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家事力の意味



最近担当した人たちが、立て続けに男性ばかり4人が続いている

40〜50年前のイケメン相手に奮闘する毎日であるが

なぜこんなに男性ばかりが続くのか?と不思議に思い始めた


彼らに共通することを挙げてみると


1、軽度重度に関わらず要介護状態であるということ

2、いずれも名の通った企業の一線で働いてきた人達であること

3、死別離別はあるけれど、みな独居で子供達に介護されている

4、家事ができない男性であること


ここまでくると、偏りを通り越して分類マップを見ているようだ



介護や福祉の現場では、個別性を重要視する

人は誰でも世界に一人しかいない特別な存在で

一見、共通して見える問題も、

個別に捉えなければならないという原則、原点ではあるのだが‥‥




家事力が、在宅で自分らしく生きるための絶対条件になるという事は

間違いない事実だろうと思う


周囲には、料理や掃除、買い物に困らない男性が多いため

これから数十年後の介護は変わると思うが

少なくとも今の要介護高齢者にとって、

「生活力」は大きなキーワードである


自分でご飯が作れる、確保できるというだけで

在宅期間がうんと伸びる


介護サービスを使いたい、あるいは施設サービスを利用したいと

願う家族の多くは

「長年続く食事や家事のお世話に、ほとほと疲れてきた」

状態である


改めて男女差を述べる必要はないけれど

「食事さえ、なんとかなったら、家で暮らすことはできる」

ように見える


「ご飯を食べていないんです」

「一人だとお酒しか飲まないみたいで」

「配食弁当だと食べないので作っていたんですが、もう限界です」等

食事は限界点のきっかけになりやすい


今更、ごはんを自分で作れというのも酷な話である

この人を作ってきたのは、紛れもなく女たち

男性に台所へ入らせずに

何も教えてこなかった

結果、自分の望む暮らしが、途中で中断されることもある



よく先輩から

「夫を愛しているなら、家事をさせなさい」と言われた

お料理も家事も、自分がしたかったからやってきたけれど

自分がいないと生きていけない人を作るのは

真の愛情ではない


先に自分がいなくなっても

ちゃんと自分で、立って生きていけるようにすること



夫にも、子どもにも、これが鉄則

真の愛情表現

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