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Best Of Dark Horse 1976-1989

「どうせまた会えるっしょ!」
と思って買わなかった物が、その後全然出会えない…
モノを集めいてる方ならきっと一度や二度や三度や四度は経験されてるのではないかと思いますが、
私がレコードを再び聴くようになってすぐ、その運命の分かれ道がありました。

*

場所は、池袋。
仲良くしていた作家さんのハシビロコウグッズ販売があるという事で遥々訪れました。
そして、せっかく電車賃使って遠くまで来たのだからと
ふらり寄った駅前のレコード屋さん。
その時は運良くビートルズ関連のものも沢山出ていて、レコードが詰まった箱の中を楽しく眺めていたのだけれど、ふと顔を上げると壁のディスプレイにいたのが、

アルバム「BEST OF DARK HORSE 1976-1989」


タイトルの通り、ジョージがダークホース・レーベルを立ち上げてからのベストアルバム。

ベストアルバムとしては、魂震えるジョンのそれや、
メロディアスな曲満載なポールのそれと比較してしまうと非常に地味に感じてしまうかも知れないけれど
私は「ジョージらしさ」がみっしり詰まったこのアルバムが大好きで、多分ジョージのアルバムの中で一番聴いている作品。

*

私はビートルズのソロ作品に関して、当初CDで集めていまして。
ちょうどLPでビートルズのアルバムが一通り手に入った頃に、ビートルズの作品がCD化され、ソロ作品に関心を持ち始めた時には、既にCDこそ1番!な時代が到来。
まだこの頃はお小遣いとお年玉だけが資金源だったので、レコードとCD両方買うのは難しかった💦

そしてジョージのソロアルバムが続々とCD化されたのは、1991年のジョージの来日公演が決まってからなので、それ以前CDで聴けるジョージのソロアルバムは非常に少なく、私は当時「All Things Must Pass」と「Cloud Nine」しか持っていなかった。
そんな中発売されたのが、

盤に描かれた白いお馬さんがとても美しい✨

この「Best Of Dark Horse 1976-1989」。

当時まだCD化されていなかったジョージのダークホースレーベルの曲がギュッと詰まったベスト盤。

そしてベストアルバムというと、シングルヒット曲の寄せ集めをイメージするかもしれないけれど、さに在らず。
これは選曲をジョージ自ら行った、彼にとってのBESTな内容になっていているので、
ジョージの魅力がたっぷり詰まったベストアルバムになっていて、
しかもうち3曲が新曲ですよ奥さんッ!

という訳で、

誉めてるのかディスってるのか微妙な記事だけど、こういう書き方も正直で好き。

音楽雑誌の記事切り抜いちゃうくらい発売を楽しみにしていたアルバムで、
買ってからも何百回では足りないくらい繰り返し聴いた、今でも大大大好きなアルバム。



で、私はまずこのアルバムがレコードで出ていた事すら知らなかったので、
池袋で出会った時、レコードとして目の前にある事が驚きだったし、ものすごく大好きなアルバムなので、当然🤩🤩🤩っとなった訳ですが、価格が

12,000円。

US盤シールド(未開封)品なのもあって、結構なお値段。

当時予算は1,000~3,000円位でレコードを楽しんでいた私には、立ちくらみする様なお値段だったのと、
翌月にAbbey Road 50thの発売が控えていて、3CD&BluRay スペシャルBoxとアナログ盤3LP Box両方予約しちゃったのもあり、
そのレコードの前で30分位唸った末、最後結局諦めちゃったんです。
「またの機会に」と思って。

でもやっぱり帰ってからも心残りで、翌週また池袋行ったんですが既に売れてしまっていて。
それからレコード屋さんに行く度、オークションサイトを覗く度に探してたんですが、なかなか良い出会いの無い日々が続き

でもそんなこんなしている間に、このアルバムの中でも特に大好きな「Poor Little Girl」もシングルのレコードとして発売されていた事を知り、一気に火がつきまして🔥

このシングルの中でも一番欲しくて、そして一番最難関と言われていたUKな「Cheer Down / Poor Little Girl」が最初がに手に入ったのを皮切りに、

奥側12"は左UK、右ドイツ盤。
手前7"は左から、UK,US,ドイツ盤

シングル沼に突入(笑)

そして勿論その間も並行してアルバムも探し続けまして、

左からUS,EU盤

ようやくこちらもEU盤・US盤共に手にする事が出来たのですが、生き別れたUS盤と再会するのに3年ちょいの年月が必要でした。

以来、
「買わずに後悔より、買って後悔!」
という言葉に突き動かされるかの様な蒐集活動となっています。



何故そこまでこのアルバムに執着するのか…と言われれば、まず一番の要因、それは間違いなく1曲目の「Poor Little Girl」が好き過ぎる…というのに他なりません。

これは新曲としてこのアルバムの一曲目を飾るナンバーなのだけれど、
もう出だし1音目からジョージ!
そこから続く憂いを含んだスライドギターもジョージだし、
AメロからBメロへ移る際の転調とか、サビのバックで鳴っているアルペジオっぽく音を刻むギターの音とかetc...

アルバムののっけから、これでもかっ!ってくらいジョージ全開。
初めて聴いた時点でもうズキューンと胸に矢が刺さり、ハートを射抜かれてしまいした。

しかしこのアルバムの魅力は勿論それだけに留まりません。
ディミニッシュ全開なこの1曲目に続くのは「Blow Away」に「That's The Way It Goes」。
どちらも優しい空気の流れを感じる、気持ちが穏やかになれる曲。


激動のAppleソロ時代を経た後のダークホース時代の曲はジョージの心持ちを反映するかのような穏やかな曲が多い気がします。


でもそれだけで終わらないのがジョージ。
この頃の曲の全てが全て優しい訳では無く、きっちり所々ジョージらしくウィットに富んだ皮肉やユーモアが盛り込まれた作品があり、
しかもこの切り取られた「1976-1989」という10年強の決して長くはない括りの中ですら、確実に優しさやユーモアも味わい深くなっていて
それら楽曲の織り成すバランスの良いコントラストこそが、何よりこのアルバムの魅力であり、心地良さなのだなと、私は思います。




さてさて、今年もジョージのお誕生日がやって来ました。

昔は2月24日と言われてた気がするけれど、出生届が出されたのが2月25日なので今は25日が正式なのかな?
いずれにせよ、私にとってジョージを身近に感じる日である事には変わりません。

なので昨夜のちょうど日付が変わる頃、今年はこの大好きな「Best Of Dar Horse 1976-1989」をヘッドホンで聴いて、一人ひっそりと彼のお誕生日をお祝いしました。

選んだのは、思い出も執着もたっぷりなこのUS盤。
EU盤より私は好み。とても良い音がします。

今年のお誕生日は何を聴こうか…Live In Japanと迷ったんですが、今年はこの思い出たっぷりダークホースなベスト盤にしました。
ジョージのソロを聴き始めた頃の初々しい気持ちに再び出会える様な気がします。
私はやっぱりこのアルバム、大好きです。

そして、
81歳のお誕生日おめでとう、ジョージ。

今わたしが楽しく毎日を過ごせるのは、間違いなくあなたのおかげです。
ビートルズが好きで、そしてあなたの事が大好きな事が、色んな人との出会いに繋がっています。

本当にありがとう。
いつまでも、いつまでも大好きです。

イギリスから遥か離れた日本より、言葉では言い表せないくらい最大級の愛と感謝をこめて。

おしまい。

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