NHKスペシャルの感想 性と愛の未来

この記事は、ラブドールと暮らす変わった人間が書いています。そういう物事が苦手な方は、別の記事へ移られる事をお薦めします。


NHKスペシャル「ヒューマンエイジ 人間の時代」第4集 性の欲望

番組でセックスロボットが取り上げられるという情報があり、興味本位で見てみた。

感想としては

鈴木亮平の無駄遣い

変態仮面でモッコリ!な、あの鈴木亮平氏を起用したのだから、もうちょっと踏みこんでも良かったんじゃない、というのが正直なところ。
期待した内容とは違っていたので、あまり良い感想にはならないんだけど、それにしてもちょっとお行儀の良い優等生な内容だったなあと。

特に、バーチャルやAIといった現在進行系の性にまつわる物事、生物進化の過程や歴史文化から性に関する考察、性の欲求からくる性障害といった内容に分かれ、ちょっとまとまりに欠けていたように思う。
一方で、LGBTや性欲の無いAセクシュアルについてはほぼ言及されてなかった。

そんな中で、気になった点をいくつかあげていくと、まずは中国広東省のセックスドールの製作現場。
いわゆるラブドールではあるが番組内では、「ラブドール」という言葉は一切使われなかった。
そのセックスドールに会話型AIを組み合わせたセックスロボットの取り組みで、会話に合わせ目や口元を動かす技術が映されていた。
しかし、良く見ると下顎は動かず口腔も造り込まれていない形状のため、口パクにすらならないのでまだまだ違和感がある状態。
ただこれはユーザー側がオーラルを試みる可能性が出てくるので、メーカー側が抑止しているとも思える。

ちなみに年間180万体のセックスドールが作り出されていると言われていたが、そのうちの何%が日本に入ってきているのかとても興味がある。

次に気になった点は、ドイツベルリンにあるサイバー風俗店。
等身大ドール(つまりはラブドール)を相手にVRゴーグルを付けて性的行為を楽しむというもの。
ここでの会話はAIではなく、ボイスクイーンと呼ばれる生身の女性がやっているというからちょっと驚き。
ごく最近の話ではなく、2020年にはすでに営業していたようなので、その辺は進歩過程なのかもしれない。
逆に言うとほぼ実用化されて4年も経つのに、あまり普及していないとも言える。

他で気になったのは、会話型AIとの疑似恋愛(疑似セックス)にのめり込む女性。
AIが紡ぐ夢小説みたいな事で、わざわざ海外で取材しなくても良かったんじゃないかと思わなくもない。

後は、動画の利用が便利になったため、ポルノ動画への依存が問題になりつつあるという事。
こればかりは人間の欲求には際限が無いという話で、明確に言及はしてなかったけれどオンラインポルノを槍玉に上げるのはちょっと間違った話。


今の日本で性をテーマに取り上げるなら、TENGAの社長とオリエント工業の社長、あとは初音ミクさんと結婚した近藤氏、それに全裸監督村西とおる氏を呼んで、大真面目だけど現実的な内容が見たかった。
 …というのはあくまで個人的な思いつき。

お互いの姿を見つめ合って生殖行為が出来るのは、ほぼ人間だけなので、それ故に愛の営みなどとも言われる。
そういった話も嫌いでは無いのだけど、50分の番組ではテーマが大き過ぎたように思う。

テーマにある「解放堕落か」、番組内では触れてはいなかったけれど、人の価値観は時代によって変わっていく物で、どちらかに決めつけられるものでは無いのかもしれない。

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