筋の解剖学的作用と運動学的作用

本日は筋の作用について投稿していきます!
セラピストが覚えている作用は基本的には【解剖学的肢位】での作用になります。しかし中には関節の角度が変わると作用が変わる筋も存在します。
これを【運動学的作用】と呼びます。
運動学的作用については今後筋別に投稿していくのでその時に詳しく説明していこうと思います。

足関節に作用する筋

距腿関節軸より前方にある筋は全て背屈作用、後方にある筋は底屈作用がある。
距骨下関節軸よりも内側にある筋は全て回外作用、外側にある筋は回内作用がある。
この軸から遠くに付着する筋はモーメントアームが長くなり作用が大きいので主動筋として働くことが多い。
例を挙げると下腿三頭筋は距腿関節軸の最も後方にあるため底屈筋の主動筋だが、距骨下関節軸に近いため回内、回外作用はかなり小さい。

矢状面上の股関節周囲筋の力線

回転軸より前方にある筋は屈曲、後方にある筋は伸展に作用する。
この中では屈曲作用は大腿直筋が最もモーメントアームが長く主動筋として作用する。
伸展作用は大殿筋、大腿二頭筋、半腱様筋が主動筋として作用する。
解剖学的肢位での腸腰筋は屈曲モーメントアームは短く作用は弱いが、股関節90度屈曲位では腸腰筋のモーメントアームが最も長くなる。

前額面上の股関節周囲筋の力線

回転軸よりも外側にある筋は全て外転作用、内側にある筋は内転に作用する。
大殿筋は解剖学的作用は外転筋になるが、上部と下部で別の作用が働く。
大殿筋下部線維のモーメントアームは回転軸よりも内側を通るため内転に働くがモーメントアーム自体は短い。

水平面上の股関節周囲筋の力線

回転軸より前方にある筋は内旋作用、後方にある筋は外旋に作用する。
この図で見ると長、短内転筋、恥骨筋などの内転筋群に内旋作用があることが分かる。
深層外旋六筋の中では外閉鎖筋のモーメントアームは非常に短く、大腿方形筋、梨状筋のモーメントアームは長い。

深部筋と浅部筋の役割の違い

深部筋は関節を固定し安定させる役割、浅部筋は関節を動かすトルクを発揮する役割がある。
この違いには深部筋より浅部筋の方がモーメントアームが長いことが起因している。

筋の線維によっての作用の違いなどは今後筋別で投稿していく時にまとめていきます。

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