分からないという回答は、時に残酷でもある
転移性脳腫瘍について調べていると
T大病院 脳腫瘍外科のサイトには
「原発巣の治療がうまくいって、脳転移の個数が1個の場合の生存期間中央値は10-16カ月です」
とあったり。
他の病院では
「原発巣のコントロールにより生存率は改善されつつありますが、5年生存率12%というのが現状です」
とあったり。
「乳がん、肺がんの患者さんでも、(脳腫瘍を治療して)10年以上元気に過ごしている方もいる」
とあったり。
生存期間なんて、人それぞれだろうし、
癌の種類によっても、違うだろうから、
一概にこう、とは、断言出来ないんだろうけど。
自分がどれに当てはまるのか、知りたい。
知りたい。
知りたい。
癌になって「分からない」ことばっかりで。
正直「分からない」ということが、辛い。
モヤモヤしたものを抱えて過ごすのは、地味にストレス…。
医師は、患者に「分からない」と言うけれど。
きっと、それは、本当に分からないから、分からないと答えてるんだと思うけれど。
(勿論、迂闊に答えて、訴えられると面倒ってこともあるかもだけど)
医師の「分からない」という言葉は、患者には、結構、ズシンとくる。
医師に「分からない」と言われるたびに、扉がパタンと閉まる。
(まぁ、私は、医師に否定されると、より一層、バタンバタンと、心の扉を閉じるけれど 笑)
かと言って、分からないのに、適当に答えられても。
「え…。本当に??」と懐疑心でいっぱいになるだろうから。
本当に分からないときは、「分からない」と答えるのが正しいのだろう。
でも。
専門医に「分からない」と言われると。
まるで、大海原に、浮き輪一つで放り出されたような。
真っ暗な宇宙を、ロープ一本で漂ってるような。
そんな感覚になる。
「蜘蛛の糸」の先は、「生」という希望に繋がっていたかもしれないが。
浮き輪やロープは、いつかは確実に、空気が抜けたり、切れるものであり。
決して、希望ではない。
見放された気持ちになる。
その分野を専門とする人が分からないんじゃ、素人はどうしようもない。
「専門家なら全て分かるべし」
とまでは思わないけれど。
一般人の「分からない」と、
専門の人が、そして、医師みたいに生死に関わる人が発する「分からない」は、
重みが全然違う。
というか、仕事のことで「分からない」と発しても許されるのは、医師くらいなんじゃないかなぁ。
一般の専門職で、医師みたいに「分からない」を頻発して、まかり通ることは、まずないのでは?
医師の発する言葉は、時として、
患者の心を殺したり。
医療全てに不信感を抱かせたりと。
強大な威力がある。
患者側も、医師の心をズタズタにすることもあるから、お互い様だし。
患者側は、一対一 だけど。
医師側は、一対多数 なので。
患者側の方が、相当タチが悪いけれど 笑
医師の発言は、なかなか破壊力抜群だったりする。
とはいえ、無言で診察するわけにはいかないし。
現実を無視した、耳障りのいい言葉だけ、適当に放ってやり過ごすワケにはいかないし。
診察って、難しい。
お医者さんは、大変だぁ。
医師の言葉に、一喜一憂しないこと。
医師の言葉に、勝手に傷ついたりしないこと。
感情は持たないこと。
ただ、事実だけを受け止めること。
否定されても。
仮に、見放されたと感じたとしても。
どんな時も、感情を抱かず。
無の心で、ただ事実だけを受け入れればいい。
病気に、精神修行もさせてもらえて、ラッキー。
と、思えば。
また、違う角度から、病気を楽しめる。
とはいえ。
ゴールが明確にならないと。
いつまで続くか分からない状況は、なかなかしんどいものがある。
だから。
いつまで生きられるか、教えて欲しいなぁ。
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