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Midget Steps

「道の駅」に向けた遠い第一歩を、ようやく踏み出せそうな気配になってきた。

年度が替わり、4月の下旬に行政言うところの「意見交換会」が開かれる。
農業の協同組合(といえばお分かりのあの組織)施設の一角で、トライアル事業を始めないかとの提案である。
提案とは言っても、行政側からはこのプラン以外は何もない。「いや」とか「こっちがいい」とか言ったりすれば実現がさらに先延ばしになるだけで、まずは提示された条件で何ができるかを考えてみる。

該当施設は「ちゅ~るスタジアム清水」の向かいにあり、長らく休眠状態だったが、電子決済のみの無人店をオープンしたところだ。
同じ館内の1階半分(約30㎡)が空いた状態で、ここを市が一定期間借り上げ、我々プロジェクトに(おそらくは委託契約の形で)運営を任せるという。
ただしそこで具体的に何をやるかは、こちら側が起案しなければならない。

いちど事務局会議を開き、どう対応していくかをはかった。
僕が参加したのは(昨年プロジェクトを立ち上げてからで)まだ1年ほどだが、10数年来「道の駅」誘致のため活動してきた皆さんからすれば、トライアルと恰好だけはつけても数年したらあとは知らないよとなるんじゃないか、そういう懸念を抱いている。

行政との対話の中では、「市が希望してやるわけじゃないんですから」のフレーズが、何度も出てくる。
それを聞くこちらからすれば、「俺ら、やる気ないのにさぁ。あんたらがやりたいって言うから、こんなひち面倒くさい手続きもしてやろうっていうんだぜぃ。ぐだぐだ言ってないで、ハイわかりましたで話進めりゃいいんだよ」くらいに、相手の肚を読みたくもなってしまう。
そりゃ被害妄想だと思われるかもしれんが、現実には10年以上も陳情が塩漬け状態にあったのだから、無理もない話だ。

ところが今回は、市長自身が推進の立場である。親分がやれというのを、子分が無視したままにはいかないはずだ。じっさい市長は、多忙な中でも現場を視察し、イケるという感触をもったという。

加えて僕個人は、プロジェクトの皆さんの思いとは若干異なり、小さく始めることに何の抵抗もない。
小さく始め、小さな成功と失敗を繰り返し、小さな実績を積み上げていけばいい。いきなり大きな箱モノを用意されても、我われ運営の素人に立ち入るスキはほとんどないだろう。専門の組織に全てを仕切られてしまうなら、誘致する意味すらないと思っている。
一人のメンバーはコ〇トコ辺りを誘致したらいいとかおっしゃっていたが、それ、地元にどういう貢献をしてくれるのか。
それならオー〇ィオ・ユ〇オンとか来てくれた方が、よっぽど嬉しいぞ。
私だけ?

今回は最長3年のトライアル期間になるようだが、その間は地元の情報や魅力を発信することに傾注する。情報が集約される場になっていけば、魅力は中からも醸成じょうせいされるはずだ。情報の質と多さに比例し、地元や行政、今年1年目のプロ野球球団からの関心も上げていくことができる。
一定の予算がつき、仕組みを作れるようになれば、こちらはすぐにでも始められそうだ。

問題はトライアルという以上、何らかの目に見える成果を生んでいかなければならないことだ。情報発信のみで「道の駅」実現に繋げられるとは、とても思えない。
普通に考えれば、物販だ。地元の生産物など売れば、多少の収入は確保できる。

ところがこれは、ダメだという。貸し手側が農業関係であるため、そことバッティングするものを販売されては困るという。
さらに問題なのは立地で、なぜこちらの協同組合が長らく休眠状態にあったかと言えば、ひとえに来店客が少なかったからである。
無人販売として再開したのは、人件費をかけないことでどれだけの実績が生み出せるかの試みで、つまり向うもトライアルなお店のわけだ。

仮にも専門の組織がうまく行っていない施設の一角で、我々ごとき素人が何かを始めても、成功させるなど不可能に近くないか。

明日に続く

イラスト hanami🛸|ω・)و

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