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『ルックバック』2日で400万PVからの9月単行本発売!など|マンガ業界Newsまとめ 10-210722

マンガ業界関連の日々のニュースをまとめるマガジンです。

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漫画家クラスタは勿論、マンガ好きからその枠を超えた所まで盛り上がり、『ルックバック』現象と言っても良いくらいの大バズりを見せる勢いでしたが、2日間で400万PV超え、早速単行本発売も決まったようです。

少し前に話題になった「例の漫画」(第2弾とも言われる)と呼ばれ話題になった『腐女子除霊師オサム』同様、力強い読切作品となっております。

紙の雑誌の部数が落ちるに伴い、雑誌にのみ掲載される読切作品は人目に触れる機会が減りました。新人の登竜門とも言える読切ですが、電子書籍の売上が上がり、多くの読者が漫画と初めて触れる場が、紙の雑誌ではなく販売の場である電子書店となったことにより、読切により新人作家と読者が出会う機会は激減したわけです。

潮目が変わったのは、出版社の運営するアプリが、他の電子書店に伍するレベルの力を持ったあたり、かつSNSによる拡散力のボリュームそのものが非常に大きくなった2010年代中盤ほどからでしょうか。その中心となったジャンプ+から、ここ最近力強い読切が発表され、多くの人の目に触れています。

思い返せばこれは、週刊少年ジャンプが650万部、週刊少年マガジンが400万部など、紙の雑誌が非常に強い力を持っていたころ、そこに載った読切が多くの人に読まれたことと同じと言えるのでしょう。ちょっと強めに言うと、雑誌というか編集部というか、媒体の復権と言えるかもしれません。

多くの意味で全く同じとは言えませんが、新人の育つルートが豊穣となることは、個人的にはとても良いことだと考えています。


2020年8月に第1回を開催したヴァーチャル空間の同人即売会の第2回『ComicVket2』が、今年11/6-11/14に開催と決定しました。

リアル会場最大の即売会イベント、コミケは今年冬の開催まで行わないということで既に決定していますが、 こちらは2021年は秋に開催する形ですね。


クリエイターエコノミーという言葉を多く目にするようになりました。国内でもクリエイターに関わるプラットフォーム事業者の団体が出来、海外においてはGREE田中さんおっしゃる通りで、英語でCreatorEconomyという言葉検索すると、沢山の記事や具体的な動きが見えてきています。

マンガにフォーカスする場合これは、漫画家によるD2C、つまり読者に対する直接的なビジネスを示すわけですが、これは同人活動やFantiaやPixivFanbox、Skebなどのデジタルファンクラブ/クラファン的な活動を指すと思います。マンガにおいてはあまりこの辺りをまとめた記事も無かったと思いますので、今度このあたりをまとめてみようかと思います。


昨年来、虎の穴は直営のリアル店舗を縮小しつつも、TSUTAYAやWonderGooなどの地方ロードサイド型店舗など、立地的な意味での相互補完関係が成立する連携先が主でした。

今回の連携は、同じ秋葉原に拠点を持つ、古物販売の雄である駿河屋です。これはいままでの立地的な住み分けに留まらず、ジャンルの違うタイプの店舗との連携ということになり、敢えて言えばオタクコンテンツ系の企業との連携にも広がっていることと言えると思います。

虎の穴については、オンライン事業が好調でいわゆるDXが進んでいる企業とも言えそうですが、その事業の発端になったリアル店舗側もこうした事業が進んでいると言えるでしょう。


単純なマンガの保管という範疇を超え、漫画家の生原稿や貴重な初版本など、多くのマンガの保管については、こうした公営・民営の図書館が担っています。

本記事で紹介される米沢嘉博記念図書館や京都の京都国際マンガミュージアム、先日水没が話題になって心配な川崎市市民ミュージアムなどがそれにあたります。

また、さいとうたかを劇画文化財団など民間というか、漫画家さん自身によるこうした活動もあります。

個人的な課題とも思っているのですが、現在好況のマンガ業界ですので、そうした利益や資産が、こうした保存事業などに上手く還流できるようなると良いなと考えています。

ただ、保存事業は本当に大変です。そうした活動をされている図書館員や美術館勤務の方などにヒアリングしても、やることは多岐に渡り、保存の方法論の共有や共通化なども今後の課題となっております。良い形を探っていきたいところであります。


KADOKAWAからのリリースですが、MFCレーベル、つまり旧メディアファクトリー系の作品についてまとめて発表するレーベルを作ったというリリースとなります。その名もアパンダ

メディアファクトリーというと、コミックジーンをはじめ4誌の媒体がありますが、このアパンダはWeb上におけるMFCレーベル4誌をまとめたネット媒体ということになるようにも見て取れます。

本稿では先に、ジャンプ+の強化により読切作品の認知が上がったことを記事としましたが、出版社による直接的なネット展開が強化&多様化していることが見て取れると思います。


こちらは集英社の少女・女性漫画の投稿サイトマンガMeetsが、ソニーミュージックと組んでのマンガ賞ということですね。

とにかく集英社のネット施策が非常に活発、かつNetFlixに続いてソニーと、近隣の他社連携も積極的だなぁと感じるものでした。


<韓国系ニュース>リンク先はGoogle翻訳になります。

韓国コンテンツ振興院「Kゲーム・ウェブトゥーン」など海外進出のための「総合パッケージ」をサポート... 29日まで募集

韓国には「韓国コンテンツ振興院」という韓国のコンテンツ企業が海外に進出する際に、お金や実務サポートをすることによって助ける組織がありまして、近年は年間10億円以上の予算を国策として投じています。

以前、国際マンガ賞を運営していた際にも、振興院の方々が韓国のクリエイターの方に同行し、様々なサポートをされていました。なんというか本気度が高いです。

韓国のコンテンツ輸出の実績を踏まえれば、BTSを筆頭とする音楽や、世界的なヒットを連発する映画など多くの実績が国策の延長線上にあり、WebToonもその支援対象となっているということですね。直接接して感じることは、お金の出し方がちゃんと現場に即しているところが上手く出来ている気がします。端的に言うと、彼らはエンタメへのサポートが上手で、次女もよくわかってると感じました。

ネイバーウェプトゥン原作「知っているが」、アジア7カ国でネットフリックス1位

韓国Webtoon原作が、ネットフリックスにおいてアジア各国でヒットしているというニュースです。必ずしも振興院が全てというわけではないでしょうが、日本であればさしずめ『鬼滅の刃』や『攻殻機動隊』が原作となるアニメという位置づけで、Webtoonからも世界的ヒットが出ているということですね。内容的には是非チェックしたいところであります。


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