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コロナ陽性期間を短縮した初の薬


2023/03/08

一流科学誌Natureの3月3日のニュース記事で、

塩野義製薬の経口薬ゾコーバ(エンシトレルビル )が,

軽症 コロナ 患者の症状を短縮し、LONG COVID(コロナ後遺症)のリスクを

軽減する可能性があると紹介されました。 https://www.nature.com/articles/d41586-023-00548-6

軽~中等度コロナの感染可能なSARS-CoV-2(新型コロナウイルス)が

検出されなくなるまでの期間をおよそ1日(29時間)短縮することが

Phase 3段階の解析で示されたのです。

まず、

コロナの陽性期間を有意に短縮した薬はゾコーバが初めてです。

コロナ陽性期間が短いということは、ウイルスが早く減るということで、

その結果、全身の臓器への影響が少なく、

重症化しにくいと考えられます。

実際、臨床試験ではゾコーバ投与群の方が症状がより早く解消したことも

確認されています。


次に、

コロナ陽性期間が短いということは、人にうつす期間が短くなります。

伝播防止にも役立つ可能性がありますね。

家庭内感染防止の臨床試験が始まっています。


第3に、 ゾコーバのCOVID-19罹患後症状(Long COVID)予防効果も

示唆されました。

Long COVID(コロナ後遺症)は

3~6か月後にコロナ症状が2回以上連続して 認められたことと定義されています。

感染し始めにコロナ症状がより多くでていた患者の割合が、

ゾコーバ投与群の方が非投与群より、後遺症になる頻度が低いことが

示されました(14.5% vs 26.3%)。

被験者全体の解析でも程度は低いものの同様の効果が認められています。

神経症状4つに基づくLong COVID(コロナ後遺症)も

ゾコーバ投与群の方が プラセボ(偽薬)群より少なかったのです。


以上のことから、

日本の保険診療で手に入る内服薬では、断トツに臨床効果のあるクスリといえます。


しかしながら、メガファーマのP社やM社への配慮があるのか、

色々ないちゃもんが「科学的に」つけられています。

結論はなかなかでないでしょうね。


臨床試験データから、軽症でも使え、重症化を防ぎ、コロナ後遺症まで減らす

ゾコーバは、

3月現在、中等症から重症で使われている内服薬 P社のパキロビッド 、

M社のラゲブリオ よりもかなり優位となります。

2023年3月現在、 日本では安定供給されておらず、最新のガイドラインでは、

軽症ではそもそも自然治癒が見込めることから、

「高熱・強い咳症状・強い咽頭痛などの臨床症状がある者に

処方を検討すること。」 とされており、

どのような人にいくらで処方されるのか、

5類になるので、ますます大人の事情がからみます。


病気は待ってくれませんから、まずは

いつ罹ってもいいように 自身の免疫力をあげて、

クスリに頼らない体にすることが、 先決です。


2023/03/08


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