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Beatles UK盤EPの変遷を追ってみよう⑤(最終回)

UK盤EP変遷④の続きです。

今回が最終回。
最後にうちにあるものを年代順に並べて、スリーブの変遷を追ってみましょう。

ここまでは取り出し口は全てストレートカットになっているのが確認できます。
そして、若干取り出し口が一段下がってはいるものの「LONG TALL SALLY」までは、ストレートカットなのに対し

その次の青いHARD DAY'S NIGHTから、取り出し口形状が凹みのあるタブカットへ変更となり

"NOWHERE MAN"まで一貫して凹みのあるのが分かると思います。

ここまでのものは、光の加減で分かりにくいモノもありますが、オリジナル盤に関しては全て表面にラミネート加工が施され、裏面に関しては折り返し部分のみコの字型にコーティングが掛かっているのが見て取れると思います。取り出し口の位置も、全て横側にありますね。

そして"MAGICAL MYSTERY TOUR"についてですが、

これはブックレット一体型な見開きジャケットで基本的な構造が違う為、他のものとは形状が全く異なりますので、別モノと考える事にします。

そして一方、うちにある唯一の再発盤、多分80年代のものと思われる"ALL MY LOVING"はというと、

取り出し口の形状がオリジナルと異なり、タブカットとなっています。コーティングの掛かり方も多少艶はあるものの、オリジナルのような鏡のような光沢とは異なり、裏面に関しては折り返し部分だけコーティングの掛かったオリジナルとは違い、全体的に半光沢な風合いになっているのも、見て取れると思います。

また他の80年代な再発に関しても、ネット画像や店舗で実物を見る限り、うちの再発ALL MY LOVING"と同じような仕様になっているように思います。

レーベルの細かいことさえ分かってりゃ、ジャケットなんて別に気にしなくても良いじゃんと思うかもしれません。

確かに、レーベル🟪部分に「SOLD IN U.K.~」表記がなされている年代に発売のもの(1964年2月〜1969年春頃まで)は、まずはその表記が有る無しの確認、それが再発か否かの大きな判断となる事は確かです。
なぜなら多く出回っている'80年代再発には、当然この表記が無いからです。

しかし、その「SOLD IN U.K.~」表記のなされていない1964年2月より前に発売となった物に関しては、ジャケットからの判断材料も不可欠で、

光沢の有無
取り出し口の位置形状の外見をチェックをしながら、
レーベル内の他の細々した🟨🟦🟥の点も踏まえ、
レーベルとジャケット双方を総合的に見て判断していく事になるかなと。

また時折見かける、中身の確認出来ないシールド品等が再発なのかオリジナル盤なのかを判断するという意味合いでも、
このジャケットの変遷を知ることはとても重要だと思いました。


最後に

「何故そこまでしてオリジナルと再発を見分ける必要があるの!?」と思うかもしれません。

もちろんオリジナル盤は音が良いので それを手に入れたいというのが私にとっては大きいですが、
一番切実な理由は、やはりお値段。
全然違うんです。

再発のものは大変リーズナブルなお値段で、1000円でお釣りが来るものもあります。
一方オリジナル盤は、販売数の少ないレアなものならば、それこそ万単位。

再発なのにオリジナルと偽って(若しくは売り手が知らなくて)凄い値段を掲げているもの、
またはオリジナル盤としてはお買い得に見える金額だけれど、実はもっとお安い再発だった…とかいうパターンもあるので、

やっぱり知っておくって大切。
という思いからの、見比べ大会でした。

そして最後に。
この日記は、私が私の所有するEPを元にして行った考察ですので、もっと違う盤や見解があるかもしれません。
あくまでもご参考程度ににというのと、何より自分の為の備忘録でございますので、その辺ご理解下さいますようお願い申し上げます。

おしまい。

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