響きが好きな言葉【琴線】
【琴線】きんせん
琴線と書いて"きんせん"と読む。
"きんせん"に触れるとは、琴の糸に触れることに例えて心の奥に秘められた感じやすい心情を刺激して感銘や共感を受けること。
誰もが心の中に琴の糸のようにぴんと張った繊細な糸を持っているのだ。
心の糸の響きは人によって違うし状況によっても違う。
わけもなく心が動かされる瞬間がある。
夕暮れ時。通い慣れた川沿いを散歩中に誰かの吹く美しいフルートの音色に足が止まる。
田舎の小さな図書館で。片隅に飾られた見知らぬ誰かの写真に目を奪われる。
久しぶりの帰省で。父がぽつりと言った何気ない言葉に目頭が熱くなる。
"きんせん"
心の奥の奥にあるとても美しい糸であり誰もが大切にしているもの。
私たちは時折りそんな"きんせん"を揺さぶらせながら生きている。
"線"が題名のクラシックの曲といえば。
バッハ『G線上のアリア』