もしも無職に恋したら その2
お久しぶりです
これの続編である。インタビューをさせていただけたからだ(*1)。
記事内外で
などと言っていたところ、
こうしてお声を掛けていただけた。ありがとうございます(*2)。
しかしまずお詫びしたい。インタビューをさせていただいたのは1月の末。これだけ日が経ってしまったのは単に私の身辺の都合(*3)であり、お相手の方に責はまったくない。申し訳ありませんでした。
*1
そもそもなぜこんなことをしているかについても上述の前記事で述べている。お目通しいただけるとありがたい。
*2
この他、DMでしばらくやり取りをさせていただいた方もいらっしゃる。 しかしこちらの不手際でお返事が遅れてしまい、以降お話を伺えていない。申し訳ありません。お元気にされていることを願っていますし、もしまたお話してくださるならばいつでもお待ちしています。
*3
なかなか退職できず半年ほどもめていた。できてよかった。
今回のお相手
では、改めて。
Mさん(20代前半・女性)は昨年転職したばかりの会社員。前回の方と同様、このインタビューが初対面だ。「好きなひと」は前職で同期だった男性だそう。だった、ということは……。
無職への道のり
ラブまっしぐら(以下、ラ) : ええと、元同期で、今無職……?
Mさん(以下、M) : そうです。彼も私も去年退職して、私だけ再就職しました。
ラ : 再就職おめでとうございます! 彼はしばらく、というか一時的に無職って感じですか?
M : 一時的に無職なんですけど、なんかもう仕事しない宣言みたいな……。
ラ : おっ?
M : 理想としてはお金のない世界に生きるって言ってます。あと自給自足を目指す。
ラ : そうきたか〜。
M : 前職が激務すぎて。反動でみたいな……自給自足ってねえ。おじいちゃんですよね。
ラ : よっぽどつらかったんですね……何系の会社さんだったんですか?
M : 飲食です。
ラ : じゃあお休みなんかも不規則だったり。
M : はい。ほとんど週1くらいかな。シフトでしたし。私は管理部門だったからまだ良かったですけど、彼は現場だったのでひどかったですね……在職中にもう付き合い始めてたんですけど、休みも合わないし、仕事終わるのも遅かったし。
ラ : 大変……あ、よろしければなれそめなど。
M : 私の方が先に好きだったんですよ。入社式の時に……彼はインターン的な感じで既に現場に入っていて、それで入社式なのに3日寝てないみたいなぼろぼろの状態で来てて。
ラ : 入社式ですよね?
M : 帽子もかぶったままだし、マスクもしてて、もう目のところしか見えてなかったんですけど……めっちゃ好きな目〜と思って。
ラ : おお……人はわずかな情報からでも、恋を……。
M : 一応そのあとしばらくして、同期が集まる会があったので話せたんですよ。そしたら喋り方がすごく優しくて! 私は関西出身なんですけど、東京の喋り方ってこんなに優しいのかってびっくりしたんです。「丁寧に扱われてる!」と思って。
ラ : それは嬉しくなっちゃう。実際丁寧だったんでしょうねえ。
M : それからまたちょっと経った頃、むこうから「仕事終わったらごはん行きませんか?」って誘ってもらって。でごはん食べて、ぶらぶらしようか〜ってお喋りしながらそのへんを……2時間くらい? 話が盛り上がりすぎて……。
ラ : 気が合いますね!
M : わりと途切れることなくずっと喋ってましたね。それからも何回かごはんとか行って。
ラ : お付き合いに至って。
M : はい。まあ至るまでにも……職場に噂好きの先輩がいたんですよ。1聞いたら10にするみたいな。で、 その先輩がある時「なんか彼、あなたのこと好きみたいだよ〜」って。で、やった〜みたいな。
ラ : やった〜!
M : でもこれ、付き合って何か月してから、本人から「人間として気になるって話だったんだけど」って聞かされました。
ラ : 先輩!!
M : ほんとに! まあでも仲良くはしてましたよ。夏に1週間くらい旅行いったり。
ラ : よかった……。
M : そしたら彼はその後仕事行きたくなくなって……業界あるあるらしいんですけど。で、辞めるってなって。
ラ : わっ。
M : 私は辞めるか迷ったんですけど、ちょうど一緒に住もうかみたいな話が出てたりもしたので……。
ラ : おお〜!?
M : 辞めて、ふたりで時間も曜日も決まってる仕事して、それで一緒に住めれば超ハッピーじゃない? みたいな。で、辞めたんですけど。
ラ : けど……今に至ると。
M : そうなんですよねえ。
ノー・ベッド・ライフ
ラ : じゃあそれぞれお一人暮らしで。
M : はい。
ラ : 彼は……家賃が払えなくなるのではないでしょうか……?
M : そうなんですよね。 どうするんでしょうね……気が気じゃないですよ。実家帰るのかな〜とか。
ラ : ご実家近いんですか?
M : 四国です。
ラ : 遠っ。
M : 本人は別に帰るって言ったりとかはないんですけど、ただ家の荷物は遊びに行くたび減ってます。
ラ : え?
M : なんかどんどんスカスカになっていくんですよ。この前行ったらベッドもなくなってて。
ラ : ベッド!?
M : さすがに問い詰めましたもん。「私が泊まりに来るの嫌ってこと!?」って。
ラ : ワー! え、彼は何と……?
M : いやそれが……「自転車で日本一周したいから」って……。
ラ : !?
M : 「荷物をどんどん少なくしてリュック1個に収まるくらいにして、そしたら家を引き払って」って。
ラ : いやそれは、ええ……?
M : 確かに彼、もともと旅人気質というか、安定したくない感じの性格で……私があんまりグイグイいくとうっとうしがられたりとかはあるんですよね。都会よりは自然の中のほうが落ち着く、みたいなこと言ってた時もありますし。
ラ : とはいえ……あ、自給自足もそれなんですかね。
M : かもしれないですね。よく「人ごみしんどい」とか「僕ずっと東京いるのかな……」とか、なんなら一時期スマホも捨てて「僕はガラケーで生きていく」って言ってたこともあって……その時も「私の連絡がうっとうしいの?」みたいなことでまたちょっとワーワー言ったりしましたね。
ラ : うーん……結局どうなりました?
M : しばらく経ったらフリマアプリで中古のスマホを買ってました。
ラ : トホホ……。
生計と自立心
M : そうそう、フリマアプリで物を売って生活費にあててるっぽいんですよ。
ラ : マメですね。家の物も捨ててたわけじゃないんだ。
M : そうなんですよね。そろそろ売る物なくなるんじゃないかなって思ってるんですけど。
ラ : 売る物も貯金もなくなったら……。
M : バイトしなきゃな〜とは言ってましたけど今のところしてないですね。ずっと家にいます。
ラ : なるべく仕事せずにいたいんでしょうかねえ。
M : ほんとに。でもなんなら私は、自分が仕事して彼は家で家事とかやってくれてっていうのでいいんですよ。
ラ : あ、養ってもいい。
M : いいです。週3-4くらいのバイトをして家で夜ご飯作って待ってくれてる、みたいなのが私としては理想的で。でも本人が……その気がないというか、あんまり寄りかかってくれないんですよね。
ラ : おお……彼もこの際「え! 家のことしてていいの? やった〜じゃあ仕事よろしく!」ぐらいの感じだったら……。
M : よっぽど気が休まりますね……もし彼が新しく仕事を始めて、出会いが増えて、それで2-3年経ったときにいい人が現れてしまうかもしれないじゃないですか。そしたら私は20代後半で、ぽいっと……。
ラ : ウウ、急に悪い想像が。
M : だったら仕事しないでくれたほうが……手元に置いておきたいというか、あわよくば養いたい気持ちもあります。別に甲斐性なんて求めてないんですよ。なのに、こう……根拠のない自立心が……。
俺とお前と自給自足
ラ : 自給自足したいとまで言ってますもんね。
M : それも……例えばですよ。
ラ : はい。
M : もし彼がほんとに田舎で自給自足をするとして、それについていくとすると……絶対車いるよなとか、病気になったらどうしようとか、将来おばあちゃんになった時とか考えると……。
ラ : ウウ……。
M : 私は東京が好きだし、ついていくほどの気持ちにはなれないんですよね……でも「ついていかないけどずっと付き合う」としたら、自給自足してる人のところに月1ぐらいで通ってっていうのを……今後おばあちゃんになるまで……?
ラ : 考えたらつらくなりました……。
M : 畑とか作るんだろうし、絶対こっち来ないじゃないですか。じゃ自分が行かなきゃみたいな……せめて「結婚するから、その前にやりたいことをやっておきたい」なら待つんですけど。
ラ : うんうん。待つ理由が明確だし。
M : 期限もあるし。で、帰ってきたら同棲しようとかがあれば「そっか、オッケー」って思うけど……何が目的がわからず、着地点もわからず。なんなら帰ってくるのかさえわからず。待つ側からすると「人の時間を何だと思ってるんだ!」って。
ラ : そうですよねえ。別れるんだったらもう「じゃあしょうがないから先のことを考えるか」ってなるかもしれませんけど……。
M : そうなんですよ。ただ待つだけか〜と思って。
ラ : 先の見えない ”待ち” が……。
M : わりとむこうのプランに私はいないんですよね。いつも。
ラ : つ、つら〜い!
M : かなし〜い! 悲しい現実なんですこれが。
ラ : イヤッこれは悲しい。
M : たまにすごい絶望的な気持ちになるんですよ。「僕と田舎に行こう」ぐらい言ってくれたらいいのにと思うんですけどね。逆に。
ラ : 言ってくれるんだったら気持ちが……田舎に行こうかどうしようかに切り替えられますからね。でも正面きって聞けないしな……もし「えっ」って言われたらと思うとダメージがやばい。
M : 「あっ行くつもりだったんだ」「来るんだ」みたいな。
ラ : そんなこと言われたら一生立ち直れない……。
M : なんていうか……過渡期なんですよね。このまま過ごして30歳とか35歳とかになったらどうしようって気持ちもありつつ、でも好きな気持ちが強いのも自覚していて……。
お泊まりグッズの意味
ラ : あの、例えばもともと結婚願望というか、「将来誰かと結婚したい」的な気持ちがあったりとかは?
M : なかったんですけど、今回芽生えてしまったというか……帰ったらいてほしいなみたいな。芽生えたものの行き場がないですけどね……。
ラ : 悲しい……。
M : むこうも期待させるからアレですよね。同棲のことも……前職いた時点で「じゃあ夏過ぎぐらいに」みたいな話が出て。でも一回仕事辞めたからちょっとお金貯まったらにしようって、あと場所も考えなきゃいけないじゃないですか。むこうも仕事するんだったら通勤楽なところでとか。で待ってたんですけど、仕事しないから……どうしようって。
ラ : 言ってて延びてるの厳しいですね。
M : そうなんですよね。まあ泊まりに来たりはしてるんですけど、でもそもそも本人が……お泊まりグッズ的な物も定期的に持って帰ってるんですよね。全部。
ラ : なんで!?
M : 「ちょっと……ちょっと回収するわ」みたいな。
ラ : ??
M : もうこっちは気が気じゃないわけじゃないですか。もう来ないのかな、みたいな。
ラ : それはそう思いますよ。
M : で、なんか私がワーワー言うじゃないですか。そうすると「あなたは俺に依存しすぎてる」みたいな。
ラ : いやちょっと、それはどうかな〜。
M : どうしたらいいの〜。
ラ : これは難しい……えっ、なんか無職関係なくなってきた!
M : アハハハ。
ラ : どんどん無職が関係なくなってきましたね。
M : そうなんですよね。
いちごパーティ
ラ : 無職の話……あ、無職になっても普通にデートとか行くんですか?
M : 行きます。普通に普通に。まあでも、お金が多分だんだんなくなってきてるんで予算は減ると思いますけど。
ラ : ああ〜、行くお店とか。
M : そうですね……あ、いちご狩りを断られました!
ラ : いちご!?
M : (笑) 辞めた後に、東京から出雲大社までレンタカーで行くっていうのをやったんです。で、その帰りに静岡の海岸沿いにいちご狩りできるところがめっちゃあって、今度行こうって話をしたんですよ。私はそれ以降ずっと行こうって思ってて……それでこの前「そういえばあのいちごのやつ行こうよ」って言ったら「ン……」って。
ラ : リアクション、薄〜!
M : 私、免許持ってないんですよ。だから「僕……が運転でしょ」みたいな。
ラ : そこ〜? そこもだめ?
M : 「それならいちご買っていちごパーティしたらよくない?」って。
ラ : その発想はちょっと微笑ましいですけど。
M : 狩りたいんです〜こっちは、って。それでワーワー言って。
ラ : いちごパーティ……。
M : だって1日バイトしたらいちご狩りくらい行けるじゃないですか! 1500円くらいなのに。
ラ : ぎりぎり私でも行ける〜!
ずれているものごと
M : なんかむこうはあんまりお金を使うことに興味がないというか、物質に興味がないみたいな感じで。でも私は結構お金使うのが好きなんですよ、浪費家なんです。わりと。
ラ : 買うことも含めて楽しい、買って手に入るしハッピー、という。
M : そうなんですよ。私は、買ってお金が足りなくなるならもっと働けばいいみたいな感じで。大概もう全然お金なくて「ああ〜今月もカードがやばい」みたいな状況がずっと続いてるんですけど、それでも普通に化粧品とか見てたら、彼は「え? そんなに物に溢れて君はどうしたいんだ?」みたいなことを……。
ラ : 価値観……そりゃベッドを捨てる勇気のある人から見たらそうなるかもしれませんけど。あとベッドは捨てないでいいと思う。
M : 完全にずれじゃないですか。ちょっとマジでどうしようって気持ちはあって。例えば別の人とつきあってたとして、その人もお金を使うことが好きで同じテンションで高いごはん食べに行ったりとかするなら、そのほうが実は楽しいんじゃないのかと。今も楽しいけど……どうなんだろうか、みたいな。
ラ : ふむ。
M : 私、食べるのがすごい好きで。ずっと口コミ見て『行きたい』マークとか星とかつけて 「次どこ行こ〜」って思ったり。でも、むこうはそんなに興味がない……同じテンションで興味ある人だったら「次あそこ行こ〜こっち行こ〜」って、それでお金使うことも厭わないならそれはもっと……楽しいんではないかと。
ラ : それは……あるでしょうね。単なる友だち同士だったとしても。
M : そうなんですよ。でも全部「……ッゥン」って。
ラ : リアクション! そういう……消費っぽいことに興味がない感じって、お仕事してた時からずっとですか?
M : うーん……。
ラ : お金がないせいなのか、それとも、っていう。
M : ええと……仕事してた頃のほうが、限られた時間で限られたことをしなきゃいけない感じで。お互い休みも少ないし、シフトの希望は出せても通るかは微妙みたいな感じだったので、休みが合ったら自然と「どっか行こう」ってなったんですけど。
ラ : うんうん。
M : 今、もうむこうは何もすることがないじゃないですか。私は週2日休みだから「土曜日はゆっくり休んで、日曜はここ行ってあそこ行ってあれ食べて」みたいに思うんですけど……むこうにとっては7日間あるうちの1日なので。
ラ : ここに詰め込まなくてもよくない? みたいになっちゃうんですね。
M : 毎週毎週? みたいな。でもこっちにしてみれば5日間働いたあとの2日間じゃないですか。で、ちょっとなんかもやっとする。
ラ : 難しいですね……。
M : 休みの日に行きたかったランチがあったとして、11時オープンで11時に並ばないと入れない、みたいな状況だったらまあ10時とかに起きるじゃないですか。
ラ : はい。
M : でもむこうは超ねぼすけなんですよ。
ラ : 超。
M : まあ体質的にというか体調的にというかって感じなので、あんまり強く言わないですけどね。ただ彼が起きないことには……昼前に起きたらどこか行けたりするんですけど、結局昼過ぎに起きて夕方までだらだらしてああ〜もう夜、みたいな。せっかく東京にいて、行く場所もイベントとかもたくさんあるのに。1日の価値がどうしても違ってくるじゃないですか。
ラ : ああ……。
閑話休題
ラ : そういえばそのピアスかわいいですね。どこで買ったんですか?
M : 彼にもらったんですよ〜。
ラ : あら! センスいい〜!
M : センスのある無職なんですよね〜。
ラ : ワハハ! 服とか髪型とかもおしゃれなんですか? あ、でもお買い物はあんまりしないのか……。
M : 服は古着とか、フリマアプリで買ったりが多いみたいです。最近は膝下くらいまであるおっきい白いシャツとか、あと古着かなんかの……独特な、染物みたいな……。
ラ : 買ってはいるんですね。
M : あと髪型はもうなんか、町田康みたいな……。
ラ : アッハッハッハ! ええ? 急にそこだけ?
M : 前におしゃれな美容室で切ってもらって、最初はセンター分けのちょっと刈り上げてあったのが伸びて……切りに行くお金がないがゆえに、町田康に。
ラ : いい……。
展望と野望
ラ : いや〜しかしこれは今後どうなりますかね。
M : どうなるんでしょう。
ラ : 何が正解なのかわからないけど……一緒に住めてほしいな〜Mさんは住みたそうだから……。
M : 住みたい……。
ラ : 住んで、彼もちょっとだけバイトとかを……扶養の範囲内でいいから。
M : シュフでいいから。
ラ : ゴミとか出しといてくれたら……そうなってほしいですね〜。
M : 頼む〜。
ラ : もしよかったら時々様子を教えてください、何かあったら……いや何もないほうがいいんですけど。
M : 「旅に出ました」とか。
ラ : アハハ。
M : 「今出ました」とか。
ラ : 臨場感ある。あとは仕事に就くとか……「家を引き払いました」とか?
M : 「失踪しました」みたいな。「行方がわからなく……」
ラ : ならないで〜! 生きて! 生きているとわかる状態であってほしい……あ、でも急に富士山とか登ってるかもしれないですよね。
M : あ、富士山は登りたいって言ってた。
ラ : 言ってた!
M : なんか休みの前の日に「明日何する?」みたいになって「富士山登る?」ぐらいの感じで。
ラ : ワハハハ!
M : 「ええ!? 寒いし!! 死ぬ死ぬ!」みたいな。
ラ : 謎のチャレンジ精神。
M : 変なとこストイックなんですよね。そこ? みたいな。ただ、それこそ日本一周したいっていうのとかも……ほんとにやるなら、というかやると決めてる人ならやるじゃないですか。だから私はやらないと思ってるんですよ。言ってるだけで。で、言ってるだけで何も行動しないのにどこまで耐えれるかっていう……今は好きのほうが上回ってますけど……。
ラ : ウーッ。
日本一周のゆくすえ
ラ : あれ、そもそもなんで日本一周なんでしたっけ。
M : 1回ちらっと聞いたのは……日本ならではの「出る杭は打たれる」的な文化がすごく嫌で、それの真相を知るためにというか……日本全土を見て回ることによって何か解決策が生み出せるんじゃないか、みたいな。
ラ : おお……思ったより複雑でした。
M : 聞いたことないですよね。みんなもうちょっとポジティブな理由で行きそうじゃないですか?
ラ : スタンプラリー的な「見て回る」かと思ってたんですけど……まあ、やりたいなら早くやったらいいんじゃない? と勝手に思ったりもします。お若いんだし。
M : まあ行くんなら早く行け、みたいな。
ラ : (笑) 行って、行った先から写真とか……連絡くらいは欲しいし、元気に帰ってきてほしいし……盗難にあわず、身ぐるみ剥がれず……。
M : だんだんハードルが……。
ラ : なんか「仕事に就いてほしい」とかだいぶ上のほうに思えてきました。
M : そうなんですよ。生きてて〜みたいな。
ラ : ちょっと上げますか……元気に帰ってきて、旅先でわかったことがあったら今後の暮らしの中で活かしたり思い出したりして、デートに行ける……いちごを狩りに行けるくらいのお金を都度得てほしいですね。
M : 確かに(笑)
ラ : まあ、いい季節になったらほんとに日本一周を……あ、彼、自転車は持ってるんですか?
M : 持ってないんですよ!!
ラ : アハハハ!!! いや〜もしかしてと思っていましたが。
M : 持ってないんですよ〜。
ラ : 見事だなあ……。
まとめ
非常に濃厚なエピソードを数多く伺えた。無職ならでは、とばかりは言い切れない。インタビューから数か月、彼の髪型はどうなったのか。
Mさんからの第一報は何になるだろう。再就職か、自転車か。いちご狩りの季節はまだまだ先だし……。
のあとに
と、ここまでをMさんにお送りし内容をご確認いただいたところ、お返事と一緒に「よかったら追記を」とこんなコメントを頂いた。
う、うわ〜!!!
おふたりのご健康とご多幸を心より願っています。
最後に
もし機会があれば、また色々な方のお話を伺えたらと思う。
好きなひとが無職またはそれに準ずる(*4)、かつインタビューをこのような記事にしても大丈夫という方、いらっしゃいましたらお気軽にご連絡ください(*5)。お待ちしています。
*4
フリーターなど、雇用や収入が不安定な有職者を想定している。この趣旨も前回の記事を参照ください。
*5
前回・今回はいずれも ”男性が無職サイドの男女” だったが、
『フリーターカップルとか 女性が無職サイドの男女とか 同性どうしで片方が無職サイドとか さまざまな「好きなひとが無職」パターンのインタビューが実現したら嬉しい』
(冒頭に掲載した自分のTwitter投稿より引用)
です。話したいと思ってくださる方はぜひ。
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