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日本人アクセント英語へのすゝめ

ぼくは日本人アクセントを消すために努力してきた(している)。そんなぼくだから、日本人が話しがちな英語アクセントを解説できると思ったぞ!

こんなこと書く

日本語話者アクセント英語の特徴
日本語話者アクセント英語をやめるにはどうしたらいいのか?

日本語話者アクセントの一般的特徴

書き始めの前に記号の意味を示しておく。

  • / / の記号は音 [1] を示す。

  • 記号は音節の区切りを示す。

端的に言おう。日本語話者アクセントの特徴は3つにまとめられる。

  • アクセントを付けない発音(flat発音)

  • 音節に「あえて」母音を過剰に入れる。特に最終音節。

  • lをrに置換する

たとえば”flat”という単語を例に挙げてみよう [2]。この単語は上の3要素をすべて満たしてる。
UK/USアクセントでは第2音節の “la” にアクセントがある。つまり気持ち / f-laaaa-t / みたいな発音になる。
これを日本人アクセントにすると / fu-ra-to / になる。上の特徴に当てはめると、下のようになる。

  • アクセントを付けない発音(flat発音)→ アクセント付きの / laaaa / になるべきところが、アクセントなし / ra / になる。

  • 音節に過剰に「あえて」母音を入れる。特に最終音節 → / f / と / t / の後に似た音の母音を挿入する。

  • lをrに置換する → / laaaa / になるべきところが / ra / になる。

以上、1単語だけで説明してみた。
せっかくなので、会話としてすげー過剰に表現したコメディも見てもらいたい。
https://www.youtube.com/watch?v=sLK7DP8-B-I

ジョークと芸能での日本語話者アクセント

日本語話者アクセントは良く知られた「英語アクセント」である。アクセントは頻繁にスタンド・アップコメディのネタにされる。
ジョーク的な文脈で「ステレオタイプ」日本人を演じたければ、こうすればいい。

  • Kawaii日本人 →高めの声ピッチで、単語をすべて一つずつ区切って発音する。

    • いわゆる「カワイイジャパン」的な文脈のステレオタイプ。

  • Yakuza・Soldier・Samurai日本人 → 腹から出すような低い声でゆっくりと発音する。

    • いわゆる海外映画のヤクザ日本人、戦争映画・ゲームの日本人兵士、侍が話す英語アクセント。だいたい三船敏郎。 → 参考 https://www.youtube.com/watch?v=j7O-SUEh-54 [3]

    • 最近の作品では Bullet TrainでAndrew Kojiと真田広之がこのアクセントを使っていた → 参考 https://youtu.be/OaIURCAdWaQ

この2つの日本語話者アクセントはこのスタンド・アップコメディから学んだ。このコメディを見てから、ぼくも同じジョークをするようになった。どこに行ってもウケがいい。つまり、国際的に「日本人ってこんな感じだよね!」という偏見をよく表してると言える。
https://youtu.be/el84efC10oE?t=198

サブカル文化の日本語話者アクセント

日本人アクセントの話は、ネットでもネットミームとして親しまれている、特にサブカル文脈で。
ネットミーム文脈では Japangrish [4] と呼ばれている。たとえば “za warudo” (ザ・ワールド) や “waifu” (ワイフ) あたりがよく知られている。

では日本語話者アクセントから抜け出すには?

とても簡単である。先に挙げた3つを「やらない」と実践すればいい。先の3条件を逆条件で書き換えてみよう。

  1. アクセントを強調する。

  2. 子音だけで発音する。

  3. lは絶対にrにしない。

この3条件をクリアできれば、まずは日本語話者アクセントから脱却できる。あとはリンキングをマスターすればかなり上級者だ。

日本語話者アクセントは悪いのか?

そもそも日本語話者アクセントは悪いのだろうか?
ぼく個人としては「悪いとは絶対に言わない。ただ、ぼくは嫌い。」というのが感想になる。

そもそも英語が世界的に通用する言語、と認識されている前提があるとしよう(たぶん多くの人は同意するだろう)。異なる母語をベースに、英語を話しているのだから、英語の発音が母語の影響を受けるのは「極めて普通」である。特定のアクセントを否定するのは、その言語自体を否定するのにも等しい。それは差別だ。特に言語学出身のぼくとしては、絶対に認められない。

日本語話者アクセントは聞き取りやすいアクセントだと、そう聞いたことがある。もし、この話が本当なら国際コミュニケーションの中では何ら悪いことはないだろう。

ただし、ぼくの美学として「Nativeっぽく話した方が美しい」という考え方がある。なので、ぼく個人としてはこれからの美しい喋り方を追求していく - それは単なるぼくの趣味と趣向にすぎない。



[1] 音価とも呼ばれる。厳密にはIPA記号を使うべきだが、そんなもの誰も読めんだろう。
[2] 厳密には発音記号は /flæt/ 。厳密には日本語の母音「あ」とは異なる音だが、現代英語ではほとんど問題にならないレベル。→ https://ja.wikipedia.org/wiki/非円唇前舌狭めの広母音
[3] 三船敏郎、マジかっこいいよね。。ということでぼくもときどき彼のアクセントを練習してる。
[4] あえて “l” を “r” に置き換えるのがポイント。

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