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仕事の帰りにいつも通り抜ける公園がある。 広めの敷地に大きな桜が数本あり芝や花壇の手入…
僕はこの集団をさっきからずっと眺めている。全くもってこの子達がここにこれだけ集まって何…
「お兄さんはこの街の人でしょ?」 彼女は僕のことを何もかも知っているかのような口ぶりで聞…
ーこれまでの話ー ある日僕はいつも通りがかる公園で子供の集団と出くわす。子供達は何のため…
時間は12時を少し回ったところだ。昨夜はとてもじゃないが眠れなかった。 昨日の外出時に…
駅前の通りを僕とサツキは速足で通り抜け、大型の電化製品と日常雑貨ののチェーン店舗があ…
「ペア?何のこと?初めから、一から説明して」 僕が詰める。 三佳は一度頭を垂れ、数回首を振ると少し間をおいて再度、僕の眼を見た。 僕も彼女自身も決意を求められているような気がする。 「まず、あなたが遭ったあの子ども達、あの子達は何者かという事だけど… あれは本当の子供じゃないの」 「本当じゃない?って人間ではないとか?」 僕は急にSFぽくなる話に少々拍子抜けする。しかし、三佳の表情は真剣なままだ。 「一昨年に感染症が猛威を振るって世界中がその対応に振り回されていた裏で
どうしても裏付けが必要だった。芸能人のゴシップではない。これが表にさらせたとして誰が敵…
2年前 欧州、ヒステンブルグ 立花三佳はヒステンブルグの3月の風の冷たさにスプリング…
スランデント森林公園は街から車で30分ほどの距離だ。ガイド誌によると世界自然遺産にも登録…
ウォルフ・ヘンドリッヒに案内され、三佳とサツキはスランデント森林公園の中を歩いてい…
二人はヒステンブルグまで車で連れ帰られていた。三佳とサツキの横にはウォルフの部下がシー…
「ロイ王子はサラ妃と一緒にインタビュー冒頭にお会いになられます」 ポールの悠々たる態度か…
滞在するホテルの前に車は止められ、二人は仮睡の間の悪夢から逃れるように車外へ出た。車はすぐに走り出し他の車列の中に見えなくなる。 相変わらずサツキは三佳の腕を掴んでいる。先ほどまでの体験が現実であったことの揺ぎ無い証拠だと三佳は思う。 「行こう」 三佳はサツキに声をかけ、何人かの旅行客であろう人達に混じり、身を寄せるようにしてホテルに入っていった。 8階にある二人が泊っている部屋に入ってすぐにサツキは床に座り込んでしまった。日本にいてはまず遭遇しない場面に居たのだ。恐