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中国系企業で働く経験

この記事のシリーズ
https://note.com/lovely_broom780/n/n2c8f8ab85a14

ぼくは中国系企業で働いてる。具体的な名前は言及しないが、世界的にシェアを持ってて、ドイツ国内にもオフィスをたくさん持ってる中国系企業・・・といえば、だいたい絞りこめるだろう。

はっきり言って、ぼくと同じような経験をしてる人はいないと思う。つまり、ヨーロッパまで来ておきつつ、中国系企業で働くという謎選択。要するに珍しいケースだと言いたい。そんな珍しい謎選択をしたぼくの感想を書き残しておく。

ドイツ世間の評価は悪い または 良くない

ドイツ国内で、中国系企業のイメージは良くない・または悪い。これは、ぼくの見聞きした経験から。

例えば、ぼくの仕事経歴を知ってる人はこう言った「あなたみたいな人がわざわざ中国企業で働くことないのに。せっかくの技術が中国に渡るんでしょ?」。ぼくの技量に対する褒め言葉なんだけど、中国企業へのイメージが良く出ている。

他にも別の博士学生友人はこう言ってた。「中国系企業から研究資金のオファーをもらったんだけど、受けようか迷ってる。経歴的に良くないんだよね」と言っていた。最終的に、彼はマリーキュリー財団から資金提供を受けた。マリーキュリー財団からの資金は中国系企業の援助よりは少なかったようだが、それでも彼はマリーキュリー財団を選んだ。マリーキュリー財団のネームヴァリューは大きい。

さらに会社の人事もこう言ってた。「この会社はドイツ国内で一般的な評価は良くない。面接時にコンプライアンスを確実に守った行動をするように」。ちなみに、この発言は「技術者のための面接教育」の場面で言っていた。

ドイツ人は社内で少数派

ぼくの所属する部署には100人ちかくの人が在籍している。そのうち、確実にドイツ人だとぼくが知っているのは7名しかいない。

「この人、ドイツ人かなぁ」と名前で推定すると、あと+5人。 さらに、現代ドイツは他民族国家で、もはや名前と外見では判別できない。経験的にそういうドイツ国籍者は+5人程度はいるだろう。

いずれにせよ、ドイツ人っぽい人割合は20%以下でしかない。

おそらく原因は前の「世間評価が悪い」というところに起因しているのだろう、とぼくは分析している。つまり、労働者からすると、あえて中国企業を選ぶ必要がない、むしろ悪化要因と考えているのだろう。

じゃあ、誰が働くのか?

ぼくの感想的に多い順に書き出していく。

まず、中国人。中国企業だから当たり前だ。中国人以外は、他の東南アジア人を見たことがない。

そして、イタリア人。ミュンヘンはイタリア人コミュニティがでかいことで有名。

さらに、東欧ヨーロッパ人。ポーランド、ハンガリー、クロアチアあたりが該当する。

続いて、非ヨーロッパ人。つまり、ヨーロッパ市民権を持ってない人。インド人と湾岸中東系、ラテンアメリカが多い。ぼくもここに該当する。

ドイツで働く受け皿かな?

ドイツ人比率はかなり低め。そのため、公用語は英語になってる。メッセージの表記は中国語・英語・ドイツ語の順番で表記されてるけど。英語さえわかっておけば、労働はできるので、ドイツ語をまったく話せない人も多い。

労働環境を考えると、ぼくが思うに、この会社はドイツに住みたい外国人の受け皿として機能してると感じる。

おそらく労働者はこう思うのだろう:ドイツはヨーロッパにおける経済大国だ。給与もいい。それなら、ドイツに住みたいものだ。でも、ドイツ企業は難しいだろう。ドイツ語を話せないし、ドイツ文化のこともわからん。それなら中国企業でもいいんじゃないか?給与もドイツ水準で十分以上だし。

会社側もこう思っているのだろう:優秀な技術者を欲しい。でも、ドイツ人に声をかけても効率的ではないだろう。だって、世間評価が悪いから。だったら、外国人労働者に注力しよう。給与もドイツ企業より少し多めに設定しておこう。

労働者も会社側もお互いの需要が一致しているんじゃないかと思う。

一応、断っておくと人種で差別する意図はまったくない。少なくとも技術者として、個々の人間の能力は高い、とぼくは感じている。

お前のケースはどうやねん?

ぼくのケースは国籍別とは少し違う。そもそもぼくの博士課程の資金がこの会社から出てる。厳密に言うと違うけど、元をたどればこの会社になる。

会社はぼくの博士課程の研究内容を「実務に使いたい」ということで、彼らは短期契約の話をぼくに持ち掛けてきたというわけだ。

総合的にどう?

ぼくはこの会社での経験にとても満足している。そもそも、時間と金さえもらえればそれで満足だったからだ。

加えてこの会社での経験は、ぼくの人生経験・仕事経験の上でも良い学びになった。

例えば・・・言語コミュニケーション、特に発音、についての興味。中国系な組織構造への興味。などなど。

こうした満足できたことを、記事に書き出していくつもり。

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