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中川晃教コンサートat東京文化会館

2月5日、上野にある東京文化会館で行われた中川晃教さんのコンサートへ行きました。今回は、「愛と幸せ」をテーマにしたコンサート。前回の異次元なハクジュホールとも異なる、スペシャルだけど心温まるコンサートの感想をお伝えしたいと思います。(上野だけにタイトルにパンダの画像を拝借しました)

東京文化会館小ホールでのコンサートは、毎年2月に開催されます。こちらの小ホールは不思議と深い海の底にいる感覚を覚えます。舞台から放射状に座席が配置され、側面のかべはコンクリ剥き出し、後方には、コンクリ+木材があしらわれており、始まる前の賑わいの中でも何処か静寂な雰囲気がします。

そして、開演前は波の音が流れています。波打ち際から海底をもぐり、あっきーの歌と園田さんのピアノのみの豊かな音楽の海に観客もどっぷりと浸かる、そのようなイメージです。

当日の楽曲は、オリジナルを中心にカバー曲も有りました。以下に印象に残った曲や感想をいくつか。

スティービー・ワンダーの「Another Star」は、アフリカンで複雑なリズムの曲をピアノだけで歌い上げます。

リズム楽器無しで早いリズムに乗って歌うことは相当に難しいのでなかろうか?と思っていると、園田さんが横からタンバリンならぬタンボリン(ブラジルでサンバで使う楽器だそう、タンバリンの横のちっちゃいシンバル?が無い版って感じ)を持ち出して、まあ難しいリズムを叩き出すこと。歌の後半はあっきーもタンボリンを片手に、ソウルに歌い、ソウルに叩く。常々思うけれど、あっきーの絶対的リズム感は本当に凄いし、めちゃめちゃカッコイイ!

一転、コンサートの中盤で、昨年、尊敬する音楽家の方々が亡くなられたことへの哀悼の意を込め、坂本龍一氏の「戦場のメリークリスマス」に歌詞を付けた「禁じられた色彩」(もとは洋楽のようです)を披露。

あっきーの抑揚ある歌唱も然ることながら、園田さんのピアノが素晴らしかった。小ホールで戦メリを聴ける幸せ。響きが大変に美しく、後世に残る名曲だと思うし、園田さんのピアノの音色に坂本龍一氏への愛と尊敬を感じました。

また、ハクジュホールで歌った「幸運の鍵」をこの日も披露。この曲は、元々、昨年の八ヶ岳ミュージカルウィークの即興コーナーで生まれたらしく、「好きな映画にインスパイアされ園田さんと作った曲です」と紹介。私も初めて聴いたときから好きになりました。

前回も書いたけれど、天才故の苦悩をあっきーは身を持って知っていて、可愛らしく表現しつつもそれを乗り越えてきた自負を感じます。一方的な私の解釈だけれど、自分自身と自分を常に見守る存在に対する言葉では表現し得ない愛情(と言いつつ一言で括ってしまったけど)が込められている気がします。

また、この日は、あっきーにとって特別な会場での公演とあってテンション高めでMCも迷走気味。あっきーは話の着地が見えなくなると園田さんに無茶振りしたり、喰ってかかったり、コンクリで喉が乾燥するから客に唾液を飲んで潤すようにと強要したり(笑)まあ、園田さんもファンもわかったもので、のびのびなあっきーをみんなで受け止めてる。

故郷の仙台で同級生と20年ぶりに会って楽しかったという話もしていたし。(カラオケボックスでオリジナルを歌ったって言っていたけど、ボックスであっきーの生歌を聴くってどんなだろう、凄すぎて卒倒しそうな気がする…)

終盤は、デビュー当時の曲を続けて歌唱。「この世界より大きく小さな愛」であっきーは何を思っていたのだろう。こぼれ出すほどの大きな愛かなあ…。

アンコールでは、あっきーは、即興のメロディ(あいあい、あいあい、ワキあいあい)を観客にコールさせ、それをベースに主旋律を歌おうとするもコードが複雑過ぎて、みんなの四苦八苦と苦笑が入り交じることに。それでも何とか立て直し、アンコール曲のナット・キング・コールの「LOVE」へと繋げきっていた。

「ワキあいあい」からその曲フツー行く???って思ったけれど、そこがあっきーの天才たるところ。

ということで、素敵で楽しいコンサートでしたが、最後にまとめると、この日は、バディと称す園田涼さんとの同士愛に、多くのミュージシャン、音楽家に対する敬愛、友人や家族への親愛、ファンへの厚い感謝と信頼、自身が存在する世界や果てしない宇宙までをも注ぎ尽くすあっきーの大きな愛と幸せを、会場の全員で共有した幸せで温かな冬の1日なのでした。

あっきーのコンサートで免疫力が上がったような気がします。これからも東京文化会館でのコンサートを毎年、続けてほしいです。



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