茶席の問答
親しい男性の席なので、正客を遠慮してお詰め(末客)へ。
60代半ば位の、見るからに自信満々なご婦人。亭主とのやり取りも、上手く出来ていました。
濃茶を頂き、茶碗が返されました。正客から「お茶碗のお作は?」と質問が発せられました。
瞬間私は(あっ地雷を踏んだ!)緊張しました。亭主は落ち着いた様子で「古い物なので…」こういって、正客を睨みました。
高麗茶碗にお作を聞くのは、危険です。何故ならば、新しい品・日本の職人の写し物・と尋ねるのと、同じ質問だからです。
微妙な空気が流れました。(お正客さん、ここからごめんなさい。箱書きや銘を、聞いて下さいますか?)と勧めました。
この問答で亭主の機嫌がなおった様です。道具のお尋ねは、充分気を付けねばなりません。