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WINGシナリオ最高傑作!?冬優子WINGを語りたい【シャニマス感想】

シャニマスの過去シナリオを後追いして、その魅力を再発見するのがこのシリーズ、『ワンダリング・シナリオ・チェイサー』。

今回取り上げるシナリオはコチラ!


『黛冬優子WING』!

街でスカウトを受けた冬優子は、アイドル活動を始める。
清楚でかわいらしい彼女の活動は順風満帆に思えたが、ある日の仕事で挫折を経験する。そこには彼女の隠された本性が関係していて……?

というあらすじでございます。

冬優子WINGが最高傑作のワケは
「どでかいカタルシス」


いきなりではございますが、
私、WINGシナリオの中では冬優子WINGが最高傑作だと考えております。

理由はシンプルで、カタルシスが大きいから

「物語の面白さって何だろう?」と考えたときに、色々あるとは思いますが、1つには、

挫折に直面した主人公が葛藤を乗り越え成長したときの
「やったーーー!!!!!」という喜び

ではないでしょうか。

この喜びを、カタルシスと呼びます。

このカタルシスが大きいと物語は面白く感じるわけです。

この点を踏まえて、冬優子WINGを考えてみましょう。

冬優子WINGも、挫折を乗り越え成長するというお話です。
しかも、その挫折と成長が、非常に大きいので、カタルシスもどでかい。

シナリオを読んだ我々は「オモシレーーー!!!!」と感じるわけです。


それでは彼女の挫折と成長を振り返っていきましょう。


■アイドル「ふゆ」の全否定


ある日の撮影で、とあるやり手カメラマンに「君の笑顔は本物じゃない」と言われた冬優子。

コレが彼女にとっての挫折です。

みなさんもご存じの通り、冬優子は「本当の自分じゃ誰にも好きになってもらえない」という考えから、清楚でおしとやかな可愛らしい性格の「ふゆ」という仮面を被って人間関係を築いています。

そんな彼女にとって、「笑顔が本物じゃ無い」という言葉は図星であり、ぶっ刺さったことでしょう。自分対する強い否定の言葉として受け取ったはずです。


■冬優子に欠けていたアイドル活動への誠実さ



カメラマンからの否定の言葉に激しく動揺した冬優子は、シャニPの前で素を晒して悪態をつきます。そして、そのまま音信不通に……。


このぶち切れ⇒バックレムーブから、冬優子に欠けていた部分が浮き彫りになります。

彼女に欠けていた部分、それは、
「アイドル活動に対しての誠実さ」 です。

自分の本性を隠そうとしても隠せるもんじゃない。本性がバレた以上、バックレて逃げれば良いと言っていた彼女。

「アイドルなんてちやほやされるためだけのものって思ってた」とも言っていた彼女。

そういった真剣さに欠ける姿勢でアイドルをやっていたわけですから、誠実さが足りていないと言われてもしょうがないと思います。

これは私の想像ですけれども、
件のカメラマンのダメ出しって、冬優子の不誠実さを感じとって出てきた発言じゃないかと思うんですよ。

上記のような不誠実な姿勢でアイドル活動をしていた冬優子ですから、カメラマンから繰り返されるリテイクに対して、やけくそになって応じてたりしたかもしれない。「かったるいわね!」みたいな感じでね。

そのやけくそな感じから、カメラマンは彼女の不誠実な姿勢を感じ取っていたのかもしれません。

繰り返しますが、私の想像なので、聞き流してくれるとありがたいです笑

話を戻しますと、
この時点での冬優子にはアイドル活動への誠実さが欠けていたということです。

■「もう一度アイドルやりたい」=真摯になるという宣言

いっときは音信不通になったものの、再び事務所にやってきた冬優子。

そんな彼女から語られたのは、「もう一回アイドルやりたい」という再起を願う言葉でした。

今までは、中途半端な気持ちでアイドルをやっていて、自分の思い通りにならなくなったからバックれようとした彼女。

ですが、今までの活動を思い返してみると、「ちやほやされるため」なんて俗な喜びとは違う、もっと深い充実感があったことに気がついたんですよ。

活動していくごとに自分が成長を実感できて、仕事も応じて応じて少しずつ大きくなっていて……。

この充実感が楽しくて、嬉しかった。
この充実感こそ、コミュタイトル『諦めたくないものはひとつだけ』の諦めたくないものです。

諦めたくないものがあるから、一度投げ出しかけたけど、もう一度やり直したい。

今までの不誠実な姿勢を省みた結果出てきた、
「もう一度アイドルやりたい」という言葉は、アイドル活動に真摯になってやり直すという宣言です。

こうして彼女は、再びアイドルとして歩み始めました。


■リベンジマッチで訪れる最大のカタルシス

ある日の撮影。カメラマンを担当するのは件のカメラマン。

彼女にリベンジのチャンスが訪れます。

前回の撮影では、「君の笑顔は本物じゃない」と言われた冬優子ですが、今回は堂々と撮影に臨む。

「本気で誠実につくりあげた『ふゆ』は偽物なんかじゃなくて本物だ」というのが成長した彼女からのアンサーです。

完全掌握


バッチリ撮影をこなし、見事因縁のカメラマンから高評価をゲット!!

リベンジ達成じゃい!!!

シャニpのガッツポーズとともに我々も「よっしゃあああ!!!!」と大喜びですよ。

よかったよかったと思ってると、楽屋に帰った冬優子も「目にものを見せてやったわ!」と高笑いして大喜び。

冬優子が嬉しそうで俺も嬉しいよ……!

そして、シャニpから「楽しそうだな」と言われてから、最高の笑顔でこの一言。
「うん、メチャクチャ楽しい!」

私は完全にここでオトされました。

「ざまあみなさい!!」と言わんばかりの高笑いと、充実感に満ちた最高の笑顔にやられて、冬優子担当になった人は多いと思いますね。


ということで、冬優子の挫折と成長を振り返ってみました。

「ふゆ」を否定され、アイドルからバックれるという最大級の挫折から、リベンジ達成し高笑いするまでを描いた冬優子WINGは、非常にドデカいカタルシスが得られるシナリオです。

よって、冬優子WINGはWINGシナリオ最高傑作なのです。


シャニP屈指の名ゼリフ「おかえり」


冬優子WINGの話をするからには、帰ってきた冬優子にシャニPがかけた言葉、「おかえり」の話をしないわけにはいかないでしょう。

この「おかえり」という台詞はシャニP屈指の名ゼリフだと私は思っております。

ムチャクチャになって逃げてしまったが、勇気を出して戻ってきた冬優子にかける言葉として、これ以上のものはないでしょう。

「おかえり」という言葉には、あなたの居場所はここだという含みがあります。

一度逃げたのに帰ってきた冬優子は、ばつが悪い気持ちを抱えていたことでしょう。

そこに「おかえり」というこの上なく優しい言葉をかけられたことで彼女は、感情のダムが決壊してぼろぼろ泣き出してしまいます。

自分の隠していた性格を見ても、誠実に向き合ってくれたシャニPに対して悪態をついてしまったことを後悔する冬優子。

私は完全にここでオトされました(2回目)。

オロオロするシャニPもかわいい


ということで、WINGシナリオ個人的最高傑作である冬優子WINGを振り返りました。
みなさんも冬優子WINGぜひ見返してみてください。

↓前回のワンダリング・シナリオ・チェイサーもぜひご覧ください。

↓次の回