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青天の霹靂18(教会)

会場内に、戻ると、間宮家の党首が廉に挨拶にくる。
「これは、神崎様よくお越し下さいました。神崎様がきたとなれば、それだけで、鼻が高いです」
「いえ、今回は姪の付き添いできただけです」
「姪っ子さん?」
廉の言葉が期待したものと違い、興が削がれたようだ。
「ええ」
廉夏に視線を移す。
「ああ、かわいらしい」
それが、廉へのおべっかだと気付いたが、廉夏は顔に出さない。
「ありがとうございます」
「富山、お嬢さんに教会を案内してあげなさい」
「かしこまりました」
富山は頭を下げる。
「お前達だけで楽しんで来い。私は挨拶がある」
「じゃあ、楽しんできて下さい」
そう言って、次の人へと今回の主役は去って行く。
「挨拶なら、僕も」
「いや、今回は京極のパーティーじゃない。こちらは良い。お前は廉夏のお守りを頼む」
笑って廉が言うと、冬眞も笑って答える。
それに、廉夏はブスくれる。
「ひどい、お守りなんて」
それに、冬眞は笑う。
そして、廉夏の前でやおら膝まずくと、冬眞は手を差し出す。
「私の手を取ってくれませんか? お嬢様」
廉夏は慌てて言う。
「分かったわよ。恥ずかしいから止めて」
当主が去って行くと、富山は言う。
「助かりました。社長のお供をしていては、頭を下げっぱなしですからね」
「そうですね。ご苦労様です」
冬眞は、笑って言う。
「ここから教会まで少しあるので、車で行きましょう。良かったです社長にああ言ってもらえて、抜け出す理由になります。せっかくのパーティに出ても挨拶周りで、酒の入っている人達の相手は、いるだけで地獄というもの」
車で5分ぐらいのところにそれはあった。
けど、廉夏達を出迎えたのは、銃声だった。
その音を聞き、冬眞は顔をしかめる。
それは、富山も一緒だった。
「何事だ?」
「廉夏さんはここにいてください」
冬眞が言うが廉夏は車から飛び出していた。
「危ないですよ。待って下さい」
慌てて冬眞は、廉夏を追いかける。
冬眞は止めるが、廉夏は止まらない。
教会の中に入ると、銃を乱射し壊して、喚いている男がいた。
「あの男に渡すぐらいなら、壊れてしまえ」
と、ワケわからないことを言っていた。
「止めなさい」
富山が言うと、銃を向けてくる。
その姿に、富山は驚いた顔をする。
その表情に冬眞は、富山に聞く。
「知っている人ですか?」
「はい。間宮家と懇意にしている浅野様でございます」
「そんな人が、なぜこんなことを?」
そう聞くと、富山は言いづらそうに言う。
「麻野家は間宮家から、先月契約を切られたんです。それにより負債が5億に昇り、破産されたと聞いています」
「そうですか? ちょっと手荒なことをしますよ」
そう言い、動こうとしたとき、銃がこちらを向く。
冬眞は銃を向けられた瞬間、情けないことに動けなかった。
冬眞が動けるように、なるより早く、その間に入る者がいた。
それは、廉夏だった。
「廉夏」
そう言った時には、銃が廉夏を捕らえる。
そして、銃が放たれる。
それは、廉夏の頬をかすった。
狙いが廉夏に変わった瞬間、冬眞は動けた。
その瞬間、冬眞は彼のお腹に肘を入れ、富山が首筋に手刀を入れる。
犯人が気を失うと、富山は彼をロープで縛る。
それで、ホテルに戻って警察に連絡しようとすると、廉夏が止める。
「ちょっと、待って」
頬から血を流しながら、廉夏は言う。
「彼の望みを遂げさせて挙げよう」
「遂げさせるとは?」
「教会を燃やして挙げよう」
その言葉に富山は少し悩んだ後頷く。
「そうですね」
そして、教会を燃やした。
その炎を見ながら、廉夏は言う。
「帰って行くね。綺麗?」
「何処にですか?」
冬眞は聞く。
「本来の持ち主のところへ」
そして、頬に銃痕をつけて戻る。
廉のところに戻ると廉はすぐ気付く。
廉夏から、煙の臭いを、嗅ぎ取り、さらに頬には銃痕の痕を見てとり、ただならぬことを感じとったようだ。
話していた相手に一言断りを入れ、すぐ来る。
「何があった?」
冬馬は苦笑い混じりに、答える。
「何か、良く分かりません 。けど、僕らは巻き込まれただけだと思います。何か、教会を壊したいって言う先月、破産した男と会ってしまって。廉夏さんは僕を庇い射たれて弾がかすりました。すいません。僕がついていながら、守れなくって」
冬眞は廉に頭を下げる。
で、廉夏は慌てて言う。
「冬眞せいじゃない。私が飛び出したの。冬眞は止めてくれてたけど、私が聞かなかっただけ。撃たれたのは、自分のせいよ」
廉夏の言葉を聞き、廉も優しく同調する。
「そうだな。それが分かっているなら、今後どうすれば良いかも分かるよな」
そう言われ、廉夏は頷く。
「で、ごめんなさい。それで、教会を燃やしちゃった。弁償してあげて」
「何か良く分からないが、お前が無事ならいい」
そう言った時、廉夏は崩れるように、倒れる。
「大丈夫ですか?」
驚愕する富山。
「たぶん、体がビックリしているだけでしょう。平気ですよ。それに、傷は頬だけのようですし。それもかすっただけですしね」
と、廉が笑って言う。
冬眞も頷く。
「しかし、会長に話します」
そして、驚いた会長は富山にすぐ指示を出す。
「スウィートルームをすぐ用意しろ」
「畏まりました」
頭を下げると、直ぐに富山は動く。
「大事ないといいんですが」
「大丈夫です。ご心配を、お掛けし、申し訳ない。スウィートルームまで用意させてしまい」
廉が苦笑いで言うと、富山は「お気になさらずに、こちらが、悪いんですから」と、言った。
廉が廉夏を持ち上げる。
こう言う時は、廉が抱く。
それに、冬眞も何も言わない。
そして、富山の後についていく。
エレベーターで上へと行く。
そして、一つの部屋の前に止まると、
「こちらになります」
「ありがとうございます」
廉は頭を下げる。
「いえ、こちらこそ本当に申し訳ありません。犯人は警察に渡して厳重なる処罰をお願いいたします。これがカードキーになります」
「ありがとうございます」
そして、廉は言う。
「犯人はお願いします」
冬眞は頭を下げる。
自分が何も出来なかったことに、少しへこむ冬眞だった。

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