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お正月に保護したKEIKO KAWASHITAさんのこと

お正月の1月2日にラブコの山ちゃんがスーパーウーマンのごとくレスキューしたケイコ・カワシタさん。
極寒の中、3、4日も川辺にうずくまっていたカワシタさん。これから少しずつ元気になってくれるといいなと願っていましたが、天国へ旅立ってしまいました。

保護して数日はラブコでお世話していましたが、カワシタさんはあまりにも儚げで、本当だったらうちに連れて帰ってあげたいところでした。ただ、我が家も12月から体調を崩してしまったなっちゃんもいて、ホスピスもキャパオーバー気味。連れて帰ってもちゃんとお世話してあげれないかもしれない、と心を痛めていましたところ、ラブコワーカーのyakipontaさんがタロちゃんと一緒にご自宅でお世話してくれるとなんともありがたいお申し出をしてくださったのです。
yalkipontaさんもラブコでカワシタさんの様子を見て、夜誰もいないオフィスに置いて帰るのが心配だったそうです。

保護当時、最初に連れて行った病院で肺に影があり、腫瘍の可能性も否定できないと言われていたのに加え、下痢気味だったのでyakipontaさんにお世話をお願いする前にいつもお世話になっている病院で診てもらうことにしました。
それが、東京でも雪が降った1月6日のことです。

下痢の原因は大腸炎だったようで、薬を飲ませたら落ち着くでしょうとのこと。肺の影についてはCTやMRIを撮る必要があるのだけど、今のカワシタさんの状態では麻酔のリスクもあるし、もう少し落ち着いてからにしようということになり、それであればと病院からそのままyakipontaさんのおうちに直行することにしました。その方がラブコにいるより絶対に良い。

 yakipontaさんは病気や高齢の子のお世話をするのにも慣れているし、何より愛情たっぷりにお世話してくれるので、一足先にお世話になっているタロ子ちゃんなんて艶々のピカピカに変身しちゃったんです。
そんなyakipontaさんのお家でしばらくはぬくぬく幸せ生活を送っていたカワシタさんですが、発作を起こしていることが発覚しました。
一度目の発作の後、すぐに近くの病院へ連れて行ってもらいましたが、やはり詳しくはCT撮らないとわからない。もしかしたら脳に腫瘍が転移している可能性もあるかも、、とのこと。とはいえ、発作はすぐに収まり、本人もその後元気に過ごしているとのことで安心したのも束の間、その日の夜中、また二度目の発作が起きてしまいました。翌日またラブコでお世話になっている病院に連れて行き、発作のことを伝えてよくよく調べてもらったところ、気胸と言って肺に穴が空いていることもわかりました。
 肺の影も結構大きいと言われました。が、CTやMRIは気胸であれば尚更リスクが高いのと、腫瘍とわかったところで有効な治療法はあまりないとのこと、そしてさらに片方の目がほとんど見えていないこともわかりました。
カワシタさん、、、(涙)。
発作については、腫瘍が原因だったら効かないかもしれないけど、てんかん用の薬を処方してもらい、様子を見ることにしました。

同じ頃、カワシタさんのお外時代を知っているというご近所の方から連絡があり、カワシタさんの年齢は 15歳くらいであること、そして今までお世話をしていた方が最近姿が見えないということがわかりました。お世話してくださっていた方も高齢の方だったようで、もしかしたら体調を崩されてしまったのかもしれません。

yakipontaさんのお家ではカワシタさんはケージから出てお部屋にフリーにしてもらったのですが、同じ場所をずーっと旋回したり、ものにぶつかってしまったり、トイレに間に合わなかったり。。。こんな状態で外にいたので、川辺にいたのはぐるぐる回って足を滑らせてしまったのかもしれないね、と話していました。
そんな状況でもyakipontaさんはおおらかに受け止めてくれて、かわいいおむつを履かせてくれたり、夜は一緒のお布団で寝たり、介護生活も全然苦じゃない、一緒に過ごせて幸せと言ってくれました。同室のタロちゃんとも仲良くなって、カワシタさん、幸せそうでした。
でもそんな幸せは長くは続かず、てんかんの薬はあまり効果がなく、再び発作が起きてしまい、そのまま天国に旅立ってしまいました。

私は、カワシタさんはもう思い残すことはない、と満足して旅立って行ったのだと思います。
後に、カワシタさんが発作を起こしたときの動画を見せてもらったのですが、ラブコにいた最初の数日の間も発作を起こしていたかもしれません。夜は留守番カメラで時々見ていたけど、発作の時と同じような姿勢をしていることが何度かありました。毛繕いをしているようにも見え、明るいところでちゃんと見ないと気づかないものでした。

カワシタさんが旅立ってしまったのは寂しいし、きっとそのうち元気になってくれると思っていたからこんなにお別れが早くてやるせない気持ちだけど、でも後悔はないんです。
yakipontaさんのおうちに行かせてもらえたからそう思えます。
ぐずぐずしてないで、すぐに決断して良かった。あの時迷っていたら雪で路面が凍って車が出せなかったし、その次の日も別の猫の通院やらでバタバタしてしまってきっともっと遅くなってしまったと思います。

カワシタさんはお外にいたとは言え、ずっとお世話をしてくれる人がいて、ご飯ももらい、時折子供たちにも可愛がられていたようで、いわゆる地域猫として愛されていたのだと思います。
地域猫も元気なうちはまだいいのかもしれません。
でも、病気になっても気づいてもらえることは少ないし、病院に連れて行ってもらえることも滅多にない。車に轢かれてしまっても、誰かにいじめられていても、いつも守ってあげることはできません。毎日会えると思っていたのに、ある日突然会えなくなります。私もそういうハラハラした思いを何回もしました。だからリリースできなくなってしまった。

不幸な猫を増やさないために、最低限できるのがTNRだし、現実問題として頭数が多ければこうするしかないのは仕方ないですね。。。野良ちゃんって集団でいることが多いので、一度に20頭も30頭も保護するのはなかなかできませんから。。
けどリリースするのって本当に辛くて、個人的にはいつ会えなくなるかわからない子をお外でお世話し続けるよりも、保護して譲渡してまた保護した方が精神的にもずっと楽です。だから餌やりさんはすごいなあと思います。きっと辛いことがたくさんあるはず。

殺処分を減らしたい、不幸な命を増やさない、それだけを考えたらTNRをどんどん進めた方がいいと思うし絶対に必要だと思います。でも生身の猫って数字じゃないし、うまく言葉にできませんが、見ちゃうとなんかつながってしまうんですよね、、。だからラブコがやってることってほんとミクロの世界なんだろうな。助けられる猫はほんのちょっと。全体からしたら多分数字にならないくらい。でもそれでもいいと思ってるというか、それしかできない。だから保護猫活動やろうと思ってくれる人が増えるといいなと思っています。(あ、保護猫活動仲間募集中です!)
保護した子の譲渡をもうちょっと進められるといいなとは思うけど、彼らの魅力をアピールするのは私たちニンゲンの仕事だし、縁があってラブコに来た子達が幸せになってくれればそれが一番です。

と、話が脱線してしまいました。
カワシタさんは優しいおうちにたどり着いて幸せに包まれて旅立っていけて本当によかった。不思議とお別れの悲しみよりもそう思う気持ちの方が強く感じました。
カワシタさん、天国てゆっくりしてね。
短い間だったけど、いろいろなことを教えてくれてありがとう。

最後は yakipontaさんのお家でぬくぬくしている幸せそうなカワシタさんで!(yakipontaさんのinstagramより

おしりぽんぽんされるカワシタさん
タロ子さんに甘えるカワシタさん
最後は yakipontaさんのおうちのお嬢さんになりました


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