関節の機能と構造

まずは運動軸による分類
1.一軸性関節、2.二軸性関節、3.多軸性関節

関節面の構造による分類
1.球関節、2.臼状関節、3.楕円関節、4.顆状関節、5.蝶番関節、6.鞍関節、
7.車軸関節、8.平面関節

関節の基本構造
骨、関節軟骨、靭帯、関節包から構成される。

関節軟骨の構造と機能

【構造】
細胞外基質(コラーゲン、プロテオグリカン、ヒアルロン酸など)と軟骨細胞で構成。
水分70%、コラーゲン20%、ヒアルロン酸、プロテオグリカン10%

【機能】
荷重緩衝機能と潤滑機能
関節軟骨同士に荷重による圧縮力がかかるとお互いが凹みを作るように変形し荷重を緩衝する。
圧力がかかるとスポンジのように軟骨細胞から滑液を放出し、圧が取り除かれると再び軟骨組織内に滑液を取り込む。
膝関節に持続的な圧がかかることで滑液の過剰放出が起こり関節水腫を引き起こす。

靭帯の構造と機能

【構造】
主要成分はコラーゲン線維による密生結合組織。靭帯の長軸方向にほぼ平行に配列しているので大きな張力に抵抗できる。
伸張性が求められる靭帯はエラスチンを有する線維の割合も高い。
両端は骨に付着する。

【機能】
関節の構造から逸脱する運動を制御する。膝のACLやPCLのように生理的な関節運動を誘導する靭帯もある。
靭帯にはルフィニ小体、パチニ小体、ゴルジ腱器官といった固有受容器が多く分布するので感覚器としての役割も持つ。
靭帯の伸張性は4%以下。6%を超えると部分損傷し、8%以上で断裂を引き起こす。

側副靭帯の特徴として、近位側では小さく局所化して付着し、遠位側では放射状に広く展開して付着する。この配列によって全可動域を通して靭帯は緊張した状態を保てるのでどの角度でも側方安定性を維持できる。

関節包の構造と機能

【構造】
滑膜内膜、滑膜下層、線維膜から構成される。

滑膜内膜は滑膜細胞とヒアルロン酸、コラーゲン線維から構成。
滑膜下層は毛細血管が多く分布する。
滑膜は疎性結合組織で伸張性と滑液の産生に関わる。

線維膜は密生結合組織で端は骨膜に移行し関節の安定性に寄与する。
線維膜には自由神経終末、ルフィニ小体、パチニ小体、ゴルジ腱器官といった受容器が分布。固有受容器、メカノレセプターと呼ばれ、位置覚や運動覚を感知する役割がある。


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