2024年4月17日(水)GRアワー深掘り 「嫌われずに言い返す技術」著者司拓也氏に聞く、言われっぱなし卒業とは?120

2024年4月17日(水)GRアワー深掘り 「嫌われずに言い返す技術」著者司拓也氏に聞く、言われっぱなし卒業とは?

ゲスト:司拓也さん、モデレーター:加藤まみさん、サブモデレーター:小林妙高さん、議事録:沼尻淑子

【ボイストレーニング講師になるまで】
2009年堀澤麻衣子さんと出会った。JA共済に勤めていて「つぶやき司くん」、「ささやき司くん」と言われる隠キャだった。
30代後半で労働組合の議長を任され労使交渉のトップとしての立ち振る舞いしなければならなくなった。
陰キャな自分で務まるはずもなく、労使交渉は難航。役員になめられ、仲間からの信頼も失う日々。思い悩む中で大阪梅田の書店で堀澤麻衣子先生の『声が変われば人生が変わる!』というCD付きの本を購入した。
「体の中を水がジャージャー流れてきます」で始まる不思議なイントロから始まるCDを聴いた。その声に惹かれて新大阪駅で開催されていた堀澤麻衣子先生の一日修得レッスン(話す声)のボイトレのセミナーに行ってみた。
最初は発声を練習ではなく、体は声を出すための楽器と教えられた。
重心バランスがグラグラな自分に気づいた。
丹田に落として出したら腹から声が出て衝撃を受けた。
のどを開く、滑舌良く話す、人前で堂々と話す、と別人の声になった。
声に見合った立ち居振る舞いになった。
セルフフィードバック効果(自分自身の能力やスキルを正確に把握することは、自己評価を高めることに繋がる)を知った。
労使交渉にも変化が現れた。
要求書は話す声で役員達の態度が変わり真摯に話を聞いてくれるようになった。
仲間からの信頼も回復した。
声が変わるだけでこんなにも自分を見る目が変わるという発見をした。
声の可能性をもっと探りたいと思った。

実は小学校の夢は学校の先生、小説家になりたいという夢を持っていた。
しかし引っ込み思案でコミュ障な自分を見て親からも学校の先生からも無理と反対されていた。
自分の人生を生ききれていなかった。
しかし初めてのボイストレーニング体験で自分の夢を実現できるかもと思えるようになった。
そして声の先生だったらなれるかもしれないと思った。
アマートムジカのボイストレーナー資格取得講座に参加した。
2009年6月に講師デビュー。
今年でボイストレーナー歴15年を迎えた。


『嫌われずに「言い返す」技術』(フォレスト出版)
講師をしていく中で、きつい言い方やハラスメントをされて何も言えなくなる人が沢山いることを知った。
相手からの言葉にはハラスメントを受ける人に対して、言い返さなくしてしまう悪魔の洗脳テクニックを駆使してくる。
その中の一つにダブルバインドがある。
2つの命令を同時に行うことで、相手の心を撹乱させるもの。
「いつでもわからないことあれば聞きにきていいから」と言っておきながら、質問すると、「そんなこと自分で考えられないの?」と言う。
その他たくさんの洗脳テク人くがあるが、相手が仕掛けてくる洗脳テクニックをまず見破ると傷つかなくて済む。

言い返すテクニックは大きく分けて3つ。
1、承認
2、質問
3、質問と承認の組み合わせ
まずは承認で受け入れる。
例えば、プロジェクトに関して「まだやってないの?」と言われたら、
「はい。まだできていません。いつでも期限いいと言われたので。今以上に良い方向に向かっていくにはどうしたらいいですか?」と質問してみる。
相手に嫌われずに言い返せるようになるには上記3つの手法と7つの会話テンプレートを覚えたら対応できる。
その方法を新刊『嫌われずに言い返せる技術』に書いている。
1無力化力
2カウンター
3クッション
2月9日に発売して1万2,000部と売れていて、沢山の方に読んで頂いている。
本書が今現在ハラスメントを受けている方々の助けになれば嬉しい。

【ハラスメント対策について】
ハラスメントを行う心理は傷ついた経験があったりするので、まずはハラスメントを行ってくる相手の言動を一旦承認してあげるという姿勢を取る。
そうすると相手の表情が和らぐ。
質問して、相手に話をさせてあげる。それが相手にとってのヒーリング効果がある。嫌なことを言ってくれる人が味方になってくれる。
相手に対して論破しようとすると、自分の良心も悪に染まる。
相手を包み込んで癒してあげるような手法。
事例として、ある生徒さんはお父さんが怖い人で上司も同じように怖い人だった。上司に対して怖い父を投影してしまい何も言えない日々が続いた。
そんな上司に対して
「いつもアドバイス頂いてありがとうございます。この部分がわからなかったので教えて頂いてよろしいでしょうか?」
「ここが上手くいかなくて困っているんです。ご教示頂けませんでしょうか?」と聞くようにした。
怖かった上司がニコッと笑って、いつでも相談に乗ってくれるようになった。
コミュニケーションのスタイルを変えてみたことで怖い相手から信頼できる上司になった。

ハラスメントを受けやすい人は相手に対する言葉が出てこない、言われたら何も言えなくなってしまう、言い返そうとしても言葉が出てこない。
“インボイス“と名付けた。
相手の肩書きやポジショニングを気にしすぎてしまう人、自分責め症候群(セルフハンマー)
人と争いたくない(ノーファイト)
嫌われることを恐れる(媚ちゃん)
感情が麻痺してしまう(エモーション0)
諦めてしまう(ギブアッパー)
などなど言い返せない人には各々タイプがある。

ハラスメントを行ってくる相手は総じて承認欲求が強い人。
「私を認めてよー」という魂の叫びを持っている。ハラスメントをする側は心の傷を深く負っている。
堀澤さんは歌で世界平和を志している。堀澤先生に影響を受けた。

枕言葉で、「確かにそうですね」「確かに一理ありますね」とクッション言葉を置くことで相手の言葉を一旦受け止めてみる。

怖い相手ほど相手の見方を変える
相手を見れなくなってしまう人が多いので、相手の左目の黒目の中の光に言葉を届けるように言葉を届ける。すると怖さがなくなる。
左目は心の潜在意識につながっているので相手の表情、言葉が和らいでいく。「人と話す時は眉間や鼻を意識して」は嘘。
右目は左脳、理性に繋がるのでそわそわしてしまう。

人のいい所は出来るだけ見ていたい。
人間、いい面と悪い面がある。人間の中に宿っている希望を見てみる。
言われた時に言い返せる、受ける技術が教育の中で必要なのかもしれない。

1日修得体験ボイストレーニング
1日7時間の話す声レッスンを45分3,000円で体験して頂けるレッスンを開催しています。

【最後に一言】
人間社会は時に優しく、時に残酷。優しさプラスしたたかさを持つ。
対抗するスキルも持っておいて欲しい。
優しさ、平和な気持ちを見失わないためにもスキルを身につけておくことが大事。

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