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新しい繋がりの織り方

昨日の「清水いはらマルシェ」は、とにかく暑かった。体調不良の出店者も複数出て、これからの夏場本番を前に、運営に懸念を抱かずにはおれない。

会場を提供頂いている花市場に配慮いただき、今回から生花棟せいかとうという、空調の効く場所に変更になった。そのため中はしのげる気温だったが、外で営業しているキッチンカーの人たちはしんどい。
テントの片づけやら焼肉プレートの洗浄など、動けなくなった店長を休ませ、スタッフが片づけを代行したりもした。

この日は元・引きこもりクンが手伝いに来てくれて、手薄だった駐車場係や大型カートの移動など、穴埋め以上の働きをしてくれた。
今では就職していて、地元に少しでも恩返しがしたいとの動機からだが、実に好感の持てる青年である。こういう宝物みたいな人材がまだまだ多数お部屋に閉じこもったままでいるかと思えば、もったいなくて仕方ない。当人のため地域のため、今後も人材発掘の機会を広げたいもんである。

統計を取っているわけでないからあくまで目分量だが、今回の入りは過去最低だった。何しろこの暑さだし、清水商店街では数年ぶりの七夕たなばた祭り最終日である。
言い訳なら何とでもつけられるが、だから仕方ないよねーじゃ、後退あるのみだろう。
しばらくこの異常な暑さは続くだろうし、来月開催の8月4日は「七夕祭り」以上のイベント「清水みなと祭り」とバッティングする。
こちらの祭りには市民として(港かっぽれなどに)出場する出店者が複数いて、マルシェ参加辞退の報告をすでに受けている。
出店者の数が減れば、魅力もそれだけ減衰するわけで、何らかのテコ入れを考えなければならないと思う。

31も出店があると、人気がある店とそうでもない店の格差は、当然生まれる。後者に対して、何かバックアップは出来ないものかと思った。

たとえば手作りのバッグを専門に販売しているお店があって、物の良さは僕みたいな門外漢にも一目でわかる。
こちらの裂き織り(たて糸は普通の糸、よこ糸代わりに細くひも状に裂いた布を織り込む織物)という手法は江戸時代、贅沢禁止令が発令され、新しい布地を使えなくなった人々が古い布を裂いてよこ糸とした、当時のリサイクル精神から始まったとされている。
一度購入すれば一生モノ、それどころか次の世代にも繋いでいけそうなそうな品揃いだ。
ただ、明らかに客層が違う。

マルシェに来るお客さんの目あては、地場産の安くて鮮度のいい野菜や果物だ。これにキッチンカーの食品や飲料、今の時期ならかき氷などが加わり、あとは手作り味噌やジャムなどの加工品が続く。
アクセサリーの売れ筋はあくまで数100円の商品であり、一けた値の張るバッグは、ここでは高級品である。やはり専門店かターゲットが明確なネット販売の方が、売れ行きは格段にいいだろう。

ただ、作っている側もそれなりに高齢の方たちで、アピールするすべはどうしても限られてしまう。せっかくの良品であっても、このミスマッチを埋めない限り、裂き織りバッグが陽の目を見ることは困難だろう。

今朝、やはり出店者の一人と話をしていたのだが、そうした広告の分野でお手伝いできることはないか模索中である。
今日の女性はノートパソコンはあるものの、苦手意識が先立ちネットサーフィンくらいにしか使っていないという。彼女の出店ブースに商品をアピールするチラシ1枚ないのを不思議に思って尋ねたら、そういう返事だった。

「チラシ作成教室みたいなの、興味ある?」と訊けば、ぜひ参加したいと言う。
正直、ちょっとしたもので良ければすぐできてしまうが、僕が作っても次回リニューアルしたいとき、自力で解決できないままだ。今はそうした面ではいい時代で、その気になれば誰だってチラシくらい作れる。
そういう側面からのバックアップが出来ないものか、マルシェ充実のためにも検討していきたい。

イラスト Atelier hanami@はなのす


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