2022年7月13日(水)バリトン増原英也さんに初心者向けオペラの魅力を伺います!お声に魅力💝 ゲストを深堀り共和国🌎 39
ゲスト:増原英也さん モデレーター:加藤まみさん、サブモデレーター:Yoshie Sakagamiさん、千惠さん、松田映子さん 議事録:沼尻淑子 MAX76/45人
【略歴、前回までのまとめ】
琉球大学→東京藝術大学→東京藝術大学大学院→イタリア留学
音楽は心の栄養剤。バランスを取ったり、溜まったものを放出、勇気や生きる力を養うもの。
【ルネサンス期に再構したオペラ】
ルネサンス前は教会以外の絶対的な権力がなかったが、ルネサンス期にメディチ家が繁栄して好きなようにフィレンチェを支配し、王族から貴族、庶民に文化が移っていった。ダビデ像など、メディチ家歴代の美術コレクションはウフィツィ美術館に所蔵されている。メディチ家は芸術を奨励した。ルネサンスとは、“再び生まれる“。キリスト教以前の芸術を再構築しようという動きでローマ時代より前の文化をもう一度再構築する文化運動。“ギリシャ悲劇をもう一度やってみよう“と話し合うサロンがあった。そこに集った知識人や文化人の音楽サークルをカメラータ(小さな部屋で話す人たち)と言った。演劇と管弦楽を一つにする試み。歌を入れるとドラマの変化が途切れてしまうので、セリフに節をつけて話す独唱を作った。それをレチタティーボという。ルネサンス期は日本では関ヶ原の戦いが終わって、徳川幕府が政権を取った頃。江戸が太平な時代になって庶民文化が盛ん。田楽、猿楽、歌舞伎が出来上がった頃。歌と踊りと演劇と。西洋と東洋で同時期に栄えた文化が合致している。ちなみに第二次世界大戦の同盟国は舞台芸術を持った国だった。『オペラと歌舞伎』に詳細が書かれている。
【オペラの変遷】
ルネサンス期はギリシャ神話をテーマにしたオペラを作っていった。時代が近いものから見た方がいい。
当時、女性はオペラステージに上がることが出来なかった。神聖な場所はご法度とされた。歌舞伎も同じ。男性が女性の声を出していた。男性のシンボルを変成器前に切ってしまうカストラートが担っていた。
バロック時代になると表現を突き詰めた。人間の人権や道徳よりも芸術。味付けや加工が多い料理に似ている。“バロック“とはポルトガル語で“歪(いびつ)な真珠“。豪奢な飾りをつけるオペラが主流だった。
飾りをつけるのが主流。専門的な技術を持った人たちが持て囃された。アジリタ、メリスマといった歌手の技術を披露するものになっていった。素晴らしい歌手ほど価値が高く、王侯貴族の権力と繋がっていった。美術や芸術は王様たちの依頼ありき。プロパガンダにも使われ“王権が永遠に続くように“という台本も作られた。芸術家は食べていけないので、お金を持っている人たちの依頼を受けた。ベートベンは偉大な作曲家。才能があり、どこの王様にも雇われなかった。“著作権や音楽家の権利“を言い始めたのはベートーベン。モーツァルトも王様や貴族の庇護の元、注文に応えた。お金を出してくれる人がいたから、オペラが書けた。ヘンデル、ビバルディ、などバロック時代にオペラがイタリアから世界中に広まっていった。当時のかつら、メイク、などで上演する人たちも無料動画にアップされている。
【オペラ作家の作品】
モーツァルトでは『フィガロの結婚』『ドン・ジョヴァンニ』『コジ・ファン・トゥッテ』が有名。モーツアルトは余分な音を削ぎ落としていった人。音質にこだわって演奏しないと音がすぐ濁ってしまう。ロッシー二はモーツアルトの生まれ変わりだと言って、小さい頃から天賦の才があった。料理や食に関心が高かった。ベルカントオペラという“美しい歌、歌唱“を持った歌手たちが沢山出てきて、作品も沢山生まれた。オペラ作曲家ではベッリーニが有名。ショパンもベッリー二のオペラのようなものを書きたいと言っていた。17世紀、18世紀ロマン主義、ロマンティックな作品、男女の恋の話が多く出た。庶民が主役で劇場にお金を払って観に行った。『椿姫』『アイーダ』のヴェルディや『蝶々夫人』『トゥーランドット』『ラ・ボエーム』のプッチーニなど。フィギアの荒川静香さんの曲“誰も寝てはならぬ“はプッチーニの『トゥーランドット』から。『アイーダ』は エジプトの最高の時代の演出で、沢山の奴隷、動物、ファラオなどが出てくる。こけら落とし公演でアイーダは上演されることが多い。FIFAワールドカップで曲が使われている。祝祭的でもあるでので大きなイベントに合う。「蝶々夫人」は長崎を舞台にした作品でイタリア人からみた日本。童歌や君が代が出てくる。日本のメロディ、旋律を取り入れている。日本には5音階しかなかった。どれみそらど、半音階がない。ジャパニズム。異国情緒、東洋に対する憧れがあった。“ここではない、どこか“がロマン主義のテーマ。非現実をオペラにする。フランスでは『カルメン』、イギリスでは『ロミオとジュリエット』、ドイツはワーグナー、ロシアでもチャイコフスキーなどが出てきた。芸術に目を向けたら平和になる。人の心を癒してくれる。“心を育み、癒し、元気づけるアーティスト“になりたい。生の音はオンラインではわからない。音響環境の良い所で是非聴きに来て欲しい。
【感想、質問タイム】
千恵さん:お話を聞いていて、オペラを聴きに行きたくなりました。
よしえさん:先日のオペラ素晴らしく感動しました。
沼尻:先日のオペラ感動しました。
ひろしさん:吹奏楽でクラリネット吹いて全国大会にもいった。横須賀のホールでも是非!
映子さん:合唱コンクールの指導にも入っていた。全国大会金賞。メトロポリタンオペラ、お勧めです。
着物王子:沖縄に10年間住んでいた。オペラの話興味深かったです。
Miyakoさん:美しいお声、教養の深いお話ありがとうございました。
秋山千鶴さん:音楽の力、心を育む25年間やっている。何故いいのか、伝え続けている。
Masayoshi JINDAIさん:アイーダ、30年前上演に中継ディレクターやっていた。ミラノスカル座近くのカツレツが大好きで行っていました。
【最後に】
音楽、歌を通して沢山の方と繋がれるのが喜び。clubhouseの出会いがまた、僕の歌に生かされていく。人生は歌うもの。その時自分が何を感じ、どういう人と会って、何を伝えたいのか。名古屋地方の方は次回公演7/24、是非いらして下さい。
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