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Ubieの法務とPublic Affairs

「テクノロジーで人々を適切な医療に案内する」をミッションに、医療プラットフォームを提供しているUbie株式会社のkamechanです。

この記事は #Ubieアドベントカレンダー 7日目にエントリーしています。


イントロ

こんにちは!Ubieで法務をやっているkamechanと申します。
以前にこちらの記事を書き、ちょこちょこご連絡をいただけたりしました、読んでくれた皆さまありがとうございました!また、noteに書くって大事だなと思ったところでした

さて、その後書きたいネタがありつつも忙しさにかまけてそのままになっちゃってましたが、今回は弊社のPublic Affairsチームのお話をしたいなと思って筆を取りました。
なんでPublic Affairsの話なの?法務の人なら法務の話すべきじゃないの?と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
この点、当社はベンチャー企業で事業規模にもかかわらずPublic Affairsの専門チームを置くほどPublic Affairsを重要視しており、取り組みも行っております。法務とPublic Affairsとで協働することも多く、当社の特徴でもあるなと思うので何らか参考になればと思って今回はこのテーマで書くことにしました。当社のPublic Affairsの面白みや法務とのつながりが伝われば幸いです。

こういう人に読んでほしい

  • Public Affairsに興味がある法務部門の方々

  • Public Affairsをやらないとと思ってるけど具体的に何をしたらいいか分からないという方

インタビュー

このインタビューは私(法務・kamechan)が、PAのメンバーに質疑をする形で行っております。

当社の状況

Q:まず、当社のPAの状況を教えてもらってもいい?
A:うちの会社はベンチャーなのに法務とPAとそれぞれのロールを置いているという点で珍しい会社だよね。PAって比較的新しい部門でこれが典型的という形はまだないと思ってる。会社によっては法務の人が兼任することもあるし、うちみたいに独立した部門を持ってるところもあると思うけど、うちは独立した部門としてPAを置いているね。

具体的な役割分担としては

  • 法務:一般的な法務イシュー対応全般

  • PA:いわゆる政策渉外

ということで分担していて、PAは官公庁とか地方公共団体とのコミュニケーションをしたり、業界団体への参加など、やはり外向けの活動が多いかな。この辺の具体的な話は過去の記事を見てもらうとイメージわきやすいかも

Q:Ubieって言うてもまだ二百数十名規模のスタートアップ企業だけど、あえてPAという機能を独立して持ってるのは理由あるの?
A:それには明確な理由があるね。過去の経緯もあるけど、Ubieはヘルステック企業というのが前提としてある。医療業界はそもそも規制産業で様々な規則があるので、テクノロジーで新しいことをやろうとするとどうしても規制のことを考えざるを得ない場面がしばしば出てくる。ここにハレーションが生まれやすい。こういうときにPAの価値が発揮されるよね。また、医療業界は慣習的にいろいろな当事者がいる。厚労省のような規制当局もあるし、他にも医師会や医療機関、世の中一般の患者さんももちろん関係者になりうる。こういう当事者や世の中のみんなが納得できるような世論形成をしていく必要があるのだけど、この手の仕事っていわゆる法務とはまた別の仕事だと思う。特にルールメイキングをするときなんかは特にPAのようなロールが大事になってくるね。

UbieのPA

Q:今の話だけでも意義のある仕事だしすごい仕事だなって思えてくるね。その中でズバリ聞くけどPAのやりがいや面白みってなんだろ?
A:まず、一般的な政策渉外の仕事としては、既に規制を受けている人たちがスムーズに許認可をとりに行くみたいな感じで、これ自体は昔から会社によっては機能としてあったと思う。これに加えて近年PAとしてクローズアップされてるのは、規制当局も含めた様々なステークホルダーにプロアクティブにアクションをすることが挙げられる。これは面白いし一つのやりがいだと思う。Ubieでは、特に許認可の対象なわけではないので、後者の動きがメインになってくるね。
元々前職でもいわゆるルールメイキングはしていたんだけど(注:UbieのPAメンバーは前職が官公庁勤務)、そのときとは明確に違う点があって。規制側の立場だと、制度を作ってもどうしても市場のことは事業者に頑張ってもらうという感じになってしまって、自分の携わったルールメイクが消費者に届くのが遠いというのが実感だった。
この点、Ubieはプロダクトをもってるところが違うし、おもしろいところだと思ってる。ヘルスケア業界は規制的にはチャレンジングな領域だけど、他方で新しいテクノロジーを使って世の中をより良くすることができる業界だと思ってる。
自分たちのやったことを消費者に直接インパクトを与えられるのはUbieでPAをやっていて面白い点だね。X(Twitter)でもいい反応もらえたり。自分たちの活動を通じて社会的にもいいようになるし事業もよくなるというのができるというのがUbieのPAの面白みだと思う。

Q:なるほどね。逆に官公庁からベンチャー企業であるUbieのPAに異動したときに一番違ったところ・びっくりしたところは何だろ?
A:全部がギャップだったw。良くも悪くも役所は官僚型組織だし、やるべきことは上から降ってくるんだよね。一方で、これはUbieに限らずかもしれないけど、PAはまだまだ世の中的にも新しい手段で正解というか決まったプラクティスがない分野。ベンチャーだと何やってもいいという感じなので、そこは戸惑いはあったよね。
ただ、この辺は自分たちの手触り感をもってやれるからいい点だなとも思ってる。

Q:それを踏まえて、どういう人がPAに向いてる?特にUbieのPAという切り口だとどう?
A:まず、過去の経験として、どういうキャリアを歩んできた過程でPAをしているかはあるよね。それぞれのキャリアがあると思うけど過去の経験によってそれぞれの強みや人脈、考え方とかいろいろあるから、それによってPAのやり方は色々出てくると思う。
PAも役割分担があって、営業っぽい感じで対外的な渉外をやることもあれば、もうちょっと運営とか情報収集とか安定的なやつをやることもある。チーム編成として必要な役割をできるというのは当然必要。元役人だと、どこかにはまる人は多いと思うし、情報収集とか調整の能力は活きてくるところはある。そういう点ではどんなキャリアであってもそれぞれの強みに応じて活躍の場はあると思う。
ただ、ことUbieのPAという意味では、ベンチャーにあうかどうかという点でスタンスはすごい大事。どんな職種にも言えるけどベンチャーだと慈善事業をやる余裕はないので、やっていることが事業に貢献できてないといけないし、何でやってるんだっけ?ということは常に問われてると思う。そこはPAも同じで、PAだからやってる活動が直接売上げに跳ねるわけではないけど、どこを押せば会社の利益や事業の貢献になるかは常に考えてる。もちろん、Ubieのサービスが普及していくことが社会にとって超良いことだと信じているからこそ、事業と社会貢献のちょうどクロスするところを考えられるということだけどね。

法務とPA

Q:それは法務も同じかも。結局、事業に資するかどうかが全てでそれベースで動けるかで大分変わってくる。今の話にくっつけて、法務とPAのお仕事との共通点・相違点は何がある?
A:まず共通するところは、ルールを適切に守れるかというのをみている点。これは法律にかかわっている以上ベースとしてあると思う。逆に相違点は、あくまでイメージだけど、PAはルールメイクというのが全面に出てると思う。公的なステークホルダーだったり業界団体だったり、社会の中で新しくルールを作っていこうという人とやりとりして、コミュニケーションして、どうやって会社や社会に装着するかというのを考えていることが多いかな。法務はどちらかというとその後に今あるルールをどう遵守するかに重きが置かれていると思う。
あと、PAではそこまで体系立てられてたり書籍やプラクティスが明らかになってないことも多い。新しいトピックも多くて、コンメンタールとかないから役所にきいたりすることも多いかな。

Q:法務からPAのキャリアってどう思う?
A:PAのキャリアっていろいろあるし、キャリアとしてはめちゃめちゃありだと思う。そもそも法律をちゃんと読めないと政策検討するハードルはあるし、法務の経験が生きるところはたくさんある。役所出身だと自分の経験領域以外分からないこともあるからそこは法務出身だとアドバンテージになるかも。実際に、他社では法務だけどロビイングに時間を割いている人もいるみたいだしね。そこは融通できるところはあると思う。

Q:法務とPAの協働体制ってどんな役割分担が理想的だろう?
A:セットでできるとよいよね。PAは制度的な調査・解釈がメインになることが多いと思う。PAとしては新しくルール作るときにどう作った方がいいかはリーガルと壁打ちしながらできるとよいとは思う。リーガルの方が詳しいこともあるしね。情報をキャッチするのはPA、解釈や装着はリーガルという感じかなー。逆にPAとしてはルールを動かしたいところを法務から声を上げてもらうと観点もらえて動かしに行けるからいいかなとは思う!

PAの今後

Q:UbieのPAとしては今後どういうことが求められてくる?
A:いろいろ話したけど、「テクノロジーで人々を適切な医療に案内する」というUbieのミッションは変わらない。医療においてデジタル化の方向は進んでいるし、それに向けて自分たちも動いている。その中でレバレッジできるところを見極めて動かすのが大事だと思う。医療業界は健康・命を守るのが使命だからそれを促進できればいいよね。医療に関わる色々なステークホルダーと相互理解、価値貢献しながら社会をよくするというような動き方が求められると思う。

最後に

ここまで読んでくれてありがとうございました!法務とPAという切り口からUbieのPAについて紹介させていただきました。ここまで文章を読んでもらって興味を持ってもらえたら幸いですし、もし興味があればUbieで一緒に働けたらと思います。
ここまで読んでもらえたらわかると思いますが、法務とPAは一緒にお仕事することは多いです。法務で入ってもらってもPAっぽい動きもいくらでもできるので、興味に応じて価値発揮してもらえればとおもいます。
政策渉外という分野であれば、当社のようなヘルスケア領域のように規制産業の方がより活躍できる部分も多いと思います。このnoteを通じて、当社のPublic Affairsの面白みやPAと一緒にやっていける法務というのをうまく伝わったのであれば望外の喜びです!

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