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【マンガ業界Newsまとめ】スマートニュースにジャンププラスCH登場!&30周年記念『範馬刃牙』展開開始!|9/30-020

マンガ業界のニュースをまとめるマガジンです。SNSシェアや感想いただけると、本当にとてもとても嬉しいです!

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本日9/30より、スマートニュースで私が担当するマンガチャンネル関係にて以下が始まります!冒頭から自分の仕事の展開で恐縮です!

独立チャンネル「ジャンププラスチャンネル」
マンガチャンネルにて、30周年記念『範馬刃牙』連載開始! 

スマートニュースには、私が担当しているマンガチャンネルの取組をコアとして「マンガワンチャンネル」「コミックウォーカーチャンネル」など、マンガ媒体の独立チャンネルがあります。毎日ある程度の数の更新がある媒体のみの特権です。

チャンネル開始と同時に、描き下ろし複製サイン色紙プレゼントが開始します!詳しくは以下リリースをご確認下さい。

スマートニュースカラーの特殊な色合いで描いた、レアなサイン色紙を漫画家さんたちが描いてくださったとのこと。スマニューに作品が出たことを喜んでいただけたのかなと、私たちも喜んでいます。

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そして同日に、今年連載30周年を迎えるバキシリーズから、9月よりNetFlixでアニメ配信も開始する『範馬刃牙』の連載も開始です!まずは、アニメと歩調を合わせて『範馬刃牙』から開始し、ここから3か月ほどシリーズの連載を継続する予定です。

秋田書店はWebサービス「マンガクロス」を通じて、9/27よりスマートニュースのマンガチャンネルに作品提供を開始しています。合せてご覧ください!


53年連載が続いた『ゴルゴ13』など、数々の名作、及び日本に「劇画」というジャンルを確立した第1人者でもある、さいとう・たかを先生が亡くなられ、総裁選を押しのける勢いで各所で話題となりました。

プロデュース型、チーム型の複数人作品制作をすることでも著名なさいとう先生ですが、自身の没後も『ゴルゴ13』の連載継続を希望され、それが可能な体制を残されて逝かれたとのこと。デューク東郷をもしのぐプロ意識に、先生を悼みながらも、称賛する声が上がりました。

個人的には、夏前から先生が体調を崩していることをうかがい、心配しておりました。今年はみなもと太郎先生ほか、相次ぐ巨星の逝去が続きます。謹んでご冥福をお祈りします。そして、残された私たちで、マンガの火を盛り上げ続けられるよう頑張りたいと、より一層思いました。


先日のロシア語に続き、MANGA Plusがフランス語にも対応とのこと。その5分後に、フランス版大手海賊版サイトのひとつが、正規配信される8作品については、海賊版アップロードを行わないと発表したそうです。

先日、のロシア語展開→ロシア語海賊版サイトが配信作品を削除。という流れと同様、フランスでも同様なアクションがあったようですね。最早、海外の日本漫画海賊版界隈では、お約束のアクションのようになっているのでしょうか。

海賊版そのものは良いわけではないのですが、一先ず海外ファンの切実さのようなものは伝わってくるものがありますね。そして、MANGA Plusの多国語展開、加速化しているようにも思います。型が確立してきたというところでしょうか。


中国のマンガアプリ、PODO漫画による、縦スクマンガの書影が「動く表紙」になっているという話題がTwitterで話題となりました。良く見ると、縦スクカラーマンガの書影部分がうねうねとスムーズに動いている様子がわかります。

これについて、ネット上のマンガ関係者には様々な反応がありました。

過去「マンガを動かす」という取組は、現在のYoutubeにおけるマンガ動画が増える流れの前からそれなりの数ありました。同様に音声を入れたり特殊効果を入れるなどもありましたが、ほぼほぼそうしたサービスやチャレンジは継続していません。

最少人数で、小さなコストで制作できるマンガにおいて、こうした更なる工数をかけることは、セールスに対してコストが見合わなかったり、そもそも日本の読者がそうしたことを求めているかという点で、継続するに至ってきませんでした。

制作手法としても、日本におけるLive2Dなど、技術的には可能ではあるのですが、非常に手間やコストがかかるのも事実です。(目をひとつ動かすだけでも、動画左のように大量のパラメータがあります)

単純に面白いと評価する人もいれば、このサービスが続くのも、なかなか難しそうという意見もありました。

一方で、このサービスは日本国外で、もともと縦カラーマンガを好む、日本とは全く違う生態系のクリエイター、ユーザー、プラットフォームのいる外国の話です。また、こうした加工を簡単に行う技術も現在進行形で進化中で、こうした動きを、アプリひとつのワンタッチで可能とすることも、もうすぐというタイミングとも言えます。

恐らく、日本国内でこうしたものが定番化することは、上記からなかなか難しくは思いますが、技術的にも凄いスピードで進化している隣国に、この公式があてはまるかは、わからないとしか言いようがありません。

ひとまずは、どんな流れが起きていくのか、注視することが重要な局面かなと言えましょうか。実際、どんな規模感の動きになるかなど注目です。


セルシス社のニュースを2つ。WEBTOON Entertaiment社は、現在Zホールディング傘下に入ったLINEマンガと密接な関係を持つ、グローバル展開するWEBTOONプラットフォームです。そこに対して、制作ツールCLIPSTUDIOを通じて、技術提供を行うというニュースがひとつ。

もう一方は、音声、コミックなどのデジタルコンテンツ販売が好調なDLSiteが、電子書籍ビュアーCLIPSTUDIO READERを通じ、ラノベなどのテキストコンテンツ販売を支援するという取組です。

セルシスは、NPO法人NEWVERYが運営していた、新人漫画家向け情報サイト「マンナビ」の運営を引き継ぐなど、ツールベンダーの枠を超えたサービスにも展開中です。

もう一方で、セルシス社の対抗ともいえる、Medibamgも以下のような動きを見せています。

こちらは、すっかりトレンドとなったNFTにおいて、MediBang社が東村アキコ先生とコラボしてNFTコンテンツを販売していくというものです。

ちなみに、MediBang社はメディアドゥ社の資本業務提携をしていますが、GMOグループが出自の会社になります。

どちらも、ツールベンダーが多面的に展開している事例となっています。最近増えている、マンガアプリベンダーであるLINK-U社による多面展開なども含め、好調なマンガ市場のもとで力を付けた各社が、より多面的に展開する局面となっていることがわかる両社の動きでした


ディズニー/マーベルとコミック作家の遺産相続人が、作品著作権について争うというニュースです。

アイアンマンやスパイダーマンの権利について、相続人が出版社から権利を取り戻すということで、2023年6月にはマーベルから相続人に渡ると言います。マーベル側は「これらのヒーローは職務著作物であり、著作権移転の対象にはあたらない」と、対抗しているようです。

日本のマンガの場合、マンガの著作権はあくまで漫画家にあり、出版社はその出版権を契約して本を出したり、権利を預かって代理人としてアニメ展開をサポートしたりしています。一方で、アニメなどは脚本家と制作会社の関係がこの「職務著作物」に近い関係かなと思います。

ディズニー/マーベル側から見て敗訴となった場合、権利は「共有」となりそうで、それ以前に出た判例というか訴訟だと、和解が成立しているそうで、そのあたりはアメリカらしい「落としどころ」を探るための訴訟のようにも見えます。

今の所、あまり日本には波及しなさそうな印象ですが、なにせ出てくるタイトルが大きいので、業界としては注視しておいて損は無い動向かと思います。


最期は、直接的にマンガのお話ではないですが、IP関連のニュースです。

電子書籍取次最大手のメディアドゥ社が、DeNAグループの小説CGMサービス「エブリスタ」の株式を取得して、特定子会社としたというお話です。DeNA→メディアドゥの株式のやり取りは、MyAnimeListに続き2例目となります。

エブリスタは2010年に始まったサービスで「小説家になろう」「アルファポリス」「カクヨム」といった、ユーザーが小説を投稿するいわゆる「なろう系」サービスの一角です。

サービス開始直後は、マンガも小説も等しく扱うサービスで、その投稿作の中から生まれた『王様ゲーム』は、小説の他にもマンガ、映像など多面展開され、当時流行した「パニックホラー」作品の走りのような存在感でした。

筆者が、2015年ごろに当時の代表池上氏をインタビューしたのが以下です。

2013年に同じDeNA社によるマンガアプリ「マンガボックス」が開始したのちは、小説・文字ものに注力し住み分けし、一時はマンガボックスとエブリスタを同じ責任者が統括する体制となりましたが、昨年マンガボックスがDeNA社から独立したのち、再び単独で運営をしていたようです。

サービスの存在をビジネス的観点で俯瞰すると、CGMによりIPを生み出す仕組みをもっていることが大きな特徴です。これを、メディアドゥ社が子会社化する意味ですが、宙出版、日本文芸社と出版社を取り込んできたメディアドゥ社が、更なるIP獲得の推進のためエブリスタも子会社化したと考えるのが自然です。

もう3社目ともなると、合算すればそれなりの規模にもなります。ここに大きな資本が投下され、MyAnimeListなどのシナジーが生まれれば、インパクトのあるグループ経営に繋がっていくのではないかと考えます。

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