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北の国のお土産

まだ長男が小さい頃のお話。

電車好きだった彼がよく父にねだって連れて行ってもらった場所、それは上野駅で、
彼のお目当ては、駅の一階ホームやって来る、寝台特急北斗星&カシオペア。

その日も上野駅で入線前から13番ホームに立ち、北海道から帰還した北斗星をお出迎え。
駅の構造上それらはバックで入線してくるので、長く連結した客車を 電気機関車EF81が押しながらゆっくりと入ってくるのがまた
機関車好きな彼には堪らなく好きなシチュエーション。
じっくり、そして静かに見守ります。

そして入線が済み、大好きな機関車を間近で眺めいると、乗務員のおじさんが「ぼく、これあげるよ」と声を掛けてくれ、
連結器に残ったひと塊の雪をすくって長男に手渡しひと言。

「はい、北海道のお土産だよ🎵」

息子は相当嬉しかったのだと思う。
その受け取ったひと掬いの雪を大切に受け取り、そしてそれを大切に大切に


ポケットに入れて持って帰って来ました(笑)


もう、なんでジャンパーがびしょびしょなのかと思ったよ!
でも嬉しかったんだよね。良かったねぇ〜🎵

*

そんなエピソードを、テレビで雪景色を見たら久しぶりに思い出しました。
ただもう20年以上前の話なので本人覚えてないかな?と、既に成人した長男にその事を話してみると、彼は一言。

「あれはその辺になんて捨てらんないよ。そしたらもうポッケに入れるしかないじゃん(笑)」

確かにw。
彼の心の中には、これからもずっと、その雪は解ける事なく残っているのだと思う。

そして、
「素敵な贈り物を本当にありがとうございました」とその乗務員さんに伝えたいなって、私は今でもそして これからもずっと思い続けるのでした。


おしまい。


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