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【詩】トン、タタ、タ

トン、タタ、タ

カサカサした夜の肌をたたき
かすかな隙間から差し込んで
ゆっくりとひろがっていく
誰の計らいのない響きを
あたまがどんどん含んでいく

トン、タタ、タ、タン
トン、タタ、タ、タタタ
タタタ、タ、トン、タン、タタ

それは それは 大きな水のなかで
じゃぶ じゃぶ 胸のまんなかを洗っている
わたしの色がついた水は重力に従って
地球に「こっちだよ」と呼ばれるように

足のうらから 
じっと地面にしみこんでいく

すると 足の裏からこまかな根が生えて
そこから深い 深い
エネルギーを吸い込んでいるような
なんてふしぎな一体感

なんだか不動
誰もいないのに 背中があたたかい

トン、トンタタ、トツトツト
タタタ、タタ、タ

かたくなった世界が
じっくり、ほぐれていく


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