テロップ研究記2
↑これの第2弾的な記事です。
…といっても、第1回記事を見ていないと分からないような、続編ストーリー的な構造ではありません。単に、Part2というだけです。
ということで、テレビ番組のテロップについて再現&分析してみました。
【注】
・バラエティ番組のコメントフォローテロップ(※演者が喋っている内容を表示するテロップ)を対象とし、同一番組内で最も基本的なスタイルと思われるものを取り上げます。番組の選定基準は特にありませんが、TVerでテロップを確認しているため、民放局を対象としています。
・ここで掲載する画像は、あくまで再現です。文言も見たままではなく、変更しています。シャドウの色や境界線のサイズなど、厳密には若干異なる場合もあると思いますが、雰囲気で楽しんでください。
・フォント名についている「A-OTF」や「FOT」は、どこのメーカーのフォントかを表します。よく分からない人は無視でOKです。「AP」版とか「stdN」とかの区別は細かすぎて伝わらないので表記上端折ります。
テレビ朝日『帰れマンデー見っけ隊!!』
シンプルな色つきシャドウです。装飾自体はこの上なくベーシックなものですが、重要性の低い助詞などを小さめに表示する表記法によって独自性が出ている感じがします。また、使用ウエイト(太さ)の「B」というのは、「Bold」のことであり、印刷で見ると結構太いはずなのですが、テロップで見ると少し細く感じますね。
TBS『クレイジージャーニー』
基本装飾は黒い縁取りと黒いドロップシャドウの組み合わせ。文中の良きところで文字サイズを拡大しつつ、色付き文字にしてあります。加えて、1文字目は他の文字からラインを下げる処理がされており、2文字目以降に細めの下線が入っています。文字と連動して長さの変わる下線や、1文字下げはPhotoshopだと1レイヤーで完結できない(はず)なので、テロップ専用ソフトがないと手間がかかりすぎて普段使いは難しそうです。
日本テレビ『1億人の大質問!?笑ってコラえて!』
白文字に、同系色のドロップシャドウを2回重ねたのち、最後に少しだけ透明度を持った黒ドロップシャドウをかけるという装飾。
……という上のテロップは、実はスタッフが発言したとき用のテロップ。取材対象となる村人の発言時は以下のテロップです。
スタッフの発言が青系なのに対して、村人は赤系であるという区別ならば、普通なら縁取り(シャドウ)の色だけ変えて色違いにしそうなものですが、スタイル自体を大きく変更して差を付けています。
テレビ東京『YOUは何しに日本へ?』
全体としてドロップシャドウや縁取りの太さが控えめで、かなりシンプルな印象を受けます。パッと見だと白文字に赤い縁取りをしただけに思われるかもしれませんが、よく見ると濃い赤色のドロップシャドウが小さく入れられています。細かい部分ですが、これがあるのとないのとでは印象は大きく異なります。試しに濃い赤色ドロップシャドウを抜いたのが以下の画像です。
同じ書体でも、細かな装飾の違いでも結構印象が変わるのが、テロップの奥が深いところです。
フジテレビ『呼び出し先生タナカ』
白文字を黒縁取りで囲っただけ……と思いきや、その前に灰色シャドウが左方向にかかっています。テロップのシャドウって、大体右下にかけられているのが相場だと思うのですが、今回は真左の方向にかけられており、かなり変則的な装飾です。ちなみに、ここで使われている「ロダンNTLG EB」は『帰れマンデー見っけ隊!!』のウエイト(太さ)違いです。
以上、テロップ研究記2でした。
ここまで読んで頂き、ありがとうございました。
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