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習近平にとって日本はモンゴル以下

 公明党の山口那津男代表による訪中は失敗だった。
 ご本人や支持勢力の方々は強く反論するだろう。
 しかし、失敗は失敗だ。

 中国共産党に「日本を尊重する」と行動で表明させる必要があると私は考えている。そうでないと覇権主義は止まらず、日本の安全保障は危機的な状況が続く。日本の対中外交が「成功した」と言うためには、安全保障の問題を解決に向けて進めないといけない。

 その観点から、今回の山口氏の訪中は前進どころか、後退だ。だから、失敗だ。日本経済新聞によると、山口氏は過去の訪中で習近平と4回会ったことがあるが、最近は会えていない。習近平が日本を見下しているからだ。公明党の利用価値も落ちたということだ。

 今回、山口氏が会談した蔡奇という人物は記事にある通り、習近平に極めて近い。福建省以来の側近中の側近だ。習近平が喜ぶことなら、民百姓が苦しむことでも厭わない人物だ。中国共産党に媚を売ることに価値観を置くなら、蔡奇に会えただけでもましと言えるかも知れない。山口氏が蔡奇に渡した岸田首相の親書は習近平に届き、来年前半には北京で日中首脳会談が行われる流れだろう。
 岸田首相が訪中すれば、日本にとっては屈辱的な「新時代」の関係を確認するようなものになると思う。

 前に、中国共産党機関紙・人民日報で、岸田首相がフィジー以下の扱いを受けたと指摘した。
 今回の山口氏の訪中では、モンゴル以下だった。下がその証拠。

11月23日付中国共産党機関紙・人民日報1面

 写真がないので、やや分かりにくいかもしれないが、左下に「蔡奇がモンゴル人民党代表団、日本公明党代表団と個別に会談」という記事が出ている。写真の下が記事のURL。見出しの通り、蔡奇が、22日にモンゴル人民党総書記、公明党の山口氏らと会ったという内容だ。
 見ての通り、モンゴル人民党の方が先に書かれている。蔡奇の考えだけで、日本を後回しにしたわけではない。もちろん習近平の意向を踏まえている。今の中国共産党にとっての序列はそういうことだ。習近平が格下と見なす山口氏に会うわけがない。
 中身を見ると、蔡奇が「歴史、台湾、福島核汚染水廃棄問題で中国の立場を明らかにした」と書いている。山口氏は黙って聞いていたのだろうか。
 山口氏の訪中は国益を損なったとしか思えない。

 本文と関係ないが、モンゴルのことを「蒙古」と表記するのは本当にひどいと思う。こんな漢字を他国に使う神経が理解できない。

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