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認知症は治ると信じること



毎日、要介護状態の利用者さんと暮らしていると
認知症があったり、体が不自由な状態であることは
「普通」のことだし、特別に意識することは少ない

介護に関わるチームメンバーは皆そう思っているので
時々、関わりの少ない家族が登場して、その発言を聞いたりすると
認識の違いに驚いてしまう

先日、ある利用者さんの息子さんから
お願いしたいこととして、認知症を改善するための生活習慣に関わる要望を伝えられた

内容は一般的だけれど明らかに民間療法なので、返事は保留にし
対応することはできるけれど、主治医の許可を得てくださいねとお伝えした

長年会っていなかった親の様子に愕然としたのか、失望したのか
何かしないといけないと思ってネットで勉強したのかもしれない
そんな気持ちだけは汲んであげられたらと思った

主治医からは「根拠ないから、しない方が良いって伝えたから」と連絡が来た

確かに、それが事実

けれど、民間療法でもすがろうとする気持ちは
全否定できないところもある

「母は、そんな人ではありません」と親の認知症を受け入れない家族もいる
そういう人は決まって直接的な介護はしていないし、介護しない

「プロなんだから、介護できるでしょ」というのもこういう家族である

言葉が示す事実と現実の違いに、違和感を拭い得ない


認知症は治る

いつか本当にそんな時は来ると思う
けれど今はまだ、たくさんの人がいろいろな方法で認知症と向き合っている
信じることは大切だけれど
今の、この現実をしっかりと見つめていきたい

事実と現実、そして真実は違う

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