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世界はここにある

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初めての長編小説に挑戦中です。 週1~2回UPしています。 ある日謎の子供の集団に遭遇した高山英人。そこから彼は世界の裏側を知ることになり、そして自分自身が密接に関わっていること…
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2023年3月の記事一覧

世界はここにある⑥

 駅前の通りを僕とサツキは速足で通り抜け、大型の電化製品と日常雑貨ののチェーン店舗があ…

世界はここにある⑦

「ペア?何のこと?初めから、一から説明して」  僕が詰める。 三佳は一度頭を垂れ、数回首…

世界はここにある⑧  三佳篇

 どうしても裏付けが必要だった。芸能人のゴシップではない。これが表にさらせたとして誰が敵…

世界はここにある➈  三佳篇㈡

 2年前 欧州、ヒステンブルグ  立花三佳はヒステンブルグの3月の風の冷たさにスプリング…

世界はここにある⑩  三佳篇㈢

 スランデント森林公園は街から車で30分ほどの距離だ。ガイド誌によると世界自然遺産にも登録…

世界はここにある⑪  三佳篇㈣

   ウォルフ・ヘンドリッヒに案内され、三佳とサツキはスランデント森林公園の中を歩いてい…

世界はここにある⑫  三佳篇㈤

 二人はヒステンブルグまで車で連れ帰られていた。三佳とサツキの横にはウォルフの部下がシートに身体を預けながらも二人を監視しており、三佳は自分のバックの中を見ることさえ制止された。たった4日程度ではあるが見覚えのある街並みを視界の端に捉える。男の様子を伺いつつ顔をなるべく動かさずに、これから連れて行かれる所がどこなのかを探ろうとしていた。  隣のサツキは三佳の腕を掴み身体を三佳に寄せたまま黙っていた。三佳は反対の手で彼女の髪を安心させるようになでる。自分自身も先ほどの恐怖に身