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~虎に翼~ 戦災孤児と理不尽に憤る

どうも。
こりーぬ、です。
初めての方も、また読んでくださってる方も
ありがとうございます。

この2週間のお話を観ていて
色々と書きたいことが
溢れてきてしまったものの、
見直しの時間が取れなかったり
書きたいことをどんなふうに書くかが
自分の中でまとまらなくて

そんな風にしている内に
ドラマはどんどん進んでいくので
記事が追いつかなくなって
ちょっと投げやりになってました。

先々週は戦災孤児に関する話、
先週は、相続や家族の話で
それぞれに私なりに書きたいことが
あったんだけど、
気持ちが少し落ち着いてしまったので
どうなるかわからんけど
とりあえず書いてみよう。

まずは、先々週の戦災孤児の話。
道男という、孤児と呼ぶには
少し大きくなってしまった少年が
小さい子供たちをまとめて
スリの元締めみたいなことをやっていた。

色々あって猪爪家に居候することに
なった彼は
はるさんを「ばあちゃん」と呼び、
はるさんは息子の代わりのように
道男に厳しくも優しく接する。

「道男」という名前は直道さんの
名づけの時のもう一つの候補でもあったから。

道男はちょっと擦れてしまっていたので
猪爪家で受ける一つ一つのやり取りに
ちょっと斜に構えてしまって、
おまけに口も態度も悪いから
花江ちゃんの息子たちから
早く出て行ってほしいと思われてしまう。

でも、花江ちゃんは優しく接するものだから
道男は、自分が直道さんの代わり
になれないかな?
と、ちょっと距離を近くして迫ったんだよね。
迫ったって言っても、ちょっと袖を引くくらいの
可愛いもんですよ。
縋る子犬みたいなもんじゃないですか。

でも、それを見かけた
花江ちゃんの息子ちゃんたちは
お母さんに何してんだ!といきり立っちゃって
道男を押し倒してポカポカ殴るんだよね。
私としては、あのシーンは
なんだか微笑ましかったんだけど、
シーンの意味としては、ちょっとシリアス。

後から来て、状況がよくわからない
はるさんは、子供たちが
「こいつがお母さんに……!」という言葉を
一瞬、信じてしまって
道男に疑いの眼差しを向けてしまう。
多分、押し倒して無理やりっ……
みたいなんを想像したんでしょうね。
すると、疑われたことで
道男は開きかけた心を閉ざして
出て行ってしまい、消息不明になる。

なかなか所在がわからないまま1週間。
はるさんは自分の行いを後悔しながら
倒れてしまい、
医者の見立てで、今夜一晩もつかどうか。
えっ?そんな急に?と
視聴者が置いてきぼりの感を食らう中、
はるさんが必死に道男に会いたいと言う。

やっぱり道男はよねさんたちのところにいて
寅ちゃんは、はるさんがどうしても
会いたいと言っているから
とにかく来てほしいと頼み込んで
猪爪家まで連れてきて、
はるさんは、道男をぎゅうっと抱きしめて
満足そうにするんですね。
自分が勝手に息子を重ねただけなのに
とにかく、ここまで生きてくれてありがとうと。

そして、寅ちゃんと花江ちゃんには
二人にならこの家を任せられる、
とすっきりした顔で
ナレ死を迎えるのでした。

寅ちゃんが、
死んじゃヤダー!まだ一緒にいてよーと
子供のように泣き叫ぶさまは
こちらも胸が痛くなってね。
もう三十路を超えてだいぶ経ち、
子供を持つ身で親の死に目に
あんなに泣き叫ぶヒロインって
今までいなかったんじゃないかなぁ。
記憶にないだけかも?

それでも、寅ちゃんと花江ちゃんは
はるさんに頼まれた通り、
「これからのこと」が書かれた帳面以外の
全ての日記を1冊ずつ燃やしていく。

見られたら恥ずかしいから、と
はるさんは言っていたけど、
それはいつかのお父さんを救った、
日々の細々を綴った日記でもあり、
二人もその時点までの分は
ある程度、目を通していたはず。
でも、戦争を挟んで
直言さんが亡くなってからは
きっと気弱なことも
書いていたんだろうから
恥ずかしかったのかもね。

そして、
『これからのこと』を書いた帳面には
今後10年間の家計の予算組み。
『寅子ならこのくらいいけるはず』と
数年後の年収に15万円と書かれていたけど
貨幣価値としてはどのくらいなのかしらね?
花江ちゃんは「随分期待されてるわね、
自慢の娘なのね」と微笑んで、
寅ちゃんは
「お母さんが私のお母さんでよかった」
と言った顔が、バトンを渡され、
今後の猪爪家を託された家長としての
頼もしさを滲ませていた、ように見えた。

そして、
田舎に引っ込んだはずの寿司屋のおじさんが
東京に戻って来ていて
偶然寅ちゃんと再会し、
道男は彼の下に引き取られて
寿司職人として修行することになりました。

で、たまにしれっと猪爪家の夕食に混ざって、
花江ちゃんは、彼が来る日は
ちょっと嬉しそうにしてる。
道男も花江ちゃんへの好意を隠さないから、
花江ちゃんの息子、直人くんは
「お母さん、道男と一緒になってもいいよ」
なんて言ったりするんだよな。
「俺にはわかる」という、父親の口癖と共に。

うん、ここはどうなるんだろうね。
まったくわからん。

先週からずっと、花江ちゃんは
なんだかもやもやしたものを抱えていて、
一旦、梅子さんと話したことで
さっぱりするのかと思いきや、
それは今週、2日経ってもまだ
彼女の顔は晴れないままなのが
気になるんだよなぁ……

そんでね!
ここで私が一番書きたかったのは、
戦争の犠牲になるのは
いつも子供たちだ!
ってことなんです。
星長官も寅ちゃんに言ってたよ!

当時の大人の女のひとたちだって
力も権利もなかったから
色々と大変だったと思う。
でも、やろうと思えば
自分の意思でなんとかできることは
たくさん、いや、いくつかはあった、はず。
大人だからね。

でも、子供たちは違う。
一部の大人たちが勝手に始めた戦争で
親を、家族を奪われ、
子供らしく無邪気に過ごす時間を奪われ、
安らげる場所を奪われ、
学ぶ権利も奪われる。
力も弱い。

この週の最後のナレーションで
印象的だったのは
「戦災孤児の問題はこの後20年続いた」
という件り。
yahooで特集した記事と動画があるので、
貼っておきます。

いい年して私も知らなかったけど、
孤児たちが国を相手取って
訴訟を起こしたけど、敗訴したそうです。
軍人には60兆円という保証が下りたけど、
一方的に巻き込まれただけの戦災孤児たちには
保障がないというね、この理不尽。

全員に保証は難しい。でも、彼らが
過酷な環境を生き抜いてきたというのは
事実だろうし、
そこを少しでも慮ってもらえたなら。
彼ら自身も当時を語ることが憚られてきたものの、
語ってくれなければ、誰も知る由もない。

昔から上野駅の地下道を通るたびに、
あそこの、ちょっと暗くて
なんとなく陰気な感じのする空間が
不思議だったんですが、
そこで空腹を抱えて餓死していった子供達が
大勢いたという事実を知って納得しました。
どうか安らかに眠ってほしい。

道男の手下みたいな立ち位置の、
稲垣の財布をスッた男の子がいるんだけど、
その子の描き方を通して
当時の、孤児を保護するという名目の
収容施設の酷さを垣間見せられた。
ご飯もまともに出てこないのに
むりやり施設に入れられるだけだから、
多少ひもじくても、子供同士で助け合ったり
よねさんたちみたいな
親切な大人の手を借りたりして
生きていくことを選ぶ子供たちがいても
不思議ではないなと。

だって、保護するったってさ、
街中に浮浪児が溢れているのが
みっともない、ということらしいのよ。
だから、ブルドーザー的にがさーっと
逃げる子供たちを捕まえて
トラックに乗せていって
家庭裁判所に連れてくるという……
嬲り殺されたり、売られたりするよりは
マシなんだと思うけども。

「浮浪児」っていっても、
彼らはなりたくてそうなったわけじゃない。

その子供たちを汚いものとして扱った
大人たちがたくさんいて、
ごくごく一握りの親切な大人のお陰で
生き延びることができた子供たちと、
犯罪に手を染めてでも
自力でなんとかしてきた強い子供たちが
どうにか生き延びてきた、
というに過ぎないのです。
悪い大人に利用された子供も
きっと大勢いただろう。

今も世界のどこかで
理不尽に巻き込まれて
泣いてる子供たちがいる。
でも、少なくとも
今、私たちが住んでいるこの国で
戦争を起こしてはならないと
そういう気持ちにさせられる
虎に翼は、エンタメと融合した
良きドラマだと思うのです。

……こういう変な自己主張みたいなの、
自分も大したことできないのに書くのは
正義を振りかざしてるみたいで
少々気恥ずかしいのだけれども
そういう気持ちだけは持ってるぞ、というのは
恥ずかしいことじゃないと思うので。

あんまりにも長くなっちゃったので
先週の相続についてのお話は
また別の記事で書きます。
よかったら、またぜひ。

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