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もし24歳の底辺青春コンプが『久保さんは僕を許さない』を読んだら

世の中の漫画には、純愛ギャグコメディというものがあります。五等分の花嫁やからかい上手の高木さん等、現実では起こるはずのない純愛、異性との触れ合いを、創作の世界では描いたろうという作品ですね。

しかし、恋愛感情と金ほど、人間がバグを起こす要因になるものもないのではないでしょうか。後者でおかしくなった人はまだ見た事無いけど、前者で狂った行動に走った奴は幾度となく見て来ましたからね。

というわけで、今回紹介していくのは久保さんは僕を許さない。前回に続いて青春恋愛漫画です。全巻読みました。完結、お疲れ様でした。タイトルの意味、モブでいることを許さないって意味なのね。

内容としては、学校に来ていても先生やクラスメイトも全く気づかれないような存在感皆無の白石くんが隣の席の久保さんにちょっかいをかけられまくる話です。存在感皆無の僕を何故か久保さんだけが気付いて話しかけてくれるみたいな話です。まぁ、彼が久保さんを好きだと自覚するの、11巻辺りだった気がしますけど。

でも、久保さんは僕を許さないかぁ。昔好きだった早稲アカで一緒だったかよこちゃん(漢字忘れた)は僕のことを許してくれるかなぁ。

まぁ、その前に僕は父親に許されていないんですが。あっちは本気で恋愛漫画やってますが、こっちも本気でサスペンス人生やってますんで。

えっ、内容ですか。大学一年生のクリスマスの日、友達は恋人と新宿デートしてる中、こっちは自宅で酔った父親と殴り合いするみたいなエピソードとかです。普通に「産まなきゃ良かった」みたいな罵り合いになって全部嫌になって包丁さんこんにちはしたからな。

\コンニチハ/

そんな、父さんは僕を許さない。2024年1月、アニメ放送開始です♪ 泣いていい? 誰かの胸の中で。

いや、あのね。僕だってこんな人生送りたくなかったんですよ。『家族と仲良く』の気持ちが分からないまま、まさか24年が過ぎるとは誰も思わんで。

もはや、僕は青春コンプじゃない、人生コンプなんですよね。最近気付いたんだけど、人間って仕事とか、したくない上に苦しいことを頑張るには守りたい何かや人生を賭けられる何かが必要なんです。例えば、彼女とか、家族とか、友達とか。僕、ホンマに何も無くて。

だって、高木さんも久保さんも山田杏奈も僕には構う事なんてなく、3年近くまともに話してない父親と実家で暮らしていて。母親は好きだけど……。友達はまぁ、多分僕よりは何かあるだろうし。

失ってはいけないもの、失いたくないものが本当ギリ繋がりのある友達とか、その程度になっちった。思い出も篝火の中に燃料として入れて、全部綺麗な灰になってほしいね。

こんな陰が、久保さんは僕を許さないなんて光の純愛漫画を読んで、果たして正気を保っていられるかという。  

大谷翔平も、僕みたいなのがいるからこそ、その光の白さを際立たせる。

無理、無理です。1巻から本当にゴキジェット当てられた害虫みたいに苦しみながら全巻読んでた。

知ってますか? ゴキブリって害虫の分類では不快害虫と言って、人間や作物に悪影響を及ぼさないけど見た目がキモイから害虫扱いされてるんですよ? つまり、中学生の頃、四釜さんに害虫扱いされた時、その分類として僕は不快害虫に当てはまるらしい。ゴキブリ、君は……。

どうしても楽じゃない道を選んでる 砂にまみれた靴を払うことなく こんな風にしか生きれない 笑って頷いてくれるだろう君なら

さて、下らない御託は置いといて、久保さんは僕を許さないの感想を述べていきます。個人的にはひどく感傷的な気分になるけど面白い作品だと思います。絶対僕だけだけど重松清の小説読んでる時と同じ気分になった。

一度、彼の作品を読んだことがある人は分かると思うんですが、重松清は少年少女のいじめとか、思春期の感情描写がほんと以上なほど上手でページを進めようとしてもすぐ手を止めてしまうんです。過去を思い出したり、登場人物に暴力を振るいたくなったりして。

で、久保さんは僕を許さないにも、彼らの幸せそうなシーンを何度も見させられてると、人生の内省を強引にさせられて、ページを進む手が止まるんですよ。

僕も1度ぐらい誰かの特別になりたかったです

だって、1巻から完結まで終始こんな感じの空気感ですからね。光に当てられて消滅する魔物ってこんな気持ちなのかなってちょっと思いました。

この作品の主なポイントとしては1つだと思っていて。

本当の意味で優しい物語

ここなのかなと。他の漫画、小説と比べても登場人物が傷ついたり、精神的にダメージを受ける描写が極端に少ない。まぁ、多少恋路に悩んだりすることはあれど、悩んだりしてもストーリー中にぱぱっと解決してしまう。

ここに関しては、本当に作者の性格が反映されてるんだろうな。多分、めっちゃくちゃ穏やかで優しいんだと思う。だって、俺が今書いてる小説、主人公の母親が不倫して離婚した挙句、反コロナで駅前でデモやってたりしてるんだけど、そういう要素一個もないですからね。 

端的に言うと、ユートピアみたいな場所の作品で、喜怒哀楽の怒と哀がほとんど抜け落ちたようなように構成されている。人間の感情構築としては間違いかもしれないけど、平和的で優しい雰囲気をずっと継続したまま1巻から最終巻まで走り抜けたのは本当に突き通したなと感じました。

少年のアビスとか、今日私は、誰かのカノジョみたいな最悪からゼロを目指すような物語ばかりが人気な現世では、ある意味流行りと逆行してる内容だったかもしれない。
 
だけど、僕が受けたのは理想の青春を送る彼らへの薄ら寒さではなく、その青春の幸福を見つめることで訪れた自分の人生の内省や後悔で、それこそがこの漫画の幸福のストーリーとしての質の高さを表していたのかなと。

手を伸ばせなかったけど、手を伸ばそうと思えば案外僕もこの幸福に近付けたのかもしれないんだよな。まぁ、この作品みたいに万事物事が上手くいくほど世の中は簡単ではないけれど、少なからずもう少しちゃんと生きれたら、過去の記憶が誰かに蔑まれたり、誰かを蔑んだりしたようなものばかりにはならんかった。まぁ、ちゃんとした生き方ってどうやるのか知らんけど。

だから、この作品は僕に幸せな夢を見せてくれたんですよ。夢だからすぐ覚めたけど。おはよう、今日も朝から人生だ、頑張ろ? 

痛いの痛いの痛いの全部、飛んでゆけ

笹川真生 悪魔

このnoteをご覧の皆さま、ここが青年のアビスです。まぁ、あっちは少年だし顔整ってるけどな。

次はこの漫画読む

まぁ、だからとかくいい作品なんです。普通に読めば。俺は家庭環境人間関係性格等の問題でもうラブコメを素直な感情で読むことは一生叶わないけど。シンプルに久保さん可愛いし。読んで感想を書いた奴の性格だけが悪かっただけで。

なんて、僕はいつまで『僕は僕を許さない』をやってるんだろうな。そんな、僕ゆる、2025年一月、アニメ放映開始です♪ 泣いていい?  誰の邪魔にもならない場所で。

ハートフル!

いつか、いつかみんなでこんなユートピアを作ろうね!


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