が硬直し抱き抱えなければ倒れて頭をそのままコンクリートに打ち付けていただろう。ただ、その時はまだ一歳になったばかりの息子なんだからと大きくは考えなかった。その後は大きな違和感なく初めての子育ては順調に進んでいたと思っていた。
ミニカーが大好きで、聞き分けも良く、普通の男の子だったし、2歳になってお兄ちゃんになってから私の手は下の子にかかりきりになっていき手のかからない息子には何の不安もなかった。ただ今思うと息子に甘えられた事がなかった。「ママー」と「抱っこー」とかせがまれた事がなかった事に下の子が生まれてから気がついたのだ。私は下の子は、女の子は、どうしてこんなにも甘えて、手がかかるんだろうと毎日イライラしていた。息子は一人でミニカーがあればずっーと遊んでいるのに…。抱っこ抱っこしてーといつも泣き出す下の娘にヘロヘロになって初めて子育ての大変さを感じていたのだ。

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