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太郎&太郎 #今日の晩御飯はなんだろか

そろりそろりと陽が暮れかけた街
その道を歩く俺は1人。

どこからか魚を焼く匂いや、野菜炒めのような匂いがした。

今日、俺の歩いてる付近のどこかの家ではその匂いが食卓に並ぶのだろう。

小学生の頃、学校終わりの自宅前の玄関でカレーの匂いがした。
台所にいる母に玄関から問いかける。
「今日カレーーー?」
母は俺に答える。
「あんたはほんとに鼻がきくねえ」

小学生ながら、こんな簡単な問題を言い当てた俺を褒めてくれる母を優しい人だと思った。

あの日からいくつか歳を取って
季節の変わる匂いや、誰かと行った場所の匂い
好きだった人の匂いに、嫌いな人の匂い

いろんな匂いを嗅いできた俺の鼻は
たくさんの思い出を思い出せる相棒になった。

思い出したくない過去もたくさんあったはずだが、
今ではそれもいい思い出に変わってきた。

夕暮れの外の匂いに優しさを感じれるほど
俺は大人になってしまったのだろうか。
それとも弱い人間になってしまったのか。

落ちていたタバコを吸っていた時も
喉が乾いて公園の水を飲んでた時も
どうしてもお腹がすいて、盗んだ駄菓子も

そんな匂いも俺の鼻は覚えている。

今日の晩御飯はなんだろか。

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