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詩集

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目次 あなたはやわらかい/もの申す石/トン、タタ、タ/機微/まばたき
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2024年7月の記事一覧

【詩】まばたき

名乗らずに姿をあらわし 暗澹と消えていく得体のしれない思惑を 漂白する光の中に痛みを知る 乾いた瞳から鱗のように剥がれた皮膜を つまみあげて指の腹で触れ溶かすとき なまあたたかな声が聞こえる

【詩】機微

目の奥にある、君が捉えた――あるいはようやくたどり着いた、繊細な僕の面影、きらびやかな光のトパーズがこぼれ、その透きとおった心が無防備になる 本当ならば日差しのような澄んだ言葉を投げかけたいと願うけれど、僕の言葉はあまりにも粗忽に、やわらかいその場所を揺する 汗をかいたアイスコーヒーに向かって、まつ毛を落とす君の視線を、ただじっと見つめながら――そのストローの穴が、このささやかな誤解を、誰も傷つけずに、ただ細く、長く、吸い込んでくれやしないかなあと、飲み終えたカップの白い

【詩】トン、タタ、タ

トン、タタ、タ カサカサした夜の肌をたたき かすかな隙間から差し込んで ゆっくりとひろがっていく 誰の計らいのない響きを あたまがどんどん含んでいく トン、タタ、タ、タン トン、タタ、タ、タタタ タタタ、タ、トン、タン、タタ それは それは 大きな水のなかで じゃぶ じゃぶ 胸のまんなかを洗っている わたしの色がついた水は重力に従って 地球に「こっちだよ」と呼ばれるように 足のうらから  じっと地面にしみこんでいく すると 足の裏からこまかな根が生えて そこから深い