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ボヘミアン・ラプソディがリリースされた日


47年前の1975年10月31日。
本日はQUEENの名曲、ボヘミアン・ラプソディがイギリスでリリースされた日です。

この曲は映画のタイトルにもなったことから、内容は知らなくても聴いたことがある人は多いのではないでしょうか。

結局この曲は何を歌っているの?と様々な意見がある中で、フレディマー・キュリーは頑なに歌詞の意味を明かしませんでした。

本人の意思を無視して、曲の解釈だけが一人歩きしているような謎の多い曲なんですよね。


Mama, just killed a man
ママ、たった今人を殺してきたよ


有名なこのフレーズが、一体誰が誰を殺したのだ?と深読みしたくなるんですよね。

この曲の大まかな内容は"人を殺してしまった主人公が裁きを受ける"というものです。


様々な説がある中で、最も有力なのが
「フレディ・マーキュリーが自身の性的嗜好をカミングアウトした曲」
という説なのです。

ストレートであったかつてのフレディを捨て去り、ゲイであることをカミングアウトしたのだ!という憶測が囁かれているのです。



この説も納得なのですが、私の個人的な解釈は「フレディマー・キュリーがファルーク・バルサラを殺した曲」ということです。


「フレディ・マーキュリー」という名前について



「フレディ・マーキュリー」は本名ではないのですよね。本名は「ファルーク・バルサラ」です。

ファルーク少年は幼少期に両親から離れ、一人インドの宿舎で過ごします。とてもシャイで内気な少年だったそうです。そんなファルーク少年のニックネームが「フレディ」でした。

もしかすると、自分の名前にコンプレックスを持っていたのかな?
英語名のこのニックネームをとても気に入っていたそうで、後に「フレディ・マーキュリー」という名前が誕生するのです。

ここで「マーキュリー」ってナニ?
ということですが。

この名前の由来は「神々の使者」なのだと本人が語っていました。ギリシャ神話の「ヘルメス」が由来のようです。

「マーキュリー」は英語で水星を意味するのですが、水星とは無関係のようですね。



「フレディ・マーキュリー」が出てくる曲について


普通ならあまりあり得ないことなのですが、QUEENとフレディのソロ曲には「フレディ・マーキュリー」が出てくる曲がいくつかあります。しかも全てフレディ本人が作った曲なのです。


「フレディ・マーキュリー」が歌詞に出てくる曲は以下の4曲です。

①「My Fairy King(1973年)マイフェアリーキング」

[歌詞]Oh, Mother Mercury
母なるマーキュリー


②「Crazy Little Thing Called Love(1979年)邦題:愛という名の欲望」

[歌詞]Until I'm ready (Ready Freddie)
オレの準備ができるまで(準備して、フレディ)


③「Mr. Bad Guy(1985年)」

フレディのソロアルバム「Mr. Bad Guy」より

[歌詞]Can't you see I'm Mr. Mercury
わかるだろう 僕はMr.マーキュリーさ


④「The Invisible Man(1989年)」

こちらは歌詞というより"フレディ・マーキュリー!"とコールする箇所があります。

QUEENのメンバー全員の名前が出てきます。
(こちらはQUEEN名義)


「フレディ・マーキュリー」という名前を歌詞にする曲がこんなにもあるのです。

自分の名前をこれほど歌詞に入れるアーティストって、いますか?




この疑問の答えが、フレディ自身が「フレディ・マーキュリー」という人物を客観的に見ていたからじゃないかなと思うのです。



フレディ・マーキュリーがどうしてもカバーしたかった曲


フレディがどうしてもカバーしたかった曲というのがこちらの曲です。



◆「The Great Pretender(ザ・グレートプリテンダー)」

こちらはプラターズの曲をフレディがカバーし、1987年にリリースされました。

ボヘミアンラプソディがリリースされて10年以上経ってからのカバー曲です。
どうしてもカバーしたかったという歌詞にご注目。


Oh yes
I'm the great pretender (ooh ooh)
Pretending I'm doing well (ooh ooh)
My need is such I pretend too much
I'm lonely but no one can tell



そうさ
僕は偉大な役者さ
何食わぬ顔で 自分をうまく偽れるのさ
絶えず芝居をせずにはいられないから
僕の孤独には誰も気づかないのさ

この曲の歌詞が自分自身と重なるため、どうしてもカバーしたかったそうなのです。

そしてこの曲のMVが意味深なのです。過去のフレディの等身大パネルがいくつも登場し、まるで「フレディ・マーキュリー」を俯瞰して見ているような演出になっているのです。

自分の名前を歌詞にした曲といい、このカバー曲といい、フレディは「フレディ・マーキュリー」を演じている自分を楽しんでいたんじゃないかなと思うのです。



こんなほろ苦いエピソードがありました。

フレディのインド時代の友人が、デビューしたてのQUEENのコンサート終了後にバックステージへ行ったんです。もちろんフレディに会うためです。

フレディに親しく話しかけると「すまないが、僕は君を知らないみたいだ」と知らない顔をされたのだそうです。


とても切ないエピソードですよね。フレディは冷たいなと思うし、友達は可哀想です。

ですが、その後のフレディのパフォーマンスを見ると、過去のファルーク・バルサラの人格にサヨナラしたのがわかる気がするのです。




「ボヘミアン・ラプソディ」が、一体誰が誰を殺した曲なのか?という問いに対して、私はフレディ・マーキュリーが、ファルーク・バルサラを殺した曲なのだと答えたくなるのです。




#ボヘミアンラプソディ #フレディマーキュリー